影の道
パラッ…
前回、桜はバサルトによるバサルトのためのお茶会に強引に誘われたのであった。
特に収穫なく、その日を終えた…
なんとも平和な1日。だがしかし…そんな平和も長くは続かないようだ…。
……………………第二章 影……………………
桜「…。城の図書館より情報はないだろうけど…。行ってみるだけ行ってみるか…」
そう呟き、町の古い本屋へ入っていった。
「いらっしゃいませ~」
……
桜「うーん…オカルト本を調べてみるか?」
オカルトコーナー。
桜「怪奇、海辺ののっぺらぼう…。墓地のゾンビ…。怪しいのしかないなあ…。ん?」
なにやら、不思議なオーラを醸し出している本が目に入った…。
淡い黒色の本であった…
その本にはたった一文字の題が白い字で書かれていた…
桜「“影”?」
桜はその本をそーっと…手に取った。
桜「…。」
ペラ…
{私は本屋にあった古ぼけた本を読んでいた。すると...黒髪の女がいつの間にか本屋の中に立っていた。}
桜「…。」
桜はその文を読むと、なぜだか前を見てしまった…。
リンッ…
鈴の音が響いた。
桜「っ...。」
黒髪の女が立っていた…桜はまったく気づけなかった…急に現れたのだ。
「…。」
女は桜を見て微笑んだ。
桜「…。だれ…?」
桜がそう質問すると、女は桜の近くへ来た。
桜が戸惑いを見せると、女は耳元で囁いた。
「宴を止めて。」
そう言われた。桜は意味が解らず
桜「は?」
っと声を出した。
「…。今宵。空に穴が開く」
女はそう言って、姿を消した。
桜「…。空に穴…」
その後、本を購入した桜は家へ戻った。
桜「…。この本…なんなんだ…。買った時にも…」
『ん?こんな本あったんですね?古びてますし…処分するつもりだった本ですかね?』
…………
桜「…。」
ガラッ…
桜「ただいまー」
ソルフィ「お帰り~」
…………………………………。
桜「んー!だぁ…」
ソルフィ「なに、その本?」
桜「ん?なんか気になるから、買ってみた。」
ソルフィ「へぇ~どれどれ?」
ペラ…
{私は、家の縁側から夜空を見上げていた。}
ソルフィ「ん?」
ソルフィはこの文を見て桜を確認した
…桜も同じことをしていたのだ…
桜「ソルフィ~今日は星が綺麗だよ~」
ソルフィ「…。っ」
ソルフィは続きを読み進めた。
{私が星を見ていると…大きな音が響いた…バキバキバキッっと言ったなにかが割れる音だ…}
バキッ…メキッ!
音が響いた…
桜「っ!」
ソルフィ「…。なにかが割れる音…!」
ソルフィが桜の方を見ると…桜は空を見上げたまま目を見開いていた…何か見たようだ…
ソルフィ「桜…なにか、あった…?」
桜「ソルフィ…空を見上げて…」
桜は静かにそう言った…。ソルフィはその言葉に困惑しながらも空を見た。
ソルフィ「っ!」
夜空にガラスの様なひびが…バキッ!バキバキ!っと音を立てていた…
桜「…っ。宴を止める…空に穴…。」
バキッ!
その音が鳴った瞬間、ドゴゴッ!と言う音と同時にひびが崩れ穴が開いた…。位置が高く、穴の向こうはよく見えない…。
桜「…っ!」
桜は何か考えていた様だが急に穴に向かい家を飛び出した。
ソルフィ「っ!桜!」
ソルフィもまたそれを追いかけた。
ソルフィ「ちょっと待ってよ!」
桜「あの、穴の中に向かう!」
ソルフィ「って!あんた、空飛べないでしょ!どうやって行くのよ!」
桜「あ…。うーん……何とかなるよ!」
ソルフィ「はぁ…はぁ…。走れない…これ以上…!待ってぇ…」
桜「っ!ソルフィ!上!」
桜が何やら声を荒げていた。
ソルフィ「え…?」
ソルフィが見上げたとき、そこには…黒い影の様な手が空の穴から伸びていた…
桜「っ!」
桜は急いで近くへ寄った。
桜「…!」
「お前らッ!」
ソルフィ「っ!(今の声…)」
バクッ!
三人は…黒い手に飲み込まれた。
「続く」