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その古びたビルで非日常は続く  作者: ケンプファー
3/14

2

長文(ちょうぶん)になるかもしれません。

私とユイタンは地下駐車場へ入る。駐車場の片隅に停められた、いかにも高そうなクーペ。


これが業務用車両だ。4人いる会社なら4人乗りの車を買うべきだろうに。サカセガワさんの個人的な趣味が反映されたせいで、この車の後部座席は非常に、非常に狭い。


…無責任だ。


「シートベルト、ちゃんと締めろよ、ユイタン。」


ブォン、という力強い音と共にエンジンをかけながら言う。


「へいへい、さっさと出発してください。」


助手席に座ったユイタンは、簡単な銃の点検を行う。


「よし、行くぞ。」


平坦なアスファルトの道を、クーペが走り抜ける。実は私もドライブが結構好きで、こういう車に乗ると気分が良くなる。絞り出すようなエンジン音。硬めのサスペンション。気づかないうちにスピードを出し過ぎていないか、ユイタンは「速い!速いよぉ!」といった言葉をしばしば吐き出す。軽快にアクセルを踏み込み、目的地へと向かう。


「ミカド、ナイフ一本で大丈夫なのか?相手は誘拐犯だろ、誘拐犯。集団かもしれないのに、お前護身術も知らないだろ。」


内心心配しながら尋ねるユイタン。


「ああ、大丈夫ですよ。いざとなれば、あなたが全部やってくれるでしょうから。」


ただ適当に言っているように見えるかもしれないが、私はこの男との信頼に基づいて答えている。口調が… うんざりしているように見えるのは、わざとだ。


「…そうかよ。」


ユイタンは全く納得していないといった表情で、拳銃にサイレンサーを装着する。実際、最も納得がいかないのは、こんな危険な仕事にアマチュア2人を送り込むということだ。一体どうなっているんだ、この職場は?


…目的地に到着した私たちは、適当な場所に車を停める。


「よく聞け。建物は全部で2階建て。1階はリビング、リビングの隣の部屋、キッチン、廊下、トイレ。2階は階段を上がってすぐ左に部屋が一つ、廊下、そしてターゲットが感知された一番奥の部屋。これで構成されている。お前が先に突入して銃で道を切り開け。俺が子供を救出する。」


建物に入る前に、内部の見取り図を広げ、それらしい作戦を立てる。前述の通り、私は戦い方もよく知らず、持っているナイフは護身用だ。だからこそ、射撃のような身体を使うことに長けたユイタンを先に立たせ、住宅を確保するのだ。


「分かった。じゃあ、行くぞ─────────」


真剣な声と共に、ユイタンは力強く1階リビングの窓ガラスを叩き割って突入する。


カチャリ、と弾を装填する音。安定した両手での保持。まさに教本通り、一分の狂いもない完璧な射撃姿勢を維持しながら前へ進む。行動は慎重に。どこから、どの角度から敵が飛び出してくるか分からないからだ。ゆっくりと、銃口を先に。ゆっくりと、死角を消しながら。ゆっくりと、区域を確保する。


リビング左側の部屋。


「───────クリア。」


リビング前のキッチン。


「───────クリア。」


リビング左側の廊下。


「───────クリア。」


廊下突き当りのトイレ。


「───────クリア。」


細かく区域を確認するユイタン。


「これで1階は全て空か。上がろう。」


区域を全て確認した私は、小さな声で言った。ユイタンは小さく頷くと、2階の階段を上る。


その時だった。


目の前がくらっとする。


空間が歪む。


頭痛がする。


パッと、左目に一つの光景がかすめていった。


私がナイフで右腕を刺される未来。


場所は階段左の部屋。ドアの後ろに隠れていた誘拐犯のナイフの先端が、そのまま私に向かってくる未来だ。


首筋にドライアイスを乗せたような悪寒が走る。


未来の改変は不可能だ。


この青天の霹靂のような真実のせいで、恐怖感が押し寄せてくる。恐ろしい未来を垣間見て、その緊張感は倍増する。


私は、ただ対応するだけだ。対応するだけだ。定められた未来に順応し、それに合わせて心身を整える。できることは、この行動しかない。あるいは、目が示さなかった行動。すなわち、確定した未来ではない領域での行動を、あらかじめ決めておく。例えば、ポケットの中のナイフで相手を刺して対抗するような行動を取る。とにかく、私の右腕が犠牲になることは、決まってしまったのだ。


