五
5月11日0時06分
【…君達をここに引き寄せたのは俺だ。君達にはゲームをしてもらう。そのゲームで勝ち残った者には、賞品として、どのような願いでも一つだけ必ず叶えてやる。そしてさらに望むのなら神の座も与えてやる。】
淡々と語る男の声に、俺は背筋が寒くなった。男の言葉には冗談の要素がまったくなかった。
周りをみると、みんなも同じように顔を強ばらせている。
【…ゲームの内容は簡単だ。闘って生き残れ。そのための力は与えてやる。…ルールは特にない。必要なときに適宜知らせる。…質問はなしだ。とにかく死ぬな。】
そこまで言うと男は一区切り入れた。
俺はこの現状をどう受け入れたらいいかわからなかった。みんなもそうだろう。いきなり生き残れだなんて…。まるで昔みたアニメのようだ。
【…ゲームは数段階用意している。補足だが、闘う以上は殺せ。…別に殺さなくても構わないが、それではいつまで経ってもゲームは終わらない、とだけ言っておこう。】
(こ、殺せ!?本気で言ってるのか?正気だとは思えない…)
周りも今の言葉に騒ぎ出している
そこでいきなり語り手が代わった
【はいはーい!静かに!!も~相棒ってば言葉数が少な過ぎだぜ?これじゃこいつらの不安を煽るだけだって!(…中身が伝われば問題ない。)まったく!悪いね、生徒諸君!!俺からの補足ね!】
騒いでいた奴らも徐々に収まってきた。俺も放送に耳を傾ける。
【みんなお気づきだと思うけど、ここは現実じゃない!つまりここで死んでも生身には問題はないわけだ!!みんな夢で死んだ経験はないかな?夢で死んでも起きたら平気だろ?それと同じさ!だから安心して殺し合ってよ!!】
俺はこの男の言葉に、やはりここが現実じゃなかったと確信を持てた。
【…とりあえずお前達には考える時間をやる。3日後、またお前達をここに呼び出す。それまでに覚悟を決めろ。】
【みんなには俺達から素敵なプレゼントがあるよ!!細かい説明はそれぞれそいつらから聞いてね!じゃあ今日はここでお開き!!ばいちゃ~!!…ガチャッ!……】
一方的にそう言うと、放送は終わった。
それと同時に辺りがぼやけてくる。段々とぼぉとしていき
そこで目が覚めた。