エピローグ
あれから、いくつもの季節が巡った。
夕暮れのグラウンドには、白球を追う子どもたちの声が響いている。
砂煙の中を、楽しそうに走る小さな背中。
通りがかった大人が、ふと笑いながら尋ねた。
「なぁ、野球って、知ってるか?」
少年はグラブを握ったまま、胸を張って答える。
「もちろん! これから練習なんだ!」
その笑顔は、かつてこの街で「もう一度立ち上がった者たち」の笑顔と、どこか似ていた。
風が、遠い日の歓声を運ぶ。
かつて衰退したはずの野球は、今ーーもう一度、息をしている。
第1部 完
おはようございます、なつしゅです。
いつも『すいたい◎』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
本日公開のエピローグをもって、
『すいたい◎』第一部を完結とさせていただきます。
ここまで読んでくださったすべての方に、心から感謝します。
ブクマ、感想、評価、リアクション、そして静かに読んでくださった皆さん。
どれも本当に力になりました。
(396pt・ブクマ48件・感想18件……どの数字も、ひとつひとつが宝物です(TT)(TT)
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第一部では、
「野球が衰退した時代に、それでも夢を信じる」少年たちを描いてきました。
この物語は、彼らの「再生」の物語であり、
同時に、私自身が「書くことを続ける意味」を見つけていく物語でもありました。
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そしてーーここから、もう一度。
今後は『新・すいたい◎』として、
物語を一から磨き直し、新しい構成と文体で再スタートします。
内容はこれまでと同じく、
一条タイチたちが「堕ちた名門・煌桜学園」で夢を取り戻す物語です。
ただ、より読みやすく、
より心に届く形で、「再生」を描きたいと思っています。
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「新・すいたい◎」は、本日の昼から投稿開始です。
初日は第1話〜第3話を連続で公開予定です
旧作を読んでくださった皆さん、
そしてこれから出会う読者の方々へーー
どうか、もう一度タイチたちの物語を見届けてください。
またここから、「煌桜」の風が吹き始めます。
本当に、本当にありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いします。
なつしゅ
「この作品を通して、少しでも“もう一度、立ち上がる力”を感じてもらえたら嬉しいです。」