表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の御使い  作者: おでん
第一章 神と龍とサラリーマン編
11/20

その十一 元祖高木○ぶー伝説

呼んでいただいている方は本当にありがとうございます。

特にブックマークまでしてくださっている方には言葉もございません。

皆様良いお年を

第一章 神と龍とサラリーマン

その十一


 「おいーーーす!。もいっちょ、おいーーーーーす!!」

 東司のすぐ目の前で嫌にテンションの高い男が呼びかけている。

 「うぜぇぇ、叫ばなくても聞こえてるっつーの!・・・、と今お前は思っている!・・・。あんちゃんあんちゃん!。当たった!?当たった!?」

 訂正。嫌なテンションの男が呼びかけてくる。うぜぇぇ。

 そいつは自分よりすこし上くらいの年だろうか、小太りのおっさんだ。頭を丸坊主にしている事もあって、まん丸って感じの顔だ。片目つぶって横ピースでポーズを取っているのが、逆の意味で性格を表しているだろう。しかも愛嬌がある感じで微妙に似合ってる気がしないでもないのがまた腹立たしい。好きなタイプか嫌いなタイプかで言えば、関わり合いになりたくないタイプだと言えるだろう。

 しかし残念ながら、この状況では無視する事は出来ないくさい・・・。理由は単純で他に誰もいないし、俺は今いる場所すら分からないからだ。全く持って残念無念ハゲチャビン。

 「ここはどこだ?。そしてなんだお前は」

 「それを言うなら誰だお前は?、だろーー?。何だお前はとは何だ!。何だお前はとは何だとは何だ!。何だお前はとは何だとはn」

 「うるさい黙れ。あ、間違えた。ハゲろ」

 ホントにうぜぇぇ、と思いつつ再度周りを見渡す。周りは真っ暗で何も見えない。当然ユーフランもいない。真っ暗なのに何故かハッキリと見える見えなければ良かった男しか見えない。最悪だ・・・。

 「で、どちら様ですか?。んでもってここはどこでしょうかね?」

 「いやいやとんでもねぇ、あたしゃ神様だよ」

 さて、と、ユーフランさんに帰された筈だけど、どうなってるんだ?。まだ戻ってないのなら、むしろ御の字だけど、また違う異世界に飛んだとかなら、最悪だ。何故なら・・・

 「おーい無視すんなよーー。寂しいじゃんよーー。ハゲてないじゃんよーー」

 ・・・ユーフランさんならともかく、この阿呆と二人きりで異世界とか、耐えれん。あり得ん。やってられん。つーかハゲろって言われたのそんなにショックだったのかよ。ざまー見ろ。よしハゲが嫌なら茶瓶と呼んでやる。ケケケ

