視線
ぶくぶくぶく…
桜「…ん?っ!(はぁ!?水の中?!ヤバい!溺る!)」
・・・・・?
桜「(あれ?息できる…。)」
上には水面に反射する光が見えた。
桜は上へ泳いだ。
バシャン!
桜「ぷはっ!息はできるとはいえ…気分的に苦しいわ…」
桜は水面から上がった…
周辺を見渡したが田んぼに囲まれた畦道であった。
桜「田んぼ…。田んぼの中ってあんなに深かったけ…?夜も開けてるし…やけに暑いな…。って、ソルフィは何処に…」
人の気配は感じない…
桜「…。とりあえず、探索してみるか…」
………………
桜は稲に囲まれた静かな畦道をゆく…耳には微かな虫の声…ザッザッ...っと言った桜の足音が響く…。
桜「…。なんか怖いな…ここ。ん…?」
なにやら、建物の様なものが見えてきた。
桜「…。なんだあれ?」
桜は建物へ近づいた。
建物の全貌が露になったが何かは解らなかった。
………………
強いて言うのであれば…劣化し苔むして、崩れてしまっている蔵の様な建物であった…
桜「…。なんで…こんな田んぼの真ん中に…。」
その瞬間…
ゾワッ…!
桜「っ!」
桜を寒気が襲った…!
桜(っ!誰だ…?後ろからの視線…。誰かに見られてる…。)
桜は咄嗟に腰の刀へ手を伸ばした…
桜「ふぅ…ふぅ…。(鳥肌が…。体が…強ばってる…後ろに要るのは妖怪か?いや…妖怪にしては気配がおかしい…)ぐっ…」
桜は後ろを振り返る…
「見るな…」
ザッ…
横から誰かが布で桜の視線を遮った…
桜「っ!だれっ…!」
「何処から迷い混んだか知らないが…後ろの奴は絶対見るんじゃない…お前さんの身の為にも…。」
桜「見ちゃだめ…」
「あぁ…目を閉じてろ…」
桜「…。」
桜は目をゆっくり閉じた…。すると…
カンッ…。
何か音がした。
桜「…?」
目を開けた。
何もなかった様にそこは静まり返っていた。
桜「…。今のは一体…」
キーーーン…………。
桜「うわっ!耳鳴り…。」
『……』
桜「…なんか聞こえる…」
『…いか?さ…ら。奥義…は……妖…を………え、…へ流す…………』
桜「…この声何処かで…?」
……
「ギィーーーー!!!」
桜「っ!」
バサッ!
妖怪が爪を立てて襲ってきた。
桜「…!妖怪…。」
「ギュルルル…」
桜「…普通の妖怪相手なら、さっきみたいな真似はしない…」
スッ…
桜は腰から刀を抜く…
桜「さっきのミスの名誉挽回するか…!」
『奥義…』
桜「…。ふぅ…」
桜は構える…
「ギュアアアアッ!」
桜「…ハッ!」
………………!
妖怪が飛びかかって来た瞬間…その水色の刃が妖怪を切り裂く。
まるで、流水の如し美しい剣技に皆は魅了される
桜「…“奥義”…【水神】」
桃井 桜
種族 人間
能力 なし
攻撃手段 奥義
彼女が使用する奥義は過去に誰かに教わった謎の剣術である。
…「続く」