九拾四
今日は手術日。
全身麻酔なので寝て起きたら終わってるはず…。
6月15日(金)?時??分
¨舞霞¨という女子生徒がオレと仲良くしている。
だがオレにはこんな記憶がまったく、これっぽっちもない。
前の学校でのことは今でもちゃんと覚えているし、仲良くなった奴とは今でも連絡し合っている。
こんなに可愛い子と仲が良かったことなんて、忘れたくても忘れるわけがない。
今二人(オレと舞霞)は薄暗い校舎の中を歩いている。
先ほどまでの和やか(に見えた)雰囲気はまったくない。
二人は人気のない空き部屋に入っていった。
(ちょ!え、なにこのオレ青春しちゃってんの!?)
ゆっくりと閉まっていくドアに体を滑り込ませる。
するともう一人のオレと舞霞はそれぞれ向かい合って椅子に座った。
これから何が起こるんだ?
必要もないけど一応息を潜めておく。
「ねえ、霧島さ…」
「ま・い・か!」
「舞霞…さん」
「舞霞でいいよ」
「…舞霞」
どうやらこのオレは舞霞に主導権を握られてしまっているようだ。
なんとなくむなしい。
「舞霞は本当に信じてるの?あいつの言ったこと」
「うん。だって今までだっていろいろ叶えてくれたし、実際に他のみんなも初めて会ったのに知ってたでしょ?」
「それはそうだけど…」
?
何の話をしてるんだろう。
「それにあっちで組んでた私たちがこっちでも組んだら勝ち残るのだって簡単だと思わない?」
この言い草、なんとなく頭に引っかかりを覚える。
頭の中で何かが蠢いているような…
「¨神の座¨なんて興味ないけど、どんな願いでも一つならば絶対に叶うって言うのは魅力的じゃない?」
!!?
まさか、
「そりゃオレだって叶うなら勝ち残りたいけどさ」
まさかオレは、
「大丈夫よ。私たち二人が今までみたいに¨夢¨と¨現実¨の両方で組めば絶対に勝ち残れるわ♪」
その一言でもう一人のオレ、いや、過去のオレは決心したようだ。
「…OK.よろしく舞霞」
「こちらこそ」
そう言って過去のオレと舞霞は何もない空間から【神器】を出現させた。
舞霞の手に握られているのはオレが今使っている【神器】、¨多節棍¨。
過去のオレが持っているのは、¨鎖鎌¨だった。
そう、オレは過去にもこの闘いを経験したことがあった!!
舞霞は鎖鎌と多節棍を交差させながら呟いた。
「二人でこの¨神を堕とす者¨と言う名の闘いを勝ち残りましょう」
?月?日(?)?時??分
明らかになった杉山裕司の過去。
¨神を堕とす者¨と呼ばれるゲーム。
交差する多節棍と鎖鎌。
¨過去¨と¨現在¨。
¨夢¨と現実¨。
まだ試練は折り返し地点でしか、ない。
6月15日(金)?時??分




