表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/30

ブラックな世界到来 2

コーヒーパーラー「ライフ」に、契約の書面の写しを持ったバンドマン ツヨシが現れた、ちょうど同じ頃、カミーユの怒りが、頂点に達していた。


「ヒーローもののTVドラマでよくある、ほら、ヒーローとヒロインのイチャイチャシーンそのまんまじゃないか。滝ケートちゃん、いったい俺のことはどうなったんだ!」


カミーユは、キオスクで買ったばかりの女性週刊誌を横に引き裂いた。


カミーユは、その引き裂かれた雑誌をまとめてゴミ箱に投げ捨てた。


カミーユは、思い直して、同じ女性週刊誌を買いにキオスクに戻った。


カミーユの頭の中は、ヒーロードラマで人気沸騰中のイケメンアイドル、一之条隼人と同じヒーロードラマで共演した美人アイドル滝ケートの熱愛記事のせいで怒りに沸き立っていた。


カミーユは、なんとか冷静を保って、その記事をもう一度読み直してみた。


自分つまり、カミーユと滝ケートの関係には、未来は全くないことが判明した。


――やっぱり、そうだろう。思った通りだ。こいつら、結婚しそうだぜ! 


カミーユは思った。


カミーユは、無念の面もちで黙り込んだ。


カミーユは、唐突に何かつぶやいた。


「おかげで、吹っ切れたぜ」


カミーユは、つづいてつぶやいた。


「世界征服につながる実験計画、『バビル大作戦』を発動(決行)するときがやってきた」


「世界征服につながる実験計画」、「バビル大作戦」などという言葉は、ようやく中学生になったばかりのカミーユが、軽々しく言ってしまうには、あまりにも、重大すぎる内容というか、意味を持っていた。


実際、カミーユにとって、「バビル大作戦」は、人生最大の決断であった。


13歳のカミーユは、「バビル大作戦」を宣言した。


そのきっかけとなったのは、カミーユの、美少女アイドル、滝ケートに対する一方的な恋愛感情、初恋というものであったというのが面白い。


自分を裏切って一之条隼人に走った美少女アイドル、滝ケートへのカミーユの復讐心が、自暴自棄の気持ちがバネとなって、カミーユは、ようやく懸案けんあんの「バビル大作戦」を宣言する決断を下すことができた。


ゾンビ研究を重視し始めた都は、カミーユのために、「バビル大作戦」のために貴重な「龍の形見」を提供していた。


カミーユの「バビル大作戦」は、手のひら大のスノードームに似た容器の中で展開される広大な空間で、実施されることになる。


実験計画の実施地域がゆっくりと、スノードームに似た容器「龍の形見」の中に取り込まれ始めて行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