九拾三
本日より入院してきます。
事前投稿していくので、退院まで途切れることはない、はずです。
たぶん、きっと、メイビー。
6月15日(金)?時??分
どこから説明したらいいのか、要するに今俺がいる9月24日とは、告白の日だ。
どうして試練の最中(試練なのか?)にこんな記憶を見てるんだ?
とりあえずあそこでフラフラと歩き回っているガキ(俺)は、
(えっと実名はまずいのでイニシャルで)
Kへの告白を控えているのだ。
この記憶は俺の中で今も色褪せることなく保存されているもの。
ちなみに俺の記憶が正しければ、Kには4時に教室に来るように頼んでおいたはず。
試練のこととか考えている間に時間が過ぎて、今は約束の4時だ。
教室の後ろの扉が開き、Kが入ってきた。
同時に中三の俺の身体がビクッと反応する。
あ~キョドってるキョドってる。
「佑ちゃん…どうだった?教室にお相手を呼び出したんだよね?」
この時俺はあらかじめKに他の人に告白すると伝えてある。
その結果を報告するという形でKをここに呼んだ。
「あ、あぁまあね…」
よかった、K(中三)にも俺は見えてないみたいだ。
にしてもコイツ今(高一)と全然違うな。
「実はさ、まだ結果出てないんだ」
「え、あ、これから来るとか?あ、じゃあ私邪魔じゃんごめんごめん、すぐ出てくから…」
Kがそそくさと教室を出て行こうとする。
まあ俺(高三)はこのあとどうなるかとか全部わかるんだよね。
すると、俺(中三)がKの腕を掴んで止める。
「い、いいんだよ出ていかないで。これでいいんだ」
「はい?」
Kがキョトンとした表情で首を傾げる。
高校生になった今思い起こすと…これ気付かないもんかねここまできて…。
「K、あのさ…ちょっと左耳こっち向けて目を閉じてくれる?」
「え、なんで?」
「おまじない。ね、頼むよ…」
「…?いいけど…」
すると、Kが言われた通りにする。
その左耳に俺はゆっくりと顔を近づけていった。
「あのさ…………………」
途端にKがペタンとその場に座り込む。
言ったな俺。深い悲しみの原因を作ってしまったな。
「え、ええあの…あのあのっ…」
「いいよ俺に気使わなくても。嫌だったら嫌でいいし全然」
「はのののっ…え、ええええあっ…のそれは…つ、付き合ってって意味…だよね?」
「Kがそうしたいって思ってくれるなら…ね…」
「あ、はい…え?ちょっと待っ…どうしよう…」
Kのキョドりが生々しい。
記憶が蘇るというよりこれが記憶だ。
その後、ぎこちないやり取りは腰を抜かしたKが立ち上がるまで約20分ほど続いた。
とりあえずいったん教室を出ることにした俺(中3)とK(中3)は、無言で昇降口に向かって歩いていた。
俺(高三)も少しだけその後について行く。
「ねえ、佑ちゃん…」
「は、はい?」
「あのさ…さっきの答えなんだけど…」
「お、おう…」
俺はここまで聞いて立ち止まった。
進んでいく二人の会話は立ち止まった俺まではかすかにしか届いてこない。
だがこれは全て俺自身の記憶。
胸の奥にそっとしまっておいた思い出。
俺の心には今もこの思い出が深く根付いている。
だからKの返事の内容も知っている。覚えている。
今となっては変えることも、なくすこともできない記憶。
こうしてKとの短くて、長くて、濃密な三ヶ月が始まった。
6月15日(金)?時??分




