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ニーナちゃん(女魔術師って名前に「ー」を入れたらそれっぽくなるよね)



「ニー」と打つたび、予測変換に「ニート」と出る。...最近、俺の小説がグーグル検索で「ニート 提督」と打つと予想欄に載るようになった。...こっちばかり更新していてごめんなさい。



わたくしが頭を撫でて差し上げると、泣いていたニーナちゃんもだいぶ落ち着いてこられました。


「よしよし」

「......ぐすっ...」

「...KNE(これなんてエロゲ)? 」

「けーえぬ...?」

「何でもない、こっちの話」


つい先ほど、幼女がお泣きになられました(尊敬語) 。わらくしの心はたいへん痛うございます。(紳士風味)


...という冗談はさておき、


「ニーナち...ニーナさんは、なぜに現実(リアル)に居るんでしょうか?」

「ふぇ...?」


ずっと気になっていたことを聞いてみたが、ニーナちゃんにはピンと来ていない様子。

質問が抽象的すぎるか...だったら...


「君はなぜ生きてるんだい?」

「え…?」

「ここはどこ?わたしはだれ?」

「わ...わかりません...」

「君の名は」

「ニ、ニーナです...」

「うん知ってる」

「ふぇぇ...」


おろおろするニーナちゃんはとてもかわいかった まる


おっと...いかんな。ニーナちゃんが良い反応してくれるせいで、少し(かなり)悪ふざけしてしまった。立て直そう。


えーと、ニーナちゃんに答えられそうな質問は......



「なら...この世界は何?」

「えっと...グリモワール、ですよね?」

「それだ!」

「ふぇ?」


さっきからニーナちゃん可愛いすぎる...じゃなかった。


これで全てが解決した。 スマホゲームを起動しようとして飛ばされた世界。スマホで召喚した(と思われる)ニーナちゃんと、 ニーナちゃんが言った単語...「グリモワール」


グリモワールは(元厨二病患者なら)聞いたことがあるだろう。そう、フランス語でいう「魔道書」 やら「魔法書」を指す言葉だ。


「つまり、この世界は魔法的な世界...ニーナちゃんが知っていたことを踏まえると、このスマホゲームが作った世界か。......おいおい、マジで転生モノだったよこれ。ゲーム説明に転生タグ加えとけよ...あ、書いてあったな『超本格ファンタジー』って......分かるかボケ!」

「え?...ふぇ?」


最初の疑問まで解決できたよ。...解決策は依然としてないけど。


とりあえず...話しについていけず、わたわたしているニーナちゃんの頭を撫でてみる(現実逃避)


「(びくっ)......あぅ...」


髪に触れた時に一瞬警戒されたが、先程の「よしよし」が効いたのか...撫で始めると目を閉じてされるがままになった。それでも、恥ずかしそうに下を向くニーナちゃんが超そそる......いかん、 変な道に迷い込みそうになった。


「...俺は戦艦が好きだぁぁ!!!」

「ふぇっ!?」


駆逐艦はあくまで愛でるのみ。手出しはNG。


…大声を出したおかげか、なんとか冷静さを取り戻すことに成功。


「ふぅ...落ち着いてきた」

「ふぇ?...えっと、その...だぃじょうぶ?」

「ニーナちゃんが可愛いすぎて堕ちかけただけだ、問題ない」

「ふぇっ!?」


可愛い声で驚き、慌てふためいて、顔を赤くして恥ずかしそうに俯く。全ての言動が可愛い。 ......うん、尊い。


「......はっ。そんな場合じゃなかった」

「ぅ...うぅ...」

「......」


...やめてニーナちゃん。恨めしげに可愛い声出すのやめて、真っ赤な怒り顔(可愛い)でちらちらこっ ち見るのもやめて。浄化されてしんじゃう、マジで。


「......あ、そうだスマホ」


ずっと放置していたスマホを思い出す。ここがスマホゲームの中の世界と分かった以上、ある意味俺の生命線だ。

...そういやチュートリアルの途中だったな...放ったらかしにされて拗ねたりとかしてないよね?……ほら、ファンタジーで機械が人格持つパターンとかよくあるじゃん...(そして大抵美少女化する)


俺が慌ててスマホの画面を覗くと......画面には、何かの背景の絵がぼんやりと映っており、その上に目立つ白い文字でこう書いてあった。


[ホーム画面のしくみは分かりましたね! ]

[次はまたsummonedに命令してみましょう]

[まずは、summonedに使える魔法やスキルを聞いてみよう!]


