5話 新たな道
これは『六対の聖魔剣〜始まりの剣〜』第4話から分岐した物語です。
この作品から読み始める場合は、前作を先にご覧いただくと物語をより深く楽しめます。
ルードは王都を目指し、1人で旅をする。
そんな中、山の麓の街についた。
ここから王都へ行くには二つのルートがあった。
ゴウロ山脈を越えるルートとゴウロ山脈を迂回してフロウ森林を抜けるルートだ。
ルードはフロウ森林を抜けていくルートで王都を目指すことにした。
だが、食料などの心配があったルードはこの街で準備をしてから行くことにした。
ルードはひとまず腹ごしらえのために酒場へ行った。
そこで何が必要かを考えながら食事をしていた。
そんな時、ルードは近くのテーブルから聞こえる話し声を聴いていた。
「北西の方にある街の孤児院の院長さんが亡くなったって話だよ」
「えっ、まじで。ここら辺一帯の地域の孤児を保護していたところ」
「そう、そこの院長さんが…」
「そこの孤児院どうなるの？あそこって確か院長さんが1人でやってなかったけ？」
「そうなんだよ。だから、周りの街が急遽、孤児院を造って、そこの子供達を受け入れてるみたいなの」
ルードにそんな話が聞こえてきた。
「先生…」
ルードは食事を終わらせて、宿屋に向かった。
「いらっしゃい。何泊にしますか？」
「…とりあえず、一泊で…」
ルードはそうして、宿屋の部屋のベッドですぐに横になった。
「…先生、僕の帰る場所…」
ルードはそう呟きながら静かに泣いていた。
ルードはそのまま、泣き疲れて眠りについた。
日が上りきる前、ルードは目を覚ました。
「先生、僕は前に進みます」
ルードはそう呟き、宿を後にした。
旅の準備のために市場へとルードは歩いていった。
ルードはしばらく、買い物をしていた。
旅は長いものとなるから必要な物が多かった。
そうして、昼過ぎ頃にルードは買い物を終えた。
買い物をしていて、昼食を食べてないルードは少し遅めの昼食を食べに行くことにした。
ルードは昨日の酒場で昼食を済ませる。
そして、ルードはこの街を出て、旅を再開した。
ルードが抜けて行く、フロウ森林までは少し距離があった。
そこまでの間は何もない平原が広がっていた。
そよ風が吹き、心を落ち着かせることができるような平原だった。
ルードはその平原を進んでフロウ森林を目指した。
道中は街に向かう馬車や歩いている人とすれ違った。
ルードはその人たちと挨拶をしながら進んだ。
ルードは森の入り口へ辿り着いた。
さっきまでの平原と違い、緊張感が出てきた。
ルードは一呼吸をして、森へと入っていった。
森の木々は日の光を遮り、森の中はまるで夜のようであった。
ルードは街で買ったランタンに火を灯す。
そうして、ルードは森を進んで行く。
昼も夜もわからない森で唯一、整備されている一本道から外れないように進んで行った。
「疲れたら休憩をしよう」
ルードはそう言って、道を頼りに歩いて行った。
ルードはしばらく歩いた。
だが、森が時間感覚を狂わせる。
今が昼なのか夜なのかがわからない状態。
さらに、初めての場所。
それらのことが重なり、ルードはいつも以上に疲れるのがはやかった。
「一旦休憩にしよう…」
ルードはそう呟いて、道の端に寄り座って休んだ。
ルードは強い眠気に襲われて、その場で眠ってしまった。
そんな時、ルードに声が聞こえた。
「さぁ、私のところにおいで、君を待っているよ」
ルードは目を覚まし、周りを見渡す。
「誰？」
ルードはそう呟いて、森の奥を見た。
ルードはなぜか、誘われるように森の奥へと入っていった。
ルードが気づいた時には目の前に湖があった。
その中心には島があり、日の光に照らされた白く輝いた剣が突き刺さっていた。
ルードはその剣に惹かれるように湖に足を踏み入れた。
湖は浅く膝下ぐらいまでしかなかった。
ルードは剣に向かって一直線に進んだ。
そして、ルードは剣の目の前に立った。
ルードは剣を掴んで引き抜こうとした。
「私が君の道標になろう」
ルードの頭の中に声が響いた。
その声を信じ、ルードは剣を引き抜いた。
「これは、火の聖剣…」
ルードは剣を見て、言った。
そんな時、ルードの足元に何かが乗った感触がした。
ルードは気になって下を見た。
そこには鞘があった。
ルードは聖剣をその鞘にしまい、湖から出た。
ルードは聖剣を見ながら考えていた。
道標とは何か、どうしてここに聖剣があったのか。
ルードは座り込みながら、考え続けた。
そんな時にまた、声が聞こえた。
「この世界の人々を守り、救うのです」
「救う？どうやって？」
ルードはその言葉を聞いて呟いた。
「魔剣を破壊するのです。そうすれば世界を危機から救えるのです」
ルードは深く考え込んだ。
ルードの頭の中にはザリとローレン、そして先生がいた。
「ザリとローレンは最後まで戦った。先生はもういないけど、先生に恥じない生き方をしたい」
ルードの決意は決まった。
「みんながいてくれたから今の僕がいる。僕はみんながいたから楽しく過ごせた。僕はそんな世界を守りたい」
「それなら、私と共に魔剣を破壊しに行こう」
「あぁ…行こう」
ルードはそう言って、一本道へと戻って行った。
