煮え立つまでそこに
融解している酸素を吸う
曲率した世界の中ではそれが普通らしい
卵が割れた
卵黄と白身を残して
殻はどこに行ってしまったんだろう
きっと帰り道が分からなくなって
自滅してしまったんだろう
よくあることだ
それを横目に酒を飲んだ
たいして美味しくもなかった
吐き気止めのようなものだ
吐くのだけはうまかった
もう走れない馬が項垂れている
これから何されるか分かるんだ
他人に施されて人生が作られる
わたしはまだ消えないまま
棒立ちでこの揺れる世界をウゾウゾしている
何がしたかったんだろうね
歩道を歩いてば道草を踏んで
空が眩しすぎて
首がネジ曲がったまんま
雨の匂いを嗅いでいる
走りだそうか
煮え立つ頭がまた意味のない羅列をする
止まれるもんなら止まっている
真っ逆さまに落ちていく
か細い吐息と
アスファルトの黄身と
白身みたいな世界で




