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ブラックな世界到来 9

ハロルド洸一が、ドレミヒーローを演じるリアリティヒーロードラマのスター(はいゆう)として大きな人気を誇っていたころ、彼はよく人に聴かれたものである。


「どうすれは、あなたのような人から好かれ、尊敬され、悪者から恐れられる人物になれますか?」


それに対して、ハロルド洸一は、いつも決まってこう答えていた。


「あなたの質問にいろいろ、答えはあるかもしれない。しかし、僕の場合には答えは一つだ。それは、『チャンス』ということ。人生で、あなたのところにも、誰のところにも所に訪れる『チャンス』というものをひとつひとつしっかりと捕まえて、その『チャンス』をしっかりと育てていくこと。これが大事なことなんだ」


このように、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、誠実に、包み隠すこともなく、自分がつかんだ世渡りのコツというものを無償むしょうで、ホイと他人に与えてしまう馬鹿正直な人間であった。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一の人生を振り返って見たときに、確かに、ハロルド洸一は、彼のところに訪れた「チャンス」のひとつ、ひとつを、用心深く、ていねいに、確実に、時として大胆に動いてその「チャンス」を手に入れていった。


それは、ハロルド洸一が、ほんの子供の頃から変わりなく続けてきたことである。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、子供の頃には、ごくごく平凡で、目立たない、そして、取り柄らしい取り柄もない平凡な存在であった。


そんなドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、子供ころからヒーローになることを夢見ていた。


そこで、ハロルド洸一は、ヒーローになれるように努力した。すると、やがて周りの人たちがハロルド洸一に注目するようになり、小さな「チャンス」が、ハロルド洸一に訪れた。


ハロルド洸一は、その「チャンス」を細心の注意を払い、捕まえることができた。すると、ハロルド洸一の周りの人たちは、ハロルド洸一の事を認めた。すると、ハロルド洸一の世界は少し広がっていた。


このようにして、ハロルド洸一は、「チャンス」というものをひとつ、ひとつしっかりとつかんでいき、平凡な存在から、多くの人が認めるヒーローという存在となっていた。


まだ、若くしてドレミヒーローとしての活躍が始まったころ、ハロルド洸一の心は達成感に満たされていた。


ハロルド洸一には、前途洋々(ぜんとようたる)たる未来が広がってた。


そんな時、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一のところに、奇妙な「チャンス」が舞い込んできたのだ。


ある時、ヒーローズアカデミーは、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一の日頃の功績をたたえ、パーティーを開いた。


パーティーの席では、ヒーローズアカデミー本部の滝ふたばや滝ふたばの夫の滝晴生がスピーチを行い、ユーモアをまじえて、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一を紹介した。


このパーティーには、多くの芸能人、スポーツ選手、放送関係者が集まった。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、これらの芸能人、スポーツ選手、芸術関係者と知り合いになった。


このパーティーは、盛り上がり二次会、三次会へと続いて行った。


そして、三次会の席で、随分酒が回っていた滝ふたばの夫の滝晴生が、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一にたいして、ひとつの提案書を行った。


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