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二拾壱

5月13日(日)0時15分


俺は夢を見るため、11時にベットに入った。しかし意識すればするほど目が冴えてしまい眠れずにいた。


「……眠れん。」


もう1時間以上横になっているが一