くそ……. 痛いだろうな。


深呼吸をする。


2階の廊下。


「とりあえず目の前は空っぽみたいだ。残りは部屋だけだ。ミカド、とりあえず階段横の部屋からクリアしていこう。」


ユイタンの判断は気に入っている。本来ボスがいる場所は最後に探すものだ。というか、元々こういう判断を下すのが正しい。


私も一つの判断を下す。私の右腕がずたずたになることは確定した。この場合、ユイタンを先に出して追加の犠牲者が出る可能性を作るよりも、右腕が刺される結果を持つ私が先頭に立つのが正しい判断だと結論づける。この後、すぐに私の右腕の復讐を果たしてやる。


「──────待て。俺が先に入る。俺の背中を頼む。」


私はユイタンの前に出て言った。


「ミカド?大丈夫か?どう考えても先に対応できる俺が入る方が正しいだろ?」


疑問を呈しながら言うユイタン。だが、お前まで怪我をする可能性がある。


「いや、俺が先に行く。理由があるんだ。後ろで援護をしっかりしてくれ。」


格好良く言っておきながら、実態は確定結果という圧倒的な神秘に打ち砕かれ、ドアノブに震える手をかける。


3


2


1


意志をまっすぐに立てて。


─────────突入する。


「ガタン───!」


ドアが開く。


それと同時に飛び出してくる誘拐犯。「うげえっ」という誘拐犯の奇怪な叫び声と共に、震える両手で握られたナイフは、不安定な動きだが、目標への照準は合わせるように。後ろ足の助走で得たスピードを使い───


直線の軌跡を描きながら、私の右腕へと向かう。


すべての行動を凝視していた私が行動を起こす。私の左手はポケットへ。ナイフを握り、迎撃の準備をする。


1秒にも満たない交差の時間。私の目標は敵の左太ももで、敵のナイフは既に私の右腕に肉薄している。


ブスリと突き刺さる敵のナイフ。腕の肉が引き裂かれる鋭利な感覚。骨の先端に冷たく鋭い金属が触れる異質な感覚。不快な感覚が混ざり合い、融合して生み出す痛み。


「ぐっ───!」


込み上げる痛みを無理にこらえながら、残りの行動を遂行する。敵のナイフよりも0.2秒遅れて、私のナイフも行動の命令を実行。


最大限のスピードで。


左腕を伸ばす。


まっすぐ立てた刃は、照準された位置へと進む。ナイフの先端が触れる。


刺せ。


切り裂け──────!


グサリという音。敵の太ももに刃が全て入ったのを感じる。私はすぐに筋肉に次の命令を下す。右腕の痛みも忘れたまま、ナイフを下にズァッと切り下ろす。太ももの肉を抉り取る刃。下に過度に力を込めたせいで、膝まで抉り取った。抉られた隙間から見える筋繊維の渓谷。中央には血の谷が流れ、その内部には、骨という真っ白な大地さえ見えるほどだ。


「くっ、ぐあああああっ!!!!!!」


押し寄せる痛みによる歪んだ表情で。声帯に永久的な損傷を与えるほどの声で。誘拐犯は悲鳴を上げる。


太ももから噴き出す血。感じている苦痛はおおよそ私の20倍。そして、感じる苦痛に比例して、悲鳴を上げながら床に転げ回る。恐らく左足は不自由になるだろう。


一方、ナイフとナイフの西部劇のような戦闘が起こる直前。ドアを開けた時の時間。私の背後を警護していたユイタン。まだ確保していない廊下奥の死角に入ろうとしていた。90度の直角コーナー。いつものように、銃口を先に。


だったのだが────────


突然、コーナーのすぐ後ろに隠れていた、がっしりした体格の別の誘拐犯が、銃口の下を、低い姿勢で匍匐しながら。瞬間的な脚力で───


爆発的な反動を生み出し、肘で銃を弾き飛ばす!


