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夏目の思い出

作者: 沙夜

役:志貴夏目(夏) 夏目の本音(本音)

  夏目の幼馴染(妹) 夏目のお婆さん(婆) 夏目の友達(優)




夏「走るな!どこ行く?お前、足が大丈夫か?」


妹「実は、兄さんの誕生日に連れて来るつもりだけど、待てないわ。

このままに黙って言わなかったら、兄さんがあの日に会ってくれなさそう...」


夏「言わなくても、会うつもりだ。馬鹿!」


妹「ホラ!見て!日没が綺麗でしょう。私が見つけた!ここは太陽と一番近い。

どう?癒された?」


本音「それよりお前がもっと...」


夏目がメールを受け取った。

優「もう諦めた。お前たちの関係がずる過ぎる。僕、お兄様に勝つ自信がない...」




本音「僕達の出会う、中学一年時...

僕にしたら、家族など友達などただ重いのみの荷物だ。早く一人前の大人になりたい。」



婆「夏目、今日から婆さんと一緒に暮らそう。」

夏「いいけど、僕が良い子じゃない。期待しないで。」

婆「元気になればいいよ。」


本音「あぁ、きっと後悔する。僕ような孫をきっとすぐ諦める。」


婆「ごめんね、婆さんがいつも夏目の傍に居れない。昔の婆さんが一人で残られないために、人達を避けたし、大事なものを持たないようにした。今は後悔した。」



妹「夏目志貴お兄さん?」

夏「違う...志貴夏目!こんな名前も親のせいだ。」


本音「多分僕が一人に慣れないために、わざと隣家の子を呼んで来た。婆さんが欲しがったら、あいつの面倒を見てもいい。僕より二歳年下なのに、見た目が四歳年下の小学生ようだ。」


妹「夏目お兄さん」

夏「ニコニコ笑うな!そして、志貴兄さんと呼べ!

夏とか太陽とか嫌い。僕の名前も嫌い。僕に似合わない...」


妹「でも、お婆さんがそう言った。太陽が強そうだけど、実はとても寂しい。熱すぎで、誰も近寄らない。誰を傷つけたくないから、友達さえ作らない。私、太陽と夏が好きになる!お兄さんのようなものが好き!」


夏「太陽のような人じゃなくて、僕のようなものだから好きになるか?お前、変なやつ...」


本音「ア、こいつの手が放せないような気がする。これは、僕達の出会い」




本音「そして、気づいた時に、学校の時間以外にこいつとほとんど一緒だった。来年ならこいつも中学生で、誰と恋愛するかもしれない...」


夏「中学生になれば、したいことがある?」

妹「え...ある!夏兄さんの月」

夏「ハー?お前、ちょっと照れてくれ」

妹「兄さんは?」

夏「大人になりたい。一人でも全然大丈夫だし、強くなりたい。」

妹「ならば、私を守って下さい。大事な人であるかぎり、強くなれる。」

夏「漫画先生が教えたか?」

妹「駄目?じゃ、私が強くなって、夏兄さんを守る!」


本音「こいつ...本当...」


夏「いいよ。お前を守るかわりにチュ―してくれ。」


夏目がしゃがんだ。

妹「チュー」


夏「唇にチューすると言わなかった。お前、大きくなって、文句言うな。」




本音「そう言った僕が変わった。失わないために、適切な距離は必要だ。大事なものが増えているのは怖い。」


夏「婆さん、ただいま。疲れた...」

婆「お帰り。今日は遅いね...あの子がここにずっと待ってた。」

夏「来た?僕が言ったのに...」


夏「起きる!お前が主人を待つ犬か?何で居室で寝てしまったか」

妹「......」すやすや寝ている。

夏「またく、行くぞ。」

あいつを抱えて、部屋のベッドに移動した。


本音「僕が知ってる...こいつは何があったら、絶対に言わない。疲れに至るまで泣いて、寝てしまえばそれまでだ。少なくとも、目が覚める時に僕が傍に居れば、安心するだろう。」




学校のチャイム


クラスメイト「志貴!誰かがお前を探す」


夏「だ...れ。馬鹿!帰れ!」

妹「誕生日おめでとう!じゃあ、特製弁当!心配しないで、お婆さんと一緒に作った。友達と一緒に食べよう。」

夏「僕のジャージアウター...」


優「誰?弟さん?」

妹「こんにちは...」

優「まさかあの小学生の妹さん?」

妹「...今はもう中学生です。」


優「志貴...お前、可愛い妹を隠したね」

夏「普通だぞ。」


本音「そうだ。まだこいつを誰に任せたくない。でも、やはり僕が知らないうちに、何か起こっている。あの日、優のメールを受け取って、確信した。」



優が夏目に電話した

優「志貴...今内へ来られるか?お前の妹を連れて行く。」

夏「分かった。すぐ行く。」


本音「ちょっと怖い。優の家へ入ったら、何が見えるかなぁ」


妹「夏兄さん...ごめん。」

優「妹さんが怪我したから...多分足首を捻挫した。」

夏「ウン、ありがとう。じゃ、帰ろう。」


夏目が妹を背負って、優の家から出るつもりだ。


優「志貴!...ただの偶然だった。」

夏「そう」

ドアが閉まった。


妹「兄さん、怒ってるの?」

夏「...」


本音「僕、何も聞かなかった。あいつが自分で言って欲しい。でも、あいつが言わなかった。

一週後、あいつが僕に一生忘れられない日没を見せた。」


ご覧いただきありがとうございます。この小説が好きなら、ぜひ私の小説「腐向け異世界で恋のために戦う」もお読みいただきます。

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