四
5月11日0時02分
にわかに教室が騒がしくなってきた。いつもなら目が覚める時間はとっくに過ぎている。何人かの生徒が教室を出ようとしている。
「どうなってんだ?」
「どうして覚めないの!?」
「え?え?」
「マジかよ…」
みんな口々に騒ぎ出した。
5月11日0時05分
ガーッ!ガーッ!ザー!
突然スピーカーから校内放送が流れ始まる。
「な、なんだ?」
「どうなってんだよ…」
「怖い…」
静まった教室に生徒達の呟きが響いた。
【…ザッ……ガガッ…、…あ~、テステス。…ザッ……聞こえてるかな?……ゴホン!】
スピーカーから声が聞こえる。粗めの音声のため、年までは分からない。
【あ、あ。大丈夫だな。ゴホン!みんな、おはよう!!(…今は夜だ。)(…ぼ、ボケたんだよ!)…まぁ冗談はさておき!!みんな、不安な気持ちだと思う!突然のこんな状況だからなっ!】
スピーカーからはテンションのおかしい声が大音量で流れてくる。
【…でも安心してくれ!!これから君達にはまさに夢のような話がある!なぁ、夢の中で夢のような話っての笑えね!?(……。)なんだよノリ悪いな~!】
どうやら放送室には2人いるらしい。
【ゴホン!悪いね、相棒のノリが悪くて!根はいい奴なんだよ!!(……脱線するな。)おっと悪い!どこまで話たっけな?まぁ細かいことは気にすんな!!】
「「「「……。」」」」
生徒達は一様に言葉を失っている様子だ。
【まぁなんだ。毎度のことながら説明は面倒くさいな!あとは頼んだ!】
そういうと別の男と代わったようだ。
【…すまない、連れが騒がしくて。(そりゃないぜ相棒!)君達をここに引き寄せたのは俺だ。(ついでに俺もな!)君達にはゲームをしてもらう。(とびきりのやつをな!)そのゲームで勝ち残った者には、賞金として、どのような願いでも一つだけ必ず叶えてやる。(嘘じゃないぜ!)そしてさらに望むのなら神の座も与えてやる。】
その言葉は生徒全体に大きな波紋をあたえた。