あまりにも一瞬で起きたこと。この誘拐犯は戦い方を熟知しているようだ。銃が弾き飛ばされたのは、私のうめき声を聞いたユイタンが一瞬油断したせいか。


しかし、ユイタンは与えられた極小の時間を細かく分け、その後の行動を判断する。弾き飛ばされる銃。


計算は完了する。


すぐに近接戦闘態勢を取るユイタン。敵は銃を弾いた姿勢から次の姿勢へと、水が流れるように自然に、転換する。転換する姿勢は2撃目を生み出すためのもの。銃を弾いた腕の慣性で、体を回転させる。余力による遠心力だろうか。先ほどの爆発的な行動を遂行して残った力。弾力的に、残存する力で素早く回転する。反転して向かってくるもう片方の肘。


ユイタンは、その肘に対応する状況を───────既に、すべての行動を予測して計算を終えていた。


ユイタンの身体は素早く下に。飛んでくる第2撃を回避する。回避を終えるやいなや反撃を加える。ユイタンは横になる姿勢と似たような体勢を取りながら。両腕を使って身体を前方に、まっすぐ直線に、飛ばす。


小柄な体躯が暴れるには、問題ない狭い空間。ユイタンは飛びながら、足を伸ばす。やがて、この行為は自然と蹴りとなり、それゆえ、対応が不可能に思える低い位置への蹴りを放つ。全身の体重を乗せた蹴りは敵の足首に命中する。敵は衝撃に耐えきれず、体勢が崩れる。敵が前方にのめり込む隙を突き、飛ばした身体を利用。ユイタンは壁の端までスライディングする。


スライディングを終えるやいなや体勢を立て直す。同時に隣の窓を割り、鋭いガラスの破片を作り出す。ユイタンの近くの床に散らばった様々なサイズのガラスの破片。


それは、自分だけの領域を創り出したのだ。


体に突き刺されば、一つ一つが致命傷となるガラスの破片。ユイタンは、体を非常にダイナミックに使う敵の戦闘スタイルに対し、ハードカウンターを仕掛けたのだ。もちろん、ユイタンもまたダイナミックなスタイルの見本と言っても過言ではないほどスタイリッシュだ。


だが、それがどうしたというのか。戦闘スタイルは、変えれば済むことだ。最も効果的で、慣れているのがダイナミックな戦闘方法であるというだけ。ユイタンが取れる態勢はまだいくつか残っている。


ユイタンの行動に気づいた敵。徐々に後ずさりながら距離を取る。


後ずさりするこの行動、これは最適な攻撃タイミング。敵の重心が体の中心軸の後ろに向かうこと。これは転倒しないために身体が必要以上に安定性を要求する無意識の変化だ。


一言で言えば、急激な行動に対応するのが難しいということだ。


ユイタンはその隙を捉える。すぐにガラスの破片を拾い上げ、体のサイズに反比例するような怪物的な身体能力を使った助走。機敏な体型に倣う俊敏さで。まるでヒョウのような速さで前方を切り裂き、敵へと突き進む─────────!


