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ブラックな世界到来 10

ドレミヒーローこと、ハロルド洸一をたたええるために、滝ふたばの夫、滝晴生が開いたパーティーには、芸能界はもとより、さまざまな分野から、多くの人が招待された。


この招待された客の多くは大物であったが、そうでない人物も招待された。


そして、この招待された客の中には、岡寺のぶよも含まれていた。


そして、岡寺のぶよは、偶然にも、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一が、絶好調のヒーロー人生を歩んでいたのに、突然落ちぶれてしまうことになる原因の出来事を目撃することになった。


岡寺のぶよが考えるに、その原因とは、悪霊が、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一に取りいてしまったということである。


岡寺のぶよによると、その悪霊とは、「貧乏神」というものであると推定した。


ことの発端は、すでに述べてあるように、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一を讃えるパーティーを主催した滝晴生にあった。


パーティーは、三次会まで続き、パーティーの参加者には、十分に酒が回っていた。


みんなが、ウキウキした気分の中、滝晴生が、余興よきょうを提案したのである。


滝晴生が言うには、日頃から「チャンス」について語るドレミヒーローこと、ハロルド洸一であるが、彼が役者として単なるリアリティヒーロードラマのヒーローという枠を超えた幅のある演技ができることを滝晴生や、三次会の参加者らに示し、ここで皆んなを納得させることができたなら、ドレミヒーローというよりもっと本格的なヒーローとして、ハロルド洸一を売り出してやりたいという。


滝晴生の提案に、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、少し考える様子を見せていたのだが、結局、ハロルド洸一は、この「チャンス」をみすみす逃すということをしなかった。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、三次会参加者に、滝晴生の提案を受け、ヒーローとして、さらに人間として、幅のあるところを証明したいので、近くのファミレスまで来てくれと言い出した。


三次会の参加者たちは、どういうことかよくわからないが、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一の指示に従って、ファミレスで、四次会をやろうではないかということになった。


ハロルド洸一が、どんなことをやって、自分が幅のある大物俳優ぶりを見せるのか、四次会の参加者たちは、見当が付かなかった。


しかし、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一が、ファミレスでしでかしたことは、最悪というべきことであった。



後から考えてみると、アイドル時代のハロルド洸一は、とにかく、酒癖が悪かった。


酔ってしまうと、誰彼かまわず、周りの人が飲んでいる飲み物を取り上げ、自分で飲んでしまう。


なんてことは、ハロルド洸一の場合には、平気でやっていた。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、酔いがさらに回り、さらに悪のりすると、そう言ういたずらを同じテーブルを囲んでいる仲間に対して行うだけではなく、全然違うテーブルの一面識もないような他人のテーブルに行き、そこで飲み物や、食べ物までも奪い取ったのだ。


この四次会の席でも、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、大暴れした。


さらに、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一は、飲み放題のコーヒー以外は、なにも注文せずに、どれだけ、ファミレスに居続けられるか試してみようと提案したりもした。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一を含めた四次会の参加者たちは、ファミレスを退去させられた。滝晴生は、責任者としておきゅうを据えられた。


ドレミヒーローこと、ハロルド洸一のおかげで、四次会たちは、すっかり酔いが覚めてしまっていた。


岡寺のぶよは、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一が行った醜態の一部始終を四次会参加者たちとともに目撃した。


さらに岡寺のぶよは、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一のご乱行の際に何かの影が彼をエスコートするのを目撃した。


岡寺のぶよは、あとになって考えて見ると、あれが「貧乏神」というのではないかと思った。


さらに、パーティーの数日後、岡寺のぶよは、町でドレミヒーローこと、ハロルド洸一の姿をを見かけた。


そのときハロルド洸一は、妙な咳をしていた。


岡寺のぶよは、例の悪い菌が、ドレミヒーローこと、ハロルド洸一にもうつってしまったと確信した。


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