九拾八
6月15日(金)?時??分
中学校へ入学したおれはしょっぱなから周りに引かれていた。
入学式をサボったあげく、すでにみんな揃っている教室に立て付けの悪い扉を無理やり開けて入っていったせいで不良と勘違いされたから…。
…お母さんが遅刻したせいなのに(泣)
ともあれ中学校では人数が増えたことにより何人かの友人ができた。
三年間で友達と言えた人物はそれほど多くないが、高校に入った今でも何人かは交流がある。
同じ稲穂学園に入学した宮嶋や小川。
他の学校に進んだレオンハート。
最近はメールの返信のないあの人など合わせて10名ほど。
これが少ない数字だとは思はない。
本当に信頼できる友人はむしろこれじゃあ多いくらいだ。
そういえば宮嶋や小川は稲穂学園だし、参戦しているはず。
運動の得意ではない小川はともかく、中学時代おれと一緒に裏工作をしていた宮嶋は生き延びていそうだな。
まあそんなこんなで中学に入学したおれはどんどんひねくれた道に進んでいった。
まあ地元じゃ噂される不良校だしな(笑)
入学早々に先輩方からたくさんの勧誘を受けたり、
いきがってる同級生に舐められないよう回って歩いたり。
いきなり腹パンとかきついよね(笑)受けきったけどw
とりあえずリアルタイムで実況していくのも疲れるので、簡単にいくつかのエピソードを上げていく方式に変えていくかな。
部活は野球部に入部。
まあ先輩とかいろいろあってね。
とりあえずここで上下関係の厳しさと先輩への殺意を学んだな。
引退する頃には両肘と両肩壊して二度と投げられなくなっていた。
長物の扱いと闇討ちの技術はこの頃のものだ。
授業はまあ普通。
悪くもなく飛び抜けて良くもなく。
三年間評定平均が変わらなかったのはちょっとした伝説扱いされたな~。
九学期全て通知表の合計点が同じとか笑えたw
そういえば言うとみんなに驚かれるんだが、おれは美術が得意だ。
授業で作った作品はたいがい入賞したり展覧会に飾られたりしている。
人物画は少し苦手だが絵を描くのは得意だし、刃物や工具を使った作品は独創的(変わってる)とよく誉められた。
…まあ数少ないおれの自慢だな。
おじさん顔で要領悪くて性格悪いおれからは想像できないだろうが(←自虐)
ちなみに一年のときから裏工作に着手して、規則違反を犯して三年間図書室委員長を勤め上げたこともある。
表では優等生(見た目だけ)を演じつつ裏では結構危ないこともしていたっけな。
部室の床を盗ん…借りてきたハンマー(5Kg)とバールを使って穴を空けて地下を造ったり、
目障りな不良を闇討ちして学校を平和にしたり、
金属を加工して刃物やダーツを作って学校の備品で試したり、
裸学ランで下校したり。
今思い返してみると恥ずかしい限りだ。
まったく、認めたくはないものだな。
若さゆえの過ちというものを。
そうそう、中一の時だったかな?
初恋に気がついたのは。
……。
…結構マジでした。
……。
相手は小学校の時唯一親友だと思えた男の子。
荒れていたせいで誰もおれに近づかない中、あの人だけが話しかけてくれたんだ。
たぶんあの人がいなければそのうち自殺してたと思うな。
同時はそれだけ追い込まれていたし。
だから、まあ、あの人の言うことだけは死んでも守ろう、そう決意していたよ。
今でもそうだし。
でもまああの人とは、てかみんなとは高校が別々になっちゃって、今はあんまり会う機会がないんだよな…
…っと
そろそろ記憶の中のおれがクライマックスのようだ。
相変わらず無表情。
死んだような目。
まあそれらは高校に入学してからだいぶ改善されたんだけどね。
でもこのおれはみんなと離れ離れになったショックでなんか顔色悪いな。
もしかしたらおれの記憶が曖昧なのも嫌な現実から目を背けるため、だったりしてな。
まあこの記憶を見て思ったのはやっぱりおれの人生はくだらないことばっかりだった、ってことかな。
せめてあの時、全ての想いをあの人に伝えていれば、
今のおれはだいぶ違ったものになってただろうにな~…。
6月15日(金)?時??分