ユイタンという戦闘機に搭乗したガラスの破片は、敵の胸に向かう。敵は既に攻撃を避けるタイミングを逃した。この一撃を受ければ死ぬ。


だからこそ、取ることが許された行動を行う。敵は両腕で胸を防ぐ。


「─────────ブスッ!」


瞬く間に容赦なく両腕を貫通したガラスの破片。0.001秒でも腕でのガードが遅れていれば、死んでいた。冷や汗をかくには十分な結果。敵の両腕はまるで串刺しのように、ガラスの破片によって拘束されている。もう少し深ければ、心臓が貫かれていただろう。その事実に、敵は身の毛がよだつ。しかも、その一撃はどれほどの強力な力を込めていたのか。敵は後ろに2メートル吹き飛ばされる。


「ううっ…!!!」


苦痛を訴える敵のうめき声。行動を終えたユイタンは銃を回収、誘拐犯を縄で拘束する。


そして、私からも戦いが起こったことを知っているユイタンは、急いで私の元へ駆け寄る。


「ミカド!大丈夫か?!」


私の状態を確認するユイタン。右腕にナイフが刺さっているのに気づき、痛ましそうな表情を浮かべる。


「だから俺が先に行くって言ったのに…!」


少し泣きそうな口調。ユイタンが先頭に行っていれば、敵をすぐに制圧し、廊下奥の敵も制圧できただろうが、右腕がやられる未来はこの判断が最も正しいと伝えてきたのだ。何よりも廊下奥の敵は予想外だった。いずれにせよ、この状況は制約の末のベストシチュエーションだった。


「くっ… ぐっ、じゃあ廊下の奴はどうするつもりだったんだ。…..っ、そんな場合じゃない、ユイ。私は大丈夫だから、早く…!」


ずたずたになった右腕。どうやら誘拐犯はナイフに特殊な溶液のような何かを塗っていたようだ。謎の溶液の効果は絶大なようだ。本当に、経験した痛みランキング2位に入ってもおかしくないだろう。このままでは、私は当分行動が制限される。


「早く行け…!」


うめき声と共に痛みを訴えながらユイタンに目的を思い起こさせる。私の言葉を聞いたユイタンは首を横に振り、最後に残った未知の空間を明らかにすべく向かう。


最後の部屋。ユイタンは長く息を吐いた後、ドアを開ける。ギィ、というドアの音と共にターゲットが見える。ターゲットである塚原セイジは微動だにせず隅にうずくまっていた。


「よし、目標は安全か。」


ユイタンはゆっくりと角度を刻みながら進入する。すると、


「そこだ─────────!」


殺気を感知したのか。ユイタンの叫びと同時に、構えは片手保持法に変更する。すぐに回転する体。動物的な反応速度に追随する銃の照準。沈黙の拳銃はユイタンの死角、背後へと向かう。


背後には、成人男性一人くらいは入りそうな木の箱があった。速い速度で回転した体の反動を抑制しながら。銃口の移動は止まる。止まった銃口は、もう一人の誘拐犯を向いている。遮蔽物の後ろに隠れていた誘拐犯は奇襲をかけようとしていたようだが、見事に失敗してしまった。


銃は特製サイレンサーを装着したおかげで、発砲音もほとんど聞こえない。つまり、撃ったとしても通報されるようなことは起こらない。


「─────武器を捨てろ。隅へ後ずさりしろ。」


ユイタンは冷たい声で拳銃を突きつけながら、誘拐犯に命令する。


「じゅ、銃?」


戸惑っているように見える表情。


「ふ…ふふ、ど、どうせ偽物だろ!!」


日本の法律に基づいた状況判断。法律を信じて誘拐犯は愚かな行動を開始する。


それに応じて─────────


プスッ、という音。銃が、発砲された。


無生物のようなユイタンの表情。私を傷つけたというトリガーのせいで、怒りは既に限界値。限界に達した怒りによって真剣さは最高潮。ゆえに、その無生物さは機械のようだ。


近くの生物を全て凍らせてしまうような殺気。


そんな氷点下の殺気を込めた弾丸は、シュアイヒという鋭い音と共に。


進路を妨害する空気を無残に引き裂きながら、誘拐犯の頭の右側を。


わずか1mmの隙間で、かすめて通り過ぎる。


9mm HPホローポイント弾薬。その威力はハーグ陸戦条約で使用禁止にまでなっている。ひたすら殺傷に偏った凶暴な見た目の弾丸は、壁にめり込み、人を殺せないことに憤慨するかのように。壁を貫通せず。恨みを抱いた亡霊のように。砕け、飛び散っていく。