「勝手にチュートリアルが進んでるぅぅ!?」

「ふぇっ?」


ヤバい、なんだこの背景は......えーと、「ガチャ」「ショップ」「ストーリー」...ってこれソシャ ゲのホーム?

いや…ソシャゲのホーム画面によく似ているが、よく見るとあれには定番のキャラクターの絵は描かれていない...というか、中央が空白(背景の自然)のままだから、ここがその部分なんだと思う...たぶん。

...なんで描かれていないのかは知らん。俺的には、ここにニーナちゃんがいてもおかしくないと思うんだが...


俺はニーナちゃんに目を向けるが、当の本人は首を傾げるだけだった。かわいい......じゃなくて、


「ニーナちゃんってこれが何か分かる?」

「えっと......すみません...読めないです...」

「そっかー...マジでどうしよ」


まぁ…それに関しては予想はついていた。「超本格ファンタジー」と銘打ってるし、メタ要素は極力なくしていると見て良いだろうな。


「ご、ごめんなさい......うぅ...ニーナが修行不足なせいで...ひぐっ...」

「えっ...ちょっと待って」


ヤバい...ニーナちゃんが泣き始めた。 ニーナちゃんの横で好感度パラメータがぐんぐん下がっている気がする(見えないけど)。なんとかせねば(使命感)。


「...でも俺、幼女を慰めたことなんてないぞ」


むしろ、ガキのころは逆に泣かした側であった。 つまり...俺に慰めるなんて高等技術は使えない......さて、どうするか、


「よし...」


俺は決意を決め、ニーナちゃんの側に近寄った。


「...やりますか」


[次へすすむ]

タップ


「......」

「...ひっく...(泣いてる)」


[summonedには、各自特有のスキルや魔法を持っています]

画面をタップ


[スキルとは、特定の条件下で発動できるる技のことです。スキルは戦闘から生活まであらゆる場所で活躍できます]

さらにタップ


「......」

「......うぅ...?(少し困惑中)」


[魔法とは、summonedがMPを消費して発動する技のことです。MP消費が多いほど強い技が発動できます。また、MPは時間やアイテムなどで回復できますが、MPの時間回復量や最大値はキャラによって違います]

タップ


「ふむ......」

「.........ふぇ?」


横を向くと、既に泣き止んだニーナちゃんが俺のスマホの画面を見ていた。


「おっ、泣き止んだ?」

「えっ....は、はい…。あれ…?もう泣いて...ません」

「そっか、それは良かった」


ふふふ…これぞ、秘技「泣き止むまで待つ戦法」である。

人間(魔女っ子だけど)は、いつかは泣きやむんだ。 つまり、泣いてる子がいたら泣き止むまで待てば良い。そういうことだ。(別名、放置ともいう)


「えっと......あれ?」

「どした?」

「...気づいたら、もう泣きやんでいて...」 「あー...」


それならば…「泣いたり怒ったりしている時に誰かが隣で何かしており気になって眺めているうちに 悲しみや怒りを忘れる現象」のことだろう。 詳しく説明すると......え?いらない?...そうですか。


......ニーナちゃんにこのことを説明しても、別に良かったのだが...この時の俺は、何を気迷った か適当なことを言って煙に巻こうとか考えた...考えてしまった。


「魔法だよ、魔法」


つい最近、意味を覚えた言葉を使う俺。…後で大変後悔することになるとも知らずに。


「魔法...ですか?」


俺の言葉を素直に信じてしまう。純粋なニーナちゃん。


「そうそう」

「それなら...その魔法を使うと、泣きたい気持ちはなくなるんですかっ!」

「うぉっ」


ニーナちゃん。突然のハイテンション。


「えー...うん、そうなんじゃない?」

「それは…すごい魔法ですっ!ニーナも覚えたいですっ!」


え?いや無理です、そんな魔法はないので。

…と、今更になって言うことなんてできず…俺は更に適当なことを言い連ねてしまう。


「えー...えっとね...専用の魔法っぽいし、無理じゃないかな...なんて…」

「専用魔法ですかっ!!さらにすごいですっ!」

「えー...」


さっき泣いていたとは思えないほどの勢いで、ニーナちゃんは喋っていた。

.

