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八拾三

6月15日(金)?時??分


阿部が鏡の中に入っていくのを確認すると、杉山は隣でびくつく宮崎に向かい合った。


杉山はどうも第一の試練での自分の行動を思い返していて、自分の変化に戸惑っているようだった。


そして宮崎のほうは…


「ジョニーが…、ジョニーさんが見てる…!」


と呟きながらガクガクと震えている。


杉山はそんな宮崎を薬中でも見るような目つきでしばらく眺めていた。


そうしている間にも次々と試練をクリアした生徒が鏡から出てきている。


ちょうど阿部が出てきたときはいなかったが、時間の流れの早い鏡の中での試練は終わるタイミングがそうはズレない。


離れた位置の鏡からは大きな金棒が飛び出し、地面に巨大なクレーターをつくった。


次いで出てきたのは大柄な生徒である。


仮面の目元を隠す長い髪を両方に分けると、休むことなく再び鏡に入っていった。


逆方向の鏡からは突然凄まじい勢いで炎が吹き出した。


そして激しく燃える炎から全身火だるまの生徒が飛び出してくると、体にまとわりつく炎を消そうと地面でのた打ち回る。


それを興味なさげに眺めるのは、少し前に鏡から平然と潜り抜けてきた男子生徒である。


その生徒が手をかざすと何もない空間から大量の水が溢れ出し、燃える生徒の火を消した。


間もなく杉山と宮崎のいる位置からそう離れていない鏡から、泣きじゃくる女子生徒が飛び出してきた。


その女子生徒を捕まえようとするかのごとく鏡の中からは巨大な手が突っ込まれ、鏡のヘリを掴んだ。


その隣の鏡からは大量の狼がわき出てきた。


その後にゆっくりと出てきたのは爽やかな雰囲気をまとう男子生徒だ。


仮面で隠されてはいるが、その雰囲気とスマートな体からは十分イケメンであることが伝わってくる。


宮崎の背後の鏡の中からは探るように無数の鎖が伸びてきた。


危うく巻きつかれそうになった宮崎は人間離れした反応で鎖を避ける。


出てきたのは隙なく辺りを見渡す男子生徒。


まるで軍人のような身のこなしで宮崎達を牽制すると、バックステップで鏡に飛び込む。


たいがいの生徒は人間離れした能力と【神器】によって、もはや普通の高校生とはかけ離れた存在となっている。


多かれ少なかれ参戦者は己自身、オリジナルな¨覚醒¨を試練によってもたらされていた。


現段階で第一の試練をクリアしたのは84人。


内13人はすでに第二の試練にまで進んでいる。


第二の試練をクリアし、第三の試練まで進んだ生徒はまだ一人もいない。


6月15日(金)?時??分


「カリヤ!さっきの竜なに!?あんま手応えなかったけど、もしかしてあれ…」


「……。」


鏡をくぐり抜けて出てくるなり、デュランはテンション高く声も高くカリヤに聞いていく。


それをカリヤ無表情に無視している。


いくつもの鏡に映された生徒達の¨覚醒¨した姿を興味深く観察していく。


「…てわけで翼を切り落として動きを封じたわけだけど「デュラン」」


デュランが話しているのを遮り、カリヤは宣言する。


「…参戦者が様々な能力を開花させていくのは結構なことだ。…しかし、これはあくまで【神器】がメインの闘い。


…横路に逸れる過剰な能力や現象は試練が終了しだいに封印する」


カリヤは描かれたストーリーから外れかけた今の状況を修正すべく、複雑に事象を変化させていった。


6月15日(金)?時??分

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