ソフトボール部っ!
「楽しみだね、苺っ!」
「そうだね、春。・・・その“楽しみ”が―――・・・いや、なんでもない。」
六時間目が終わり、初の部活に行こうとする中一でごった返す階段。その一番後ろに二人の少女がいた。“春”と言われた本名、涼木春緒は、ポニーテールをしても腰くらいまである長い|(苺曰く、「長いってモンじゃないよ・・・。」)黒髪に、いつも大きい少しネービーブルーが入った黒い眼をしている。おじいちゃんがオーストラリア人だから・・・らしい。“苺”と言われた方の少女――本名、吉月苺――は肩までの少し癖のある黒髪に、澄んだ黒い眼をしている。苺は春緒の大親友だ。足の悪い苺をリードしながら、二人は階段をゆっくり下りてきている。
「何!?何なの?ねえ、教えてっ!」
「No.」
「拒否、はやっ!でもって、発音良いね。」
で、此処は南陵学園。中学生の生徒数、約500人。先生中高合わせては約150人。高校生は、約700人。ごくごく普通の学校。
一週間前、新入生を迎える会が一、二時間目にあり、今日からやっと“仮入部”から“入部”へと変わったのだ。しかし、春緒にはそんな事は関係ない。春緒は廃部寸前だった“ソフトボール部”に入っているからだ。そもそも何故得意の陸上ではなく、やったことのないソフトに入ろうと思ったのかというと、苺が「どう?私の変わりにソフト、やってみない?」と冗談めかして言ったのが始まりだった。そこから何故かとても興味がわき、その日の晩からパソコンの前に座りソフトについてを調べていた。
で、次の日に恭ちゃん先生|(青山恭子先生。胸くらいまであるくるくるとしたこげ茶色の髪をし、少し茶色っぽい眼をした春緒のクラスの先生。で、何故“恭ちゃん先生なのかというと「皆の者!恭ちゃんと呼んでくれたまえ!!」と言ってたから。)に
「ソフト・・・ソフトボールに入ることは可能、ですか?」
と聞くと
「顧問、いないだろ?だから、私が顧問になってやろう!!」
「え・・・?」
「だから~。私は何の顧問もしてないからな、“ソフト”の顧問をしてやろう、と言ってるのだ。光栄に思えよ?トキ|(春緒だから。)」
恭ちゃん先生がえらそうに言う。
「ほ、本当ですか・・・?!で、でもソフトのルール知らないんじゃ・・・?」
そういうと、
「何を言っている。私は小、中、高、大とずーーーーーっとソフトをしてきたんだ。ルールなどお前等よりも知っている。」
と胸を張って言う。
(えええええ~~!?すごっっ!!恭ちゃんって、本当はすごい人?)
春緒が驚いていると、恭ちゃん先生が右の人差し指を春緒に突きつけて
「じゃ、今日の放課後、いっちゃん|(苺だからな)と一緒に教室で待っとけ。」
(苺とは偶然クラス一緒でよかった~。苺負担がかか・・・る!!)
「何で苺もなんですか!?」
「苺にはお前の臨時コーチとして来てもらう!もちろん、強制的に。」
「強制的に、は駄目だっ!ばばあ!!」
春緒の口調が悪くなる。春緒には、“二つ目の顔”と言われるものがある。一般的に言う、“二重人格”だ。春緒の場合、感情的になりすぎるとすぐ出てしまう。
「なんだとっ!」
「ばばあがそんなに怒ったら、血管切れるぞ!!」
「ばばあじゃねえ~~!」
ついでに言うと、恭ちゃん先生の口が悪いのは元から。
延々と続くのではないのかと思うほど長く言い争いをしていた二人は、教室の片隅で固まってしまっていた人達を押しのけ二人に気付かれない様にゆっくり歩いてきた苺が両方が地面に沈むほどの強烈なチョップによって終わった。
放課後はとても楽しかった。前半は苺と恭ちゃん先生の指導。後半は部員を集めるためのチラシ配り。
とっても楽しかったが部員は一人も集まらなかった・・・。
で、一週間後の今日。
―――とうとう―――・・・。
ここまで読んでくれて、ほんとーにありがとうございますう!
感謝、感激、雨、嵐、カトゥーン!!
よく私の駄文を読んでくれました!
「下手ああああああ!!」と言って、パソコンの電源を切らないでよんでくれて、ほんとーにありがとーございますうう!!