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プロローグ
短めですが、ひとまずプロローグをば。
おれが小さい頃、じいちゃんの家に泊まりに行くと決まって寝る前にはじいちゃんがお話をしてくれた。
お話のなかでは、おれと兄ちゃんたちは忍者で、3人でいつも危険な任務に立ち向かっていた。
お話は絶対にハッピーエンドにはならず、3人が危機に直面したところでじいちゃんがこう締め括った。
「さぁ、3人はこの危機にどう立ち向かって行くのか。つづく。」
でも、次にお話を聞くときにはつづきが話されることはなく、また違った危機に直面するおれたちが、お話の中に出てくることになる。
いつかおれは、続きを話してくれるようにじいちゃんにお願いした。
でもじいちゃんは、「お前は忍者の子孫なんだから、危機にどう立ち向かっていくかは自分で決めなさい」って言われた。
その時、話をはぐらかされたことよりも、「お前は忍者の子孫なんだから」って言葉が、おれの心に強く残った。
おれは、忍者の子孫なんだ。