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七拾五

6月15日(金)?時??分


…ヴァ…ヴヴァア……


「はあっ!」


¨光¨を鬼丸の刀身に纏わせて、次々とガナー◯の体をバラバラに寸断していく。


『小僧!¨光¨を込めすぎだ。そんなんじゃガス欠を起こすぞ』


「分かってる!」


次々と襲いかかってくるガナー◯の大群を一体ずつ葬りながら答えた。


まるで減った気がしないが、生き残るためには倒し続けるしかない。


倒したガナー◯の数は20体を越えたあたりで数えるのを止めた。


¨光¨を具現化したまま闘うのはだいぶ集中力を使うが、動きの遅いガナー◯にはなんとかついていけている。


修行中には10分も¨光¨を纏わせていられなかったが、実戦だからかすでに15分以上キープしている。


それでも…


「ちょっとは、休憩、させてくれよ…」


止まることを知らないガナー◯の行進は際限がない。


修行の成果かまだまだ¨欠片¨には余裕がある。


だがこんな極限状態で慣れないスタイルを使っていること自体、ガソリンを撒き散らしながら走っているのと変わらない。


このペースだと保って後10分くらいか。


それまでにガナー◯を全滅させることはできるだろうか?


『小僧、もしかしたらこいつらを生み出している親がいるんじゃねえか?』


鬼丸の言葉に俺は頷く。


薄々それには気づいていた。


確かにこういった雑魚を大量に産み出す親玉、すなわちボスの存在はゲームじゃよくある話だ。


「だとしたらどこに?」


『知らん。虱潰しらみつぶしに探すしかないだろ』


「くそ…」


こいつらを相手するだけで精一杯だってのに、いるかも分からない親玉まで探せって?


無茶苦茶だ。


だがそこに可能性があるのなら賭けてみるしかない。


腕を振りかぶってきたガナー◯の攻撃を切断することで無力化させながら脱出経路を模索する。


どのみちこのままじゃガス欠まで時間がない。


少しでも休めれば回復もできるだろう。


¨光¨を纏わせただけの攻撃じゃ急所を突かない限り一撃では倒せないし。


タイマーフラッシュは消費がでかすぎるので親玉まで温存しておきたい。

俺は目の前の三体のガナー◯を一気に片付けると、両腕を頭の前でクロスする。


「ふうぅうぅぅぅぅう!!」


クロスをといて胸の高さまで下ろした両腕の間で¨光¨が創り出される。


ガナー◯は¨光¨を畏れるようにうろたえ出した。


「ディアッ!!」


特大のタイマーフラッシュが屋上にいた全てのガナー◯を消し去り、脱出経路が確保できた。


「はぁはぁ…」


特大級のタイマーフラッシュを放ったせいで乱れた息を整えつつ、俺はフェンスを飛び越えて屋根伝いに移動を開始した。


まずは休憩して、それから親玉を見つけ出す!


6月15日(金)?時??分


「…見つけた!」


紫のフードを目深に被っている人影。


この空間には俺とガナー◯以外にはあの鏡しかいないはずなので、おそらくあいつが親玉だろう。


オズムン◯サドラー。


てかこいつも¨バイ◯ハザード¨のキャラだ。


見た目は初老の男性、確かフードのしたは金髪のはずだ。


こいつはガナー◯たちを操ることができるし、親玉で決まりだな。


さて、後はどうやってあそこに近づくか、だけど…


「…やっぱりボス戦には大量の取り巻きか」


オズムン◯サドラーの周りには見た感じ百体近いガナー◯がいる。


オズムン◯サドラー自体は動かずにじっと立っているだけだし、こっちから攻めないといけない。


ちなみにオズムン◯サドラー(長いな)は俺が最初にいた広場の鏡の前に陣取っている。


場所は拓けているし、近づいたらすぐにバレるだろう。


休んで回復したとはいえ、さすがにあの数を正面から切り崩すのはきつ過ぎる。


ここにきて途方に暮れてしまった…


6月15日(金)?時??分

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