 「名前を言いたくないならそれで良い。茶瓶と呼ぶからな」

 「チャビン?・・・なにやら玉露の様に甘くトラウマをくすぐる名前ですなー、いやん、うれしい・・・でも感じちゃう・・・シクシク」

 茶瓶は自分で体を抱きしめてクネクネしている。

 こいつに聞く意味あるのか?・・・、全部無意味に思えてきた・・・。と俺は何もない事は分かっていたが、再度周りを見渡す。

 「なー?、ユーフラン探してんだろー?」

 俺はガバッと音がしそうな勢いで、首を九十度右に向けて茶瓶の顔を見る。

 「シムラー、後ろ後ろ」

 茶瓶は俺の後ろを指さした。

 俺はすさまじい勢いで振り返る。が、真っ暗で方向がよく分からない為、にやにや笑いする茶瓶の顔まで一周してしまう。

 「馬鹿がみーるーー、ブタのけーつーー」

 ・・・

 うははははははは、あーはっはっはっ。・・・よろしい、ならば戦争だ。

 打撃戦だ。包囲戦だ。殲滅戦だ。脱毛戦だ。

 「まーまーまーまー、怒んなよー。単なるジョーダンじゃんよー」

 「死ね!ハゲ!。じゃない。脱毛すんぞ!茶瓶!」

 「ユーフランに会いたいんだろー?。会わせてやるよーー?。」

 まだいうか・・・確実に息の根止めるにはなんか武器がいるな・・・なんかねーか・・・

 「いやーもちろん、さっきユーが三百六十度回って確認したように、ここにはいないさー」

 しゃあない。もうこうなったら拳でいいか。確実性よりも即時性だな。

 俺は拳を握りしめて、渾身の一撃を叩き込んだ。叩き込んだはずだった。

 瞬間、俺の拳は空を切り、転がるように茶瓶の体をすり抜ける。

 「なっ!?・・・・」

 「乱暴はいやんいやん。」

 俺は戯言を無視して問いかける。

 「お前いったい・・・何者なんだ?」

 「だーかーらー言ったじゃーん・・・。『いやいやとんでもねぇ、』って、人の話を聞かないやっちゃなー」

 「・・・あたしゃ・・・、神様だよ?・・・」

 「イエス! アイドゥ!!。神様に対しての今までの無礼!。ドゥする?。ドゥ下座する?。ドゥ イット ユアセルフ?」

 ・・・頼む。誰か俺にチェーンソーをくれ。カミのヒラキをDIYするからさ・・・


 「まーねーまーねー、実際は神と言うより、神のアバターなんだけどねー。3D眼鏡で見ると神々しく見えるのさー。ラブマックスシアター推奨!!。」

 3D眼鏡掛けようが真実の鏡を使おうがこれっぽっちも神の威厳も尊厳も感じさせなさそうなのは、一種の才能なんだろうか?。いやこの場合は神の力?。なんにせよ真面目に話す気を無くさせる神様だが、究極対神兵器チェーンソーが手に入らない俺は、渋々、嫌々、泣く泣く、不承不承謝る。

 「死ねば良いのに。・・・じゃなかった。面白くねーんだよハゲ。・・・でもなかった。悪かったな、ふんっ」

 ・・・このやるせなさ、いつか晴らさで置くべきか。

 「よしよし、土下座までされちゃしょうがあんめー。本題行くぜーーー。VTRすたーとぉぉ!」

 してもない土下座をした事にされたよ・・・、つーか茶瓶が変な呪文を唱えながら、いや、変な神が呪文を唱えながら、ポーズを決める。

 「美味しくなーれ。美味しくなーれ。・・・萌え萌え、きゅん!!」

 ・・・・・・

 俺はまるで凍ったかの様に、茶瓶のポーズから眼が離せなくなった。

 きゅん!!、と胸が締め付けられるのを感じた。今すぐ駆け寄って抱きしめて上げたかった。

 いや、もちろん茶瓶をではない。当たり前だ。クラッカーだ。

 それは神が両手で作ったハートマークの中でユーフランさんが泣いている映像が浮かんでいたからだ。

 ユーフランさんは目の前に横たわる東司に縋り付いて泣いていた。

 ただ一人、自分しか音を立てる者がいない部屋で泣き続けている。

 俺はそれを見て胸を激しく掻きむしる様な苦しみを感じた。

 「抱きしめて頭ぐらい撫でてやるのが男ってもんだろうに、ダメな男だねー」

 「全くだ・・・全くダメすぎる・・・」

 俺は茶瓶の茶化し言葉に相打ちを打つ。異論はない。未だに理由も分からず彼女を泣かせているのは余りに不甲斐ない・・・。

 「神様、俺をあそこに帰して下さい。」

 分からないけど、いや、分からないからこそとにかく一度話し合ってみるしかない。

 するといつの間にか真面目な顔をしていた神様が右腕を振る。すると映像が飛んでいき漆黒の空間に大きくなって張り付き映像の動きが止まった。

 「一旦時間を止めよーか。焦らず話をした方がいいでしょ」

 神様は腕組みをしながら言う。

 「・・・さっきはダメな男だなんて言ったがね・・・。実際は君のせいって話だけでもないさ。どちらかと言えばあの子が一人でつまんない勘違いしてるだけだし。まぁいつもなら「これだから女は」とか言うとこだけど、今回ばかりはね。」

 「・・・勘違いって、何の事だ?。何を勘違いしてるんだ?」

 未だ分からない、その理由が分かるなら教えてくれと、俺は茶瓶の顔を見上げた。

 するといつの間にか真面目な顔をしていた神様が右腕を振ると映像が飛んでいき漆黒の空間に大きくなって張り付く。そして神様は腕組みをしながら言う。

 「・・・君はさ、彼女の前で「ギガドリル」ってやっただろ。あの子はあれを見て、お前が天元突破してでも・・・、つまり何が何でも元の世界に帰りたがっているんだって勘違いしたんだよ。」

 神様は嘆息しながら話を続ける。

 「まぁ、人同士のもめ事なんて端から見れば大概がつまらない事が発端だったりするけど、今回の話なんて正にドリフ。わざとやってるんじゃないのかと思うほどだ。まぁ対人レベル0のあの子に多くを求めるのも酷なんだろうが・・・。君の責任ではないが、君が責任持って誤解を解くべき事という話だよ」

 もちろん誤解じゃなければだけどね。と神様は顔を俺の方に向けながら言う。

 「実はそれよりも元の世界に帰りたいと言うなら話は簡単だ。この場で私に元の世界に帰りたいと言えば、次の瞬間には無事元の世界。ウェルカムバック。おめでとうという寸法さ。」