死を経験させた威嚇射撃。圧倒的な射撃術と同化し、誤差のない、曲芸のような発砲。予想外のダイナミックな行動を取っても、その気になれば被弾するという恐怖。一言も発せずに、無意味に死んでしまうという恐怖。それによる恐怖感は二乗倍になる。


「ひいっ…!!!」


誘拐犯の顔はリアルタイムで青ざめていく。


「無駄な行動はするな。」


ユイタンの苛立ちが混じった声。これ以上目の前の存在に逆らえば死ぬ。


死ぬ。


死ぬ。


死ぬという感覚を味わってしまった誘拐犯。銃という万人平等の殺傷力を持つ武器の前で、殺人機械のような存在の前で、誘拐犯は尻尾を巻いた犬のように素直に命令に従う。


「うう…ちくしょう….!!」


悔しいのか不平を言いながら距離を取る誘拐犯。


ユイタンは銃を誘拐犯に向けたまま、ゆっくりと塚原セイジへと移動する。ただうずくまっているだけだと思っていたが、詳しく彼女を確認してみた結果。実態は、残酷だった。


「こ…のクソ…」


塚原セイジの状態を見て驚愕するユイタン。純粋な不快感、嫌悪感に表情が歪む。私もまた、壁に寄りかかったまま現場に到着する。


そして、私もまた。塚原セイジを見る。


腕に刺さっているシリコンチューブ。チューブの先には、ある薬物が繋がっている。生まれて初めて見る薬物だ。


成分?分からない。ただ、がっしりした成人男性3人が、まだ10歳にしかならないか弱い女児に、何の成分かも分からない薬物を強制注入したという事実に。言葉で形容しがたい嫌悪感が足元から体を侵食していく。何か、内面にねばねばした異物が詰まるようだ。


「言え!何を、何を注入したんだ!!!」


怒りに満ちたユイタン。その目は、獣を見ている目だ。根源的に不快な何かを見て、生理的に対象の存在価値を自分の中から消し去った目だ。死の銃口は確固たる意志を表す。今にも撃ちそうだ。


「ひっ!お、俺はただ、い、言われた通りにしただけなんだ…」


怒りのこもった言葉を正面から受けた誘拐犯は、恐怖感に押し潰されたせいか。体を震わせ、泣きそうな顔で言う。


「落ち着、け、ユイ。とりあえず、確、保が先だ…。」


私は込み上げてくる痛みに耐える苦しい声で言う。興奮したユイタンを落ち着かせながら、事の結末に焦点を合わせる。


「…分かってるよ。」


塚原セイジの状態に、ハルマ・ミカドの状態に、事がこじれにこじれたことに、苦々しい表情を浮かべながら自分を立て直すユイタン。


「…こいつらはどう処理する?」


ユイタンは誘拐犯たちを指先で指しながら私に尋ねる。


「とりあえず、動、けな、いように、縛って、サカセガワさん、に任せよう。それより、あの子を、連れて帰還、するのが先だ。」


「お前、右腕は大丈夫なのか?運転は俺がやればいい。」


私の状態がだんだん深刻になっているのを感じ、ユイタンは心配する。


「運転は、任せます。」


ユイタンは狭苦しいクーペの2列目に塚原セイジを寝かせる。まだ成長期が来ていない女児にはうってつけの空間だった。幸いだ。


ああ、シートベルトはしっかり着用してくれた。


「ふう… 免許取っておいてよかったぜ。もうちょっと我慢しろ、ミカド。」


ユイタンの言葉と共に私たちは事務所へと向かう。

次回(じかい)もどうぞお(たの)しみに!

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