6話 本当に弱い者とはなんなのか
俺らはこんぽたを倒すべく戦っているが、圧倒的に能力を使う熟練度が相手の方が高い。
当然だ。変身体になってはじめての戦闘なのだから。
こんぽた「もう終わりかよ!かっこいいこと言って死ぬのが1番ダサいんだよ!」
晴人「チッ、こいつ口だけは一丁前だよな。」
颯太「でも、どうするんだよ。まだ俺ら1発もあいつに攻撃できてないぜ。」
晴人「しっかり考えろ。俺らの能力を組み合わせて何かできないか。」
俺らは考えた。もう時間はない。いや、時間は止まっているけど、このままではこんぽたに世界を支配される。
こんぽた「なんだお前ら?かかってこいよ!ここで日和ってちゃダメなんだよ!」
、、、いや。よく考えろ。まず、ウォッチに〇〇用という概念が存在しない。もしかして……
晴人「まだ俺らには可能性が残っていたんだ。」
こんぽた「……は?」
颯太「なんだそれ?何を考えてんだお前は。」
晴人「俺とお前のコア今から交換するぞ。」
颯太「は?何言ってんだお前。お前は水で俺は炎。決まっているんじゃないのか?」
晴人「このウォッチに入る属性は、決まっていないはずだ。」
「あいつ」がその例。そのはずだ。
こんぽた「グダグダうるせぇな!殺すぞ!」
晴人「まあ、やってみろ。」
颯太「まあまあまあ……頭が切れるお前ならきっと信用できるさ!行くぜ!」
2人「変身!」
ウォッチ「ビー!ビー!エラー!エラー!」
晴人「……は?」
嘘だろ。おかしい。ならなんであいつはあんなことができる?
こんぽた「何がしたいかしらねぇけど!お前らにはもう付き合ってられん!死ね!」
おかしい。おかしい。
颯太「危ねぇ!晴人!」
晴人「……おかしい。」
炎の弾が俺らに当たる。
颯太「ク、クソ!俺らには止められないっていうのかよ!」
こんぽた「ハハハハ!いい気味だ!お前らにはここで死んでもらう!そして俺がこの世界を支配すr……」
ドスン!
こんぽた「……ぁあ?」
颯太「……え?」
勝ちを諦めかけていたその時、突然こんぽたの背後から黒い光線のようなものが心臓を貫いた。
こんぽた「……なにが……あ?」
こんぽたが後ろを向く。
こんぽた「なぜお前が……なぜお前があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
???「死ね。」
こんぽた「クソがああああああああああああああああああああああああああ!」
ドカーン!
颯太「うわぁ!」
俺の視界に最後に見えたのは白い髪の宙を舞う女性だった。
???「最初からお前に勝たせるつもりはない。お前に勝たれると困るもんだ。しょっぱな準備もせずに挑むあいつらもどうかと思うが。」
???「自覚と実力が足りない。お前は少しだけ自分より弱い者に挑み、自惚れた。生物とは哀れなものだ。」
……………なん……だ?
颯太「晴人!」
目が覚めるとそこは病室のようなところだった。
晴人「……あいつは?」
颯太「わからない。多分死んだ。」
晴人「……は?なんだその曖昧な。まずあそこからどうやって勝てるんだ。」
颯太「わからない。突然、なにか黒いものがあいつの体を貫いて………」
俺には何が起こったのか理解できなかった。多分颯太もそうなんだろう。
一体、あの雨の夜はなんだったのか。俺は、忘れられない。