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メモ:Kマンションが建つ前の話

 霊能者R氏の助言に従い、Kマンションが建つ前の物件について調査した。

 結果、戦後の建築実業家、神代宗一郎の邸宅があったということが判明した。

 神代氏は病死ののち、子供もおらず、屋敷は廃墟になってそのあとにマンションが建てられたと伝えられている。

 ――が、オカルト業界では別の噂が立っている。

 神代氏は妻を喪い、狂気に落ち果てたのち、とある『儀式』を行ったという。

 曰く、死神を喚び出し、妻の魂の復活を望んだと。儀式には“死神の贄”として、子供の人形が用意されたと噂されている。

 かくして、死神の召喚に成功し、妻の魂も復活した――悪霊として。

 神代氏は妻に取り憑かれ、今も夫婦ともども、地下にいるという。

 マンションから聞こえる男の叫び声は神代氏の霊、地下でSさんに出会ったのは、妻の霊ではないか、と私は推測する。

 そして、儀式は完遂しておらず、死神は『灰色の子供』としてマンションに憑き続け、今も死者を増やしているのではないか。

 おそらく、Kマンションから完全に住人がいなくならない限り、死神は消えないのではないかと思う。

 実のところ、私も某日、窓から外を見たときに、九階から飛び降りてきたSさんと目が合ってしまい、それ以来、部屋の隅から灰色の子供がこちらをじっと見つめている。マンションから引っ越しを終えたら、R氏に除霊してもらおうと思っている。

 目下の悩みは、これを『お!かると』の記事にしていいのかどうかだ。

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