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七拾

6月15日(金)?時??分


俺は目の前でもぞもぞと動く正体不明な物体へと改めて向き直る。


半透明かつかすかに振動している様子はなんとなくゼラチンのようだ。


だがそれは明らかにゼラチンのように質量のあるものには見えなかった。


薄々正体に心当たりが…


というかまんま¨あれ¨なんだけど…


いやいや、まさかね


「あの~、質問なんですけど…」


『何でしょうか』


「これの正体って…」


『¨幽霊¨です』


「……。」


本当に何でもありだな。


ていうか教えてくれるんだ…


それにしても¨幽霊¨か。


心なしか¨バイオハザー◯¨の¨◯ナード¨が丸まって半透明なブヨブヨしたものになったって感じだな。


トラウマとかを¨うつした¨っていうし、これはまあ当然かもしれない。


俺は昔から幽霊とか実体のないものが怖かったし、今でもホラーは苦手だ。


見た目がバイオ気味なのも¨バイ◯ハザード¨をしょっちゅうプレイしてるからかな。


¨バイ◯ハザード¨は夜暗い部屋でヘッドホンをつけてやるとまじて怖い。


そりゃトラウマにもなるよな。


「とりあえずどうするかな…。克服って、倒せばいいんですか?」


鏡からの返答はない。


そこらへんは試練の内容に関係があるのかもしれない。


試しに鬼丸でこの¨幽霊¨を斬りつけてみた。


スカッ


「……。」


まぁ予想通りすり抜けてしまい、全くきいた様子はない。


一体どうしたら…


……ヴァ…ヴ、ヴ……


「うわっ!?」


斬りつけたせいか◯ナード似の幽霊は眼(とおぼしき部位)をこちらに向けてきた。


声は不思議と耳ではなく頭に直接響いてくる。


てか、これってヤバくない?


幽霊はゆっくり立ち上がると、俺に向かって一歩踏み出してきた。


繭のように丸まっていた体は、立ち上がるとスライム化したガナードのようにも見えた。


そしてそのまま俺の顔に手を伸ばしてくる。


「ちょ、まっ…!」


俺は一歩後ずさったが、ガナー◯の指先とおぼしき部位が頬を掠めた。


ズシャ


「っ!…え、触れんの!?」


掠めたところがピリピリした痛みを伝えてくる。


拭ってみるとかすかに血が流れていた。


ガナ◯ドを鬼丸で改めて斬りつけみるが、腕の辺りをすり抜けていくだけでダメージを与えた様子はない。


どうやらガナードの方から一方的に攻撃が当たるらしい。


「こんなのどうやって倒せば…」


…ヴヴ、ヴゥ…ァアヴゥ…


ガナー◯はゆっくりとした動作で近づいてくる。


その見た目に動作も合わさって、先ほどから冷や汗が止まらない。


俺はガナー◯に背を向けて走り出す。


まずは対処法を見つけないと話にならない。


6月15日(金)?時??分


「はっ!」ヒュッ、スカッ


「くそ、これでもダメか…」


第一の試練が始まってからかれこれ十数分。


あらゆる手を使って◯ナードに攻撃を仕掛けているが一向に成果はない。


これが¨バ◯オハザード¨だったら銃火器で一掃できるんだろうが、あいにく俺は銃なんて持ってないし、あのガナ◯ドに通常の武器が効くとは思えない。


…ガア…ヴゥ…ァア…


ガナー◯が腕をこちらに向かって振り下ろしてくるのに合わせて俺も鬼丸を抜く。


迫ってきた拳に鬼丸を突き立てるがすり抜けるだけだ。


攻撃の瞬間だけ実体化しているという俺の予想は外れたらしい。


顔を逸らして最低限の動きで拳を避けると、今度は鞘で殴りつける。


スカッ


これもだめか…


袈裟懸けに斬りつけても無駄。


直接生身で殴りつけてもきかない。


1秒間に何度も斬ってもダメ。


そこらに落ちている石もすり抜けた。


他にもいくつか試してみたが全く効果がない。


どんな無理ゲーだよ…


距離を取って次にどうやって攻撃しようか考えていると、急にガ◯ードが動きを止めた。


「…?」


何が起こっても対処できるように身構えていると、次の瞬間予想外の出来事が起きた。


…ァア…ァア…ヴアァ…


なんとガナー◯が呻きながら分裂を開始した。


呆然と見ている前で、ものの十数秒でガナー◯が2体に増えた。


…ヴアァァア…ヴアァ…

…ヴアァァア…ヴアァ…


2体は同時に呻くと俺に向かって踏み出した。


6月15日(金)?時??分


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