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エミシの末裔


イワンパヌ婆いわく



「ひいばあーちゃんから聞いた話でな

古い古いいい伝えじゃ~


われらの先祖はもともとアイヌではなくて、エミシの末裔だったそうな


船でツカリの海(津軽海峡)をわたって、

ホロイズミ(襟裳岬)をこえて、トカチの

河口から、川をずっと遡ってな

トカチコタンに行き着いたのじゃ


ただ、トカチコタンにはまとまった人数が

すぐ住める場所がなくてな


カムイコタン(神様の住む場所)、

いうならば山奥の地を

もらってそこに村を作ったのじゃ


それでなんで住み慣れた土地を

離れざるを得なかったのか


それは、大和人がエミシを圧迫して

いったのじゃ、

それで何度も何度も争いが起こった


大きな戦、反乱の後、大和人は

われらエミシの民人を最果ての、北の

糧無き凍土においやったのじゃ


こういい伝えられておる


『地を追われ糧なき時には

己が子をくらい、

己が祖をうち棄てしとて

なお生きること叶わぬ地獄


嘆きなをも自ら死ぬこと叶わず

生きながらえとても己を憎み

その血を繋がねばならぬ地獄


かの民の悲惨さ苦しみ慟哭を知れ


己が所業を憎悪し自ら恨み恨みて

苦海の底、さらに深き淵に自縛す


この恨みに怨みを以て報い

ついには禍々しき鬼となり

この怨みをして禍つ祟神となれり』



(・・・)


「我々の先祖はなんとか大和人から逃れ

海を渡り生き残れたのじゃが

近頃の村々の話を聞いておると


エミシを襲った災厄が

アイヌにも襲ってきそうで、

不安で不安でならないのじゃ」


(・・・!)


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