八拾一
6月15日(金)?時??分
「うおぉぉぉぉぉ!」
突然体の奥から力が漲ってきた。
俺は突き動かされるように鬼丸を振るう。
ドバァ!
たったの一振りで目の前の◯ナードが数体両断され、消えていった。
見ると鬼丸の全体が今までとは比べものにならないほどの¨光¨で覆われている。
いや、もはや¨光¨そのものと言っても過言ではない。
さらに体が先ほどまでの疲労が嘘のように軽い。
まるで羽毛のようだ。
『ついに¨覚醒¨したか!それにしても、こんな¨覚醒¨をしたのは初めてだ…。仮面が関係しているのか?』
「何言ってんの?」
◯ナードを一掃しながら聞くと、鬼丸からは呆れたような雰囲気が伝わってきた。
『刀身に自分の姿を写してみろ』
「?」
近くにきていた◯ナードをあらかた片付け、言われた通りに鬼丸の刀身を覗き込んだ。
「!これって…」
ティ◯のお面が変化している!
今まで見たことがないウルトラマ◯だ…
よく見るとどことなくティ◯とダ◯ナ両方の特徴が合わさっているようだ。
『全身を見てみろ』
刀身ではなく直接体を見下ろしてみると、さっきまで着ていたはずの制服までもが変化していた。
というかまんまウルト◯マンのスーツみたいだ。
「……!」
握ったり開いたりして感覚を確かめてみるが、まったく違和感がない。
しかもお面もスーツと一体化してるのか継ぎ目もない。
頭全体を覆われているのに息苦しさもまったくない。
今すぐにでも特撮に参加できそうだ!
でもいったいどうしてこんな…
『どうやら限界まで力を使い果たしたことで¨覚醒¨したらしいな』
「¨覚醒¨…?」
なんだそれ?
『もともと¨シュールバルタの鏡¨は何層もある¨限界¨を突破するためのものでもあるからな』
「??」
鬼丸はよく相手が理解できていることを前提で話すため、まったくついていけないときがある。
とりあえず今は詳しく聞いてる時間はない。
「とりあえず説明はあとでいいや。ようするに、今俺はその¨限界¨ってのを越えた状態なんでしょ?」
『まあそうだな』
「なんか力が溢れてきてるし、一気に大技で片付けてくるよ」
『なら急ぐんだな。覚醒状態は長くは保たねえ。蓋をされていた¨限界¨を突き破った反動で力が溢れてきちゃいるが、もともとの器はお前自身だ』
詳しくは理解する暇はないが、とにかく今のうちってことか。
俺は目の前の◯ナードを消滅させると、広場に向かって走り出す。
時間がないなら速攻で倒す。
胸の辺りに¨欠片¨を集める。
さっきとは比べ物にならない早さで、さっきよりも多くの¨欠片¨が集まる。
「ふうぅうぅぅぅう!!」
放つのはソルジェン◯光線だ。
フラッシュタイプの必殺技。
俺は両腕を十字型に組んで体内の¨欠片¨をスパークさせる。
「デュアアッ!!」
放たれたのは青色の光線。
ソルジェン◯光線は広場はおろか、その向こうにあったビルも巻き込んで消滅させた。
そしてちょうど反動とやらが治まったのか、高ぶっていた感情も落ち着いてきた。
『第一の試練、クリアです。』
突破の声に驚く。
見るといつの間にか背後に¨シュールバルタの鏡¨が立っている。
俺は少し呆気なさを感じながら鏡をくぐった。
阿部佑樹、第一の試練突破
6月15日(金)?時??分




