枯れ木
ギギッ!
桜は重い門を開いた。
門の向こうは和風な屋敷だった。
桜「えぇっと…どこ行った?」
……
ザッ…ザッ…ザッ…
敷き詰められている小石を踏む音が響く…人気のない屋敷の中をきょろきょろと探索していた。
……
屋敷の裏側まで来ると何かが見えてきた…
桜「階段?」
階段であった。山に続いており、先が見えない。
桜「この階段を登るのはー…キツそうだな…」
トタッ…トタッ…トタッ…!
足音が聞こえた。
桜「…!さっきの妖怪!」
階段に妖怪の登っている姿が現れた…!
桜「まてっ!!」
桜は妖怪を追い…階段を上がっていった。
………………………。
……
…
黄泉の国のような妖々しい空が広がっている…。
さらには怪しげな枯れ木がそびえ立っている…
その木は枯れてはいるが巨大でなんとも禍々しい…
その枯れ木の前に二人の少女が立っていた…。
いったい何を話をしているのか…?
「カカオ様…準備が整いました…」
カカオ「…。結構、集まったわねぇ…。」
彼女は枯れ木の前でそう呟いた…
「はい。あとは、“空亡”が呼び込んだ者の魂を捧げれば…」
もう一人よ少女が直ぐに答えた。
カカオ「…。ねぇアヤメ?この木の中の妖魔様はちゃんと私達を解放してくれるかしらね?」
「…。断言はできません…」
カカオ「…そうよね」
・・・・・。
沈黙が流れた…。
?「おやおや…?何やっているんだい?こんなとこで…」
マントを羽織った男が塀の上から話しかけてきた。
「…!あなたには関係ありませんよ…!どっか言っててください。」
カカオ「まぁまぁ…良いじゃないの~。同じ仲間なのよ?」
「そうですけど…」
マントの男「よっと!んで?妖怪樹…“空亡”の前でこそこそ話…。二人で悪巧みかい?」
カカオ「うふふ…。二人だけじゃないわよ?」
マントの男「……。成る程なぁ…俺をハブって空亡を蘇らせようって?やってくれるねぇ?」
カカオ「だって…そんなこと教えたら…。あなた、止めるでしょ?優しいもの」
マントの男「…。優しいねぇ…。」
男はその瞬間姿を消した…
「っ!待って!!」
カカオ「良いわよ…アヤメ。ほっときなさい…」
「…!し…しかし。」
カカオ「大丈夫よ。あの子一人じゃどうにもできないわよ」
…………………………………。
一方、ソルフィは…階段で苦戦していた。
ソルフィ「ゼェゼェ…。うぷっ…!つ…つらい。ちょっと休憩ぇーー…はあぁ…」
階段の端に座り込んだ。
ソルフィ「ひぃひぃ…。もうどこなのよぉ~!!さくらぁぁーーー!!」
バンッ! 階段を蹴るような音が響いた
ソルフィ「っ!」
妖怪「キキィ!!」
妖怪が襲いかかってきた
ソルフィ「しまっ!
……………………………
ソルフィは目を閉じた…。
フッ…!
……
何も起きない
ソルフィ「………!あれ?」
閉じた目を開いた。すると…
目の前には…切断された妖怪と。桜の姿が…。
桜「奥義…【水神…!】」
妖怪「グギェーー…………」
妖怪は退治された
桜「ふぅ~。やっと、倒せた…」
ソルフィ「桜…。うわっ!いたぁぁーーー!!!」
桜「っ!なになに?」
ソルフィは感極まってしまったようだ。
………………………
二人は互いの情報を共有した。
桜「…。うーん…川で野菜が冷やされていた…。ここらにはびこってる妖怪じゃ…そこまでの知能はあるはずがない…。っとなると…こんなとこに住んでいる奴がいるか…。メイチュやガメぐらいの強力な妖怪か…」
ソルフィ「ガメといえば…私達が手に飲み込まれる寸前にガメみたいな声したわよね?」
桜「あぁー。一瞬だけ爬虫類みたいな手が見えたし…ガメも一緒にここに来てるかもね?」
ソルフィ「…。行った道を戻るのも嫌だし…とりあえず…登るしかないのかしら…」
桜「この階段の先に何かあるかもだし…永遠に続いているかもしれないし…」
ソルフィ「はぁ…じゃぁ…行くしかないわねっ…
桜「っ!ソルフィ!!」
フッ!!
何が風を斬ってソルフィへ…!
ドンッ!!!! 階段が砕ける音がした
土煙が立ちソルフィは吹き飛ばされた
ソルフィ「うげぇっ!!なになになに!!」
桜「妖怪か…!」
コツ…
桜「(っ…。靴の音?)」
コツ…コツ…
ソルフィ「土煙が邪魔で見えないわね…!」
桜「…!」
冷や汗がでる…
桜はゴクリッ…と唾を飲む…
土煙の向こうからなにかがっ
…フッ!!
桜「っ!(刀!?)」
ッ!!
桜が咄嗟に刀を構え土煙の中から出てきた刀とぶつかり合った…
桜「ぐっ!(この刀…。ガラス…?!)」
土煙が晴れた…
ソルフィ「っ!女の子!」
桜「ッ!」
土煙の中からガラスの様な刀を持った少女が…
「続く」