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七拾二

6月15日(金)?時??分


廃工場に潜伏してからどれくらい経っただろうか?


こちらからの攻撃が全く効かない、というか当たらないガナー◯に対していったい何が有効なのか。


まったく検討がつかない。


『¨光¨を試してみたらどうだ?一応ゴーストには光属性が有効だというのが一般的だろ』


それがあったか!


パニックになるあまり、ずっと鍛えてきた剣術ばかりを試していた。


でも…


「さすがにあの量のガナー◯相手にこの程度の¨光¨じゃ…」


確かに以前よりは¨光¨の扱いは上達したと思う。


でもここの所ずっと飛天御剣流の修行ばかりだったから実戦で使うには心許ない。


せめてタイマーフラッシュを連発できればいいんだけど…


「それにあれ、消費が半端じゃないんだよな」


さすがに本物のウルト◯マンほどのエネルギー(欠片)はないし、補充してくれる仲間もいない。


このまま飛び出して闘っても3分と待たずに点滅しちゃうよ。


『ようは燃費の問題だな。なれれば少量でも充分な威力を発揮できるんだろうが…』


そう、今はそんな時間はない。


こうなったら修行中に編み出した¨光¨と剣術の合体技を試してみるしかないか。


刀の全体に¨光¨を纏わせるだけなのだが、イメージを維持するのがとても難しい。


刀を振るうことだけに集中すると¨光¨が創り出せないし、かと言って¨光¨に集中すれば太刀筋が鈍る。


いったいどうすれば…


その時、いきなり部屋の壁をすり抜けてガナー◯が侵入してきた。


ガナー◯は俺を見つけるやいなや声とは別の呻き声を発する。


…ヴヴァア…ゥヴアァ…


「ヤバい、見つかった!」


『まずいぞ、仲間を呼んでやがる!』


鬼丸の言うとおり、壁をすり抜けて次々とガナー◯が部屋に侵入してきた。


『いったん退くぞ!』


俺は開ける手間を惜しんでドアを両断する。


錆びた鉄製のドアはほとんど抵抗なく2つに別れ、俺はそれを蹴って外に飛び出る。


廃工場内には既に3体ほどのガナー◯が侵入してきていた。


俺は目の前に迫ってきていたガナー◯に向かってタイマーフラッシュを放つ。


「ふうぅぅぅぅう、でぃあ!!」


¨光¨は胴体に当たり、ガナー◯の体はまるで炎のように揺らめいで消えていった。


「よし!」

『まだだ!』


どうやら¨光¨はガナー◯に有効のようだ。


だが鬼丸の言うとおりガナー◯の数はどんどん増えている。


タイマーフラッシュを放ったせいで少し乱れた息を整えながら、とりあえず俺は工場の屋上に走った。


音が大きく反響する、壁に固定してあるだけの階段を駆け上がり、屋上の扉も両断する。


どうせあいつらは壁を通り抜けるし、少しでも見晴らしはいいほうがいい。


屋上に出て、フェンスギリギリまで寄った。


「……!」


絶句する。


街はガナー◯で埋め尽くされていた。


…ヴゥア…ゥヴアァ…


背後で屋上まで付いてきたガナー◯が呻き声を上げる。


けど…


『…こりゃミサイルが欲しいとこだな』


俺の記憶を持っている鬼丸がそんなことを言う。


確かにこの¨バイ◯ハザード¨状態をどうにかするにはミサイルの一つや二つ必要かもしれない。


とりあえず


迫ってきたガナー◯にタイマーフラッシュを放つ。


空気に溶け込むように消えるガナー◯。


「なあ、鬼丸」


『なんだ』


「『俺はどんな時だって諦めないし、絶対に逃げもしない!』」


『……。』


俺の一言に沈黙する鬼丸。


3体目のガナー◯が屋上に上がってきた。


『『限界を超えた時、初めて見えてくるものがある。掴み取れる力が…』』


「……はは」


結構ノリがいい。


とりあえず、全力を出そう!


6月15日(金)?時??分


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