3話 憧れのギルド・決まっていた未来
「タクマさん!朝ですよ~」
「ん、んん、まだ7時じゃないか」
「毎朝7時には起きてくださいよ!今までいったいどんな生活してきたんですか!」
ああそうか。学校行かずに引きこもってたから感覚が狂ってるんだ。
「どうしたんですか?タクマさん」
「ああ、ちょっと嫌なことを思い出した」
「なにか思い出したんですか?」
「いやなんでもない。気のせいだった。忘れてくれ」
「そうですか。そんなことより早く出かける準備をしてくださいよ!」
「え?出かけるってどこに?なんで?」
「ギルドにパーティーメンバーを募集しに行くのです!!!」
「すげー!ここがギルドか!」
「さっきから妙にテンション高いですね」
俺は今ゲームのなかで何度も目にし憧れてきた「ギルド」の前にいる。
アイリスからギルドにつくまでレゾーナや、この世界について、魔王のことなどを聞いた。
俺が話を聞いてわかったことがひとつある。
この世界は平和だ
魔王は基本的に人畜無害だがどんな凄腕冒険者でも歯が立たない程に反則レベルの強さらしい。
この世界は人口の10%のが冒険者で主に猛獣、魔獣 通称魔物の討伐で生計を立てていて、一応ドラゴンなどの魔物も存在しているらしいが幻獣、神獣などと呼ばれ圧倒的な強さで誰も手を出さないらしい。
実物をみた人間の中にはあまりの強さに「神」と恐れ崇める者もいるそうだ。
レゾーナは周辺の魔物のレベルが低いことから「駆け出し冒険者の町」と呼ばれているそうだ。
「なにぼーっとしているんですか?早く中に入りますよ!」
ギルドの中はよくアニメなどでみる構造とほぼ同じだった。
魔法使い・剣士・僧侶一目で職業が分かるような様々な服装の人々。
屈強な大男たちが昼間から酒を飲んでバカ騒ぎしている印象通りの雰囲気だ。
「すみません~、パーティーメンバーの募集をしたいんですが」
「は~い。少々お待ちください。」
「すごいな!ギルド!」
「パーティーメンバーをお探しなら私と組まないか?」
声の聞こえた方を見るとそこには赤毛の髪の短いかわいい少女が立っていた。
ゲームのパッケージ裏でみた顔だった。
この人もヒロインの一人だよな。
嫌な予感がした。
「俺は決められたレールの上を歩いているだけなのか?」