..ほんとどうしたの?この娘。(見習いだけど)魔導士らしく魔法の話題に食いついたんか?......うわぁ...それなら変な言い逃れするんじゃなかった...。


「......」

「...どした?」


急に黙って下を向いたニーナちゃん。 ...声をかけた直後、顔を上げ、


「...また、泣きそうになったら...またニーナにその魔法...かけてもらえませんか...?」


...上目遣い & 潤んだ瞳 & 弱気な声の際どいセリフ の3(スリー)コンボォォッッ!! 「ぐふぅっ.........ばた」


完全にやられたぜ...しかし、我が一生に悔いは無し......


「ふえぇっ!?大丈夫ですかっ!?」

「ま...魔法(と嘘をついたこと)の...代償が...こんなにも...重い...とは......」

「ぁ......ニ、ニーナの...せいで......うぅっ」


...ヤバい。またニーナちゃんが泣きそうに...


幼女を泣かせる訳にはいかない(使命感)。すくっ(立ち上がる音)


「大丈夫だ。全く問題ない」

「ふぇ?あの…代償は…」

「問題ない。気にするな」

「え?…でも…」

「気にするな」

「…は、はぃ」

「そう、いい子だな」

「(びくっ)……んぅ…」


撫でることで有耶無耶にする作戦。発動。

…ニーナちゃんは撫でられるのがお好きなようだ。今後もわたくしが撫でて差し上げよう。(紳士風味)

作戦は成功し、ニーナちゃんは心地好さそうに目を瞑っている。もう泣く気配は無かった。


「それに…ニーナちゃんがまた泣きそうになったら、いつでも魔法をかけてやるさ」

「本当ですかっ!ありがとうございますっ!」


魔法について話した途端に、ぱぁぁ…っと、花咲く様な笑顔を見せるニーナちゃん。

…そうそう、子どもは笑顔が一番だね(現実逃避)



ーーその後、ニーナちゃんにその存在しない魔法について、あれこれ訊かれたのだが……俺には質問の3割も理解できず、適当に流して終わるのであった。

ニーナ

炎の見習い魔導士。がんばれ。

内気で「ふぇ」が口癖。かわいい。

なかなか魔法が上達せず、地震の魔法にコンプレックスを抱いている。しかし、魔法の知識なら それなりにあり、炎以外にも詳しい。

また、魔法が大好きで、魔法のことを話し始めるとハイテ ンションになりなかなか止まらないという二面性も持つ。


ヒロインにしようか妹キャラにしようかすごい迷っているキャラ。

ちなみに、主人公には「お隣 に住む家族の娘さん(6歳)」レベルの扱いを受けている。なお、その娘さんはこの小説には出てこない模様。


また、ニーナちゃんのセリフにおいて、

「私」→「ニーナ」

「悲しみ」→「泣きたい気持ち」

「素晴らしい」→「すごい」

などのセリフ変換が行われている。既に気づいていた人は挙手( ́θ`)ノ




【蛇足】※読みとばし推奨(なら載せるなや)

「泣いたり怒ったりしている時に誰かが隣で何かしており気になって眺めているうちに 悲しみや怒りを忘れる現象」について、


俺の経験談だと…大事な約束すっぽかされて、めっちゃ怒りが湧いていた時があったんだよね。いやぁ…もうほんとに、何か物にでも当たりたい気分だったの。

カフェに一人で、そいつを待っていたんだけど…その時、隣の人がパソコンでゲームし始めたんよ。ちょっと気になってチラッと眺めてみたんだよね。

それって弾幕避けゲームでさ、見た時はまだ、怒りでいっぱいだったんだよ?……でもね

、見ていくうちに、感情移入してきちゃって、心の中で「頑張って!」「そこ!」「今の回避は上手い!」「あと少し!惜しい!」とか思うようになっていて……そんな時に、その約束すっぽかした奴が現れて「すまん!マジごめん!!」とか謝ってきたんだけど、「(心の声)あれ…?俺、そんなに怒ってない?」…いつのまにか、最初の怒りがどっかに消えていたんだよね。不思議。


…ああ、そう。そいつにはこう言ってやったよ。

「んー…怒ってないしもういいや。でも…その代わりに『東方風神録』ってやつ貸して」

そん時はもはや怒りどころか、そいつが東方好きだったことに感謝すらしていたね。


(なお、以上の話は本編とは全く関係がない模様)

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