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ショータイム 6

ハロルド奈津は、夫のドレミヒーローこと、ハロルド洸一を見送ると夜勤に備え少しでも、睡眠をとっておこうと考えた。


ハロルド奈津は、自室に戻り、眠りについたばかりのころ、嫌な胸騒ぎで目が覚めた。


ドレミヒーローの妻は、それで、いてもたってもいられなくなって、寝床をでて、身支度をすませると、アパート「東風荘」を出て、河川敷方面から町に向かった。


ハロルド奈津は、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一を捜しに、ゾンビの気配であふれる町に出かけていったのだった。


ハロルド奈津が空を見上げると、晴れているのに乳白色の空が広がっていた。町は、スノードームにおおわれていた。


町には、カミーユのゾンビたちとドレミヒーローの闘い見物する観衆の歓声が、悲鳴が、怒号が響き渡っていた。


肉体と、肉体がぶつかり合い、うめき声が上がった。


打撃音が響き、肉体同士がもつれ合い、スノードームにフロアに倒れ込んだ。


カミーユの声が響いた。


できる限りの大きな声で、カミーユが、ゾンビたちを叱咤激励しったげきれいした。


闘いが生み出す打撃音、肉体が衝突する音、肉体がもみ合い倒れ込む音、観衆の叫び声、ヤジなど、様々な音が、ハロルド奈津の周りを取り囲んだ。


音は、生々しいが、しかし、町は、空っぽだった。


闘いは、スノードームにある町で行われ、観衆もスノードームの中に集っていたからだ。


ハロルド奈津は、スノードームの設置されている場所を必死で探していた。


ハロルド奈津が、スノードームをあちこち捜してみたがなかなか見つけられなくて、がっかりした。


そんなとき、ドレミヒーローの妻、ハロルド奈津を呼び止める声が聞こえた。


それは、平安クリーンスタッフの社長の塚原瑛太であった。


「ちょうど、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一の住まいにつまり、あんたの家に向かっていたところなんだ」


塚原瑛太は、平安クリーンスタッフに、ハロルド洸一宛てで送られてきた通知をもっていた。それは、ヒーローズアカデミーから、送られてきた通知であった。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、ヒーローズアカデミーで働くことになったとき、身元保証人として平安クリーンスタッフの塚原瑛太社長を指名していたのだ。


過去の暗い人たちにとっては、いろんな手続きで、塚原瑛太の信用は物を言った。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、何回も転居を繰り返していたために、住所登録の更新が遅れ、郵便物がヒーローズアカデミーからハロルド洸一のもとに届かなくなっていた。


平安クリーンスタッフの塚原瑛太は、その通知書をドレミヒーローの妻、ハロルド奈津に示した。


塚原瑛太は、ハロルド奈津に説明した。


「功労金が多年の功労に報いるため……ハロルド洸一に出るということだ。ハロルド洸一には、高額の報奨金付きで、除隊命令が出ているはずであった。しかし、新型パワースーツの試作機のテスト要員としてもう一回の出撃がヒーローズアカデミーからハロルド洸一に要請されたていたのだ。ハロルド洸一は、その要請を受けたらしい。そして、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一の身に何かが起こった場合には、功労金の全額がハロルド奈津に支払われるようにハロルド洸一の指示通り手続きが完了したという通知だ。内容が分からないので、私が、ヒーローズアカデミーに問い合わせて確認しておいた」


ハロルド奈津は、すでに決意を固めていたハロルド洸一のこと思い泣きながら、塚原瑛太の話を聞いた。


塚原瑛太は、ハロルド奈津の涙の理由を理解して、ハロルド奈津を、スノードームが設置されている廃店舗に案内する事にした。


塚原瑛太とハロルド奈津が、スノードームが設置されている廃店舗にやってくると、そこには、岡寺のぶよとハーフのエイリアンのノエル君がいた。


岡寺のぶよは、ノエル君といま、スノードームの設置されている廃店舗に着いたところだと、塚原瑛太に言った。


塚原瑛太がハロルド奈津の方を見ると、ハロルド奈津とエイリアンのハーフのノエル君が、親しげに言葉を交わしている。


ノエル君とハロルド奈津は、塚原瑛太や岡寺のぶよから見ると昔からの知り合いのように見えた。


岡寺のぶよは、コーヒーパーラー「ライン」で顔見知りの塚原瑛太に自分たちの事情を説明した。


「ノエル君の古里のエイリアン王国から送られてきた膨大なエネルギーが、私、岡寺のぶよの脳を通過して行ったの。私は、そんな話事前に知らされていなかったのよ。そこで、契約先に抗議してやろうと、膨大なエネルギーが私の頭を経由してどこに到達したのか、調べているところなの。そんなこんなしているところに、ドレミヒーローの妻であるハロルド奈津に遭遇する事になったのであるのよ。分かる」


岡寺のぶよは、続けた。


「そして、途中で、送られてきたらしい膨大エネルギーが、スノードームな中で使われていることが分かったの」


岡寺のぶよが、そう言い終わらないうちに、とんでもなさすぎな衝撃が、ハロルド奈津ど塚原瑛太とエイリアンのハーフ、ノエル君と岡寺のぶよを襲った。



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