 「・・・一つ教えてくれ、なんで俺が元の世界に帰ると泣くんだ?」

 「おいおい、本気で言ってるのか?。女性が会えなくなる男に泣いて縋り付くなんて、どんな理由があると思ってるんだい?」

 「・・・会ってから一日もたってないんだぞ?」

 「一目会ったその日から、恋の花咲く事もある。ってね。・・・まぁ実は理由はあるんだが、それは彼女に聞くべき事さ。そんな事より君はどうなんだい?」

 「俺?・・・」

 「おれ」

 「よく分からないけど・・・」

 「よく分からない、けど?・・・」

 「彼女が泣くのを見たくない・・・」

 「泣くのを見るのはつらいかい?」

 「あぁ、確かにつらい。どうにかして上げたい」

 「君は元の世界では死んだ事になってるよ。元の世界でも泣いた人はいるだろう?」

 「・・・親はもう死んでるし、そこまで気を遣う相手はいないよ。それに・・・多分いても帰らないよ。」

 「それはあの子が気になり始めたからかい?」

 「・・・正直、泣かせたくないなんてかっこいい話じゃあない。好きだから、なんて素敵に血が登った話でもないな・・・、単に可愛い子に好かれたのが勿体ないから帰らないだけかもしれない。・・・でもどの気持ちも、自分の中に確かにあると思う。」

 俺は神の目を見ながら一応聞いた。

 「だから、とっかかりとしてはそれで良いよな?」

 「いいんじゃない?、まぁ、これでやるべき事は決まったよね」

 神様の顔が茶瓶になり、にやにや笑いに包まれた。

 「そう!、後はヤるだけ!。五千円なのか一万四千円なのかは若い二人次第!。って片っぽは若いっちゃ無理あるかー、うひひ。・・・でもさー、初めての対面!。初めての会話!。初めての接触!。とバージン奪いまくって自分色に染めてから悩むなんてさー、爆発すれば良いのに!、って感じだよねー」

 「人聞きわりーな、というか急に元にもどんなよな。まだ真面目なシーンだろ?」

 俺は笑いながら茶瓶の言葉に応えた。

 「まーじーめー?。おっぱいに負けただけの癖にさー。偉そーだなーおい」

 「あほか!、俺は本当はおっぱい派じゃなくて、腰・太もも派なんだよ!。てーかユーフランさんが言ってたぞ。神様はおっぱい魔神で龍フェチの変態だって」

 「へーんーたーいー?。ほほーー?。どちらが本物か比べるかい?。まずはチミが昔の彼女にやっt」

 「ぎゃー!!。あんたもか!?。それは止めてくれー!!」

 俺の泣き声が暗闇に響く。その後神様とプレイについての話でちょっぴり盛り上がったのは内緒だ。もちろんプレイってのはゲームだよ?(夜のと枕詞は付くが))


 「あーー。ちゃび・・・じゃない神様・・・。お願いします。俺をユーフランの所に送って下さい!」

 少ししてから俺は茶瓶に頭を下げた。時間は止めて貰ってるとはいえ、そろそろ泣き止んで貰いたいしね。まぁ後はやるだけだ。あー、やるかヤるなのかは知らんよ?。否定も肯定もせん。

 「んーんん?・・・。あれだよねー。あんた人の話聞かないよねー。」

 お前が言うな!!!、と喉元まで声が出かかるが、根性で耐える。

 「お前がいうな!」

 やべっ、根性無しなのがばれてしまった。

 茶瓶はいつもの如く俺の突っ込みをスルーして話を続ける。

 「そんな事できないっていったじゃーーーん。俺にはそんな力ないよー?」

 「は?、・・・いやいや何言ってんのあんた。神様だろ?」

 「だーからさー、アバターって言ったじゃんよー。神様がお魚さんですすすいのすいなら俺は切り身でゆらゆらのゆとり仕様なわけよ。かなーり限られた事しかできないよん?。」

 「な・・・なんじゃそりゃ!?・・・詐欺だろ!?。今更戻れないとか、今までのやりとりは何だったんだよ!」

 「いじめるなよー、それは俺のせいじゃないよー。あのねここはね精神世界なの、目さますだけなら、力も糞もおならもないの、屁の屁のカッパなの。でもあんさんはユーちゃんの力のせいで起きたら寝ているというポルナレフなの。しかも、夢も意識もないからミーが強引に呼び出さない限り、気がついたら元の世界なの。アンダスタン?」

 俺は脱力して座り込む。

 「・・・じゃぁ茶瓶は無意味だって分かっててあんな話してたのかよ・・・。本当に何にも手がないのか?」

 「はははっ、チャビンって名前、君の中で定着してたんだねー」

 茶瓶は楽しそうに笑って、指をパチリと鳴らした。

 そのとたん真っ暗だった空間が一面の草原に変わり、二人のすぐ横にテーブルと椅子、そしてテーブルの上に仄かに湯気が漂うティーセットが置いてある。

 「私の力は今いるこの空間しか無いのさ。この空間を外部の時間から切り離す位は出来るけど、外にいる君を起こして上げる事は出来ない」

 神様は「但し」と言いながらにっこりと笑う。


 「彼女をここに呼ぶ事なら出来るよ?」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