01 償い
今回は初めての作品の投稿です、みんな読んでくれたら良いなぁ…ちなみにこの作品は珠扇キリンさんと御一緒に共同で投稿しています、共同と言っても名前が同じの別の小説です、この作品の登場する他の人物視点の物語を珠扇キリンさんには書いて頂く事になっています。
守綱 六…私は超能力者だ――だからなんだ?私は力を持っているのに力の無い者に手を差し伸べただろうか?―――差し伸べれなかった…あの子が泣いて助けを求めていたのに私は…私は…。
「おい――何、ぼぉーっとしてんだ?」
声のした方を向くと彼奴がいた――彼奴ってのは違う高校の学生で、茶舞戸が紹介してきた馬鹿だ。
「…別に、アンタは何で此処にいるのよ。」
「いや、冷蔵庫の中が空っぽになってたから買い物に来ただけだよ――じゃなくてさ、お前は何してんだよ?」
「茶舞戸と寄り道してるだけだけど。」
「ちょっと待て!?茶舞戸いるのかよ、じゃっそういう事なら…またな守綱。」
彼奴、茶舞戸にヒビリ過ぎ…茶舞戸の猛烈なアピールに恐れを何してるようね――まぁ確かにあの子は少し頭がオカシイからね、馬鹿でも恐怖くらい覚えるわよね。
「―――今!先輩来ました!?」
「…いや、来てないけど…。」
「おかしいな?確かに先輩の匂いがしたんですけど。」
―――何で匂いで解るの!?…かなり引く。
…と言うか彼奴は何でこんなに茶舞戸に好かれてるんだろう?…別に彼奴にそこまで魅力的な要素がある様には感じないけど、顔も中の上くらいだし…何処が良いんだろう。
「そういば守綱さん、明日は能力検査ですね。」
「…あぁ、そうだったわね。」
「良いな、S7aクラス…。」
「能力なんて物、別に無くても有っても何も変わりはしないけどね。」
能力なんて物――無ければ良かったんだ、戦争も起きそうだし…能力者と無能力者の差別も生まれるし…有って良い事なんか1つも無いのにね。
「…あれ火事ですかね?」
「まぁ、消防もいる様だし…。」
その時、男性の泣き叫ぶ声が聞こえた――女性と子供達も無事の様だが固まって動かないで男性を見つめる女性…何かが変だ。
「――誰か…誰か彼奴を捕まえてくれぇええ!」
これは意図的な放火で恐らく大切な何かが奪われた後だろう、私が――やらないと…。
「しゃあ!男にバレたのは想定外だったが金は全部貰ってやったぜ。」
「――――そこまでよ。」
「テメェ、誰だ?――おじさんと遊びたいのかな?おマセちゃん。」
私の事を甘く見すぎ―――もう前の私とは違う…
だからやらなくちゃいけない。
「…ガキが死にやがっ―――――――――――
―――――――がはっ…。」
「水蒸気の槍よ…普通のじゃないのは解るわね。」
人助け…違う―――これは罰なんだ、あの子を見殺しにしてしまった私への罰…あの子への償い。
「ありがとうございました――本当になんと御礼を言って良いか…。」
「守綱さん、流石です!…能力者に能力を一切使用させず勝つなんて。」
流石?――凄くない、私はZ1sの人達に比べれば私なんて…どうって事も無い、もっと強くならないと誰も…守れない。
昔の罪を償う為に少女は正義を執行する…それが罪を消す為になると信じて。