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6話 森を抜けて

 ルードは一本道に戻ってきた。

「迷わず戻って来れた!」

 ルードはつい喜んで大きな声で言った。

 だが、左右どっちの道に行けば王都に行けるか分からなかった。

「どっちに行けばいいんだ?」

 ルードは聖剣に問いかけた。

「………」

 聖剣からは返答がなかった。

 ルードは自分の感を信じて進むことにした。


 ルードは一本道を歩いていると、前から馬車が来た。

「あの、すみません。王都ってこっちであってますか?」

 ルードはすれ違う時に聞いた。

「あぁ、あってるよ。一本道だからわかるだろ…」

 馬を引いている人が呆れたように答えた。

「ありがとうございます」

 ルードはお礼を言って、森の中の道を進んだ。

 木の葉っぱで覆われて暗い中、ルードはランタンの灯を頼りにして、一本道を進んで行った。


「あと、どれくらいで王都に着くんだろう?」

 ルードはそんなことを呟きながら歩いていた。

「……」

 ルードはふと、木々の隙間から見える空を見た。

「もう、夜だ…」

 ルードは小さな声でそう言って、野営の準備を始めた。

 街で買ったテントを道の少し外れに張る。

 そうして、ルードはテントで寝ることにした。

 だが、木々のざわめきがうるさくて簡単には眠れなかった。

 だからルードは目を瞑り、横になって休憩するだけにした。

 その内、ルードはゆっくりと眠りについた。


 次の日、ルードは目を覚まして、飛び起きた。

「…寝てた!」

 休憩するだけにしようとしていたルードは急いでテントから出る。

 出てすぐに木々の隙間から空を見上げた。

「…明るい」

 ルードはそう呟き、街で買った干し肉を食べ、テントをさっさとしまった。

 そうして、再び一本道を歩き始めた。

 木々に覆われて暗い中、ランタンの灯りが消えないようにして進む。

 そうして、ルードは約1ヶ月をかけてフロウ森林を抜けた。

「…やっとだ」

 ルードは森林から抜けて、まだまだ続く王都への道のりを歩いて行く。


 フロウ森林を抜けてすぐに宿場町があった。

 ルードはその町で一泊することにした。

「すみません、今日一泊できますか?」

 ルードは森林から近い宿屋に入って店主に聞いた。

「おぉ、部屋なら空いてるぞ」

 店主は入ってきたルードの方を見て、大雑把に返した。

「では、一泊お願いします」

 ルードは店主の前に立って言った。

「金は先払いだ。飯は夜と朝はついてる」

 店主はルードを見ながら言った。

「わかりました。いくらですか」

 ルードは店主に値段を聞いて、それを払って一泊することができた。

「部屋は階段を上ってすぐの右部屋だ」

 店主はその場から動かず指を指しながら説明した。


 ルードは泊まる部屋に荷物を置いて、階段を降りて食堂へ向かった。

 外はもう日が暮れ始めていたからルードは晩飯にすることにした。

「すみません、夜ご飯をいただきたいのですが…」

 ルードは受付にいた店主に話しかけた。

「それなら食堂へ行けばよういしてもらえる…あぁ〜そういえば今日はいないんだった」

 店主は雑に答えていたが、途中から頭を抱えながら言った。

「えっと…」

 ルードは店主のその姿を見て、困惑していた。

「すまんな、今から準備するから食堂のてきとうな椅子に座って待っていてくれ」

 店主はルードにそう言って、食堂へと歩いて行った。

 ルードも店主と一緒に食堂へと向かった。


 食堂に来て、店主はすぐに台所へと入って行った。

 ルードは食堂を見渡し、カウンターの入り口に近い席に座った。

「何か、手伝えませんか?」

 ルードはやることがなくて、店主に聞いた。

「すぐできるから、座って待っとけ」

 店主は調理しながら答えた。

「あっ、はい…」

 小さく返事をしたルードは静かに椅子に座って待った。

「よし、できたぞ」

 数分経って、店主はルードに晩飯を提供した。

「ありがとうございます!」

 ルードは店主にお礼をして食べ始めた。

「そうだ、おかわりは1回だけはタダだからな。欲しかったら言えよ」

 店主は食事中のルードを見ながら言った。

「はい、わかりました」

 ルードは口の中の物を飲み込んでから言った。

 そうして、ルードは1回おかわりをして、食事を終えた。


 次の日、日が昇り始めた頃にルードは目を覚ます。

 ルードはとりあえず、朝食を食べに食堂へと向かった。

「おう、起きたか小僧。飯はすぐ出せるぞ」

 ルードが食堂に入ってすぐに店主が言った。

「あっ、いただきます」

 ルードはそう言って昨日と同じ席に着いた。

 食堂は昨日と違って、数人だけ人がいた。

 だが、その人たちは食事を終えたみたいですぐに行ってしまった。

 結果的に食堂には昨日のように店主とルードの2人になった。

 ルードはそこまで気にせず、食事を始めた。

「すまんが、昨日みたいにおかわりはないからな」

 店主はルードが食事を始めた時に言った。

 ルードはそれを聞いて、残念そうな顔をしながら食事をした。


「ほい、これ持ってけ」

 食事を終えたルードに店主は弁当を渡した。

「ありがとうございます」

 ルードは一礼をして部屋に戻り、支度をした。

「ありがとうございました」

 準備を終えたルードは店主に一言お礼を言って、宿屋をあとにした。

 そうして再び、王都を目指して歩き始めた。

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