コタン散策
翌朝
「カエデ様、山を下って、
トカチ川の中ほどにあるコタンに
行ってまいります。
戻るまでに2、3日はかかるとおもいます。
最近、どうも不穏な空気がながれていて、
トカチ川沿いのコタン(村)の村おさが
一同に集まることになっているのです。」
「・・・そうなんですか」
「どうかトカチコタンの村人達に
わざわいが来ないように
日のカムイに祈って下さい。
あと、このコタンも日のカムイの恩恵を
たくさん受けている村ですので
いろいろみてまわられたら良いと思います。」
「わかりました」
「それでは」
「お気をつけて」
(不穏な空気ってなんだろう
そういえば、このような時期に来てくれたってよろこんでいたような・・・)
「カエデ様、おはようございます
何か召し上がりますか?」
と奥様のアシリレラさん
「おはようございます、
いえ、食事は大丈夫ですので、
この周囲を散策しても宜しいですか?」
「どうぞどうぞ
あちらに見える、一番背の高い
トド松がわかりますか?
そちらの方に行かれたら、
息子夫婦の家があり、孫たちも
とてもなついていましたので
顔をみせてあげて下さい」
「はい、わかりました」
散策散策
空気のよさがはんぱない
少し肌寒いけれど
新鮮な空気をすって、
野の道、山の道を
歩いたり、登ったり、下ったり
木々も多くて、草木も生い茂って
原生林の真ん中に道がある感じ
「たしか松の葉は食べれるんだよね
江戸時代では非常食とするために
あちこちに松を植えていたとか
ちょっと採ってかじってみよ」
(苦が!
でも健康そうな味がする!
)
散策 、散策
「あっ、あれかな、息子さん夫婦のお家は
ごめんくたさい」
すぐに幼い兄妹が反応します
「あっ、だれかきた!」
「だれかきた!」
「あっ、カエデだ!」
「カエデだ!」
「これこれ、なんと礼儀のないことを
カエデ様といいなさい
ごめんなさい、カエデ様
ようこそいらっしゃいました
どうぞ中に入って下さい」
「いえ、村おさから、いろいろみてまわればと勧められ、散策している所でして」
「そうなんですか、そしてら散策が
終わったらお寄りください」
「はい、そうします」
幼い兄妹が
「わたしも一緒に行く!」
「ぼくも一緒に行く!」
「これこれ」
「ああ、お母さん大丈夫ですよ
そしたら二人に案内してもらおっかな~」
「「うん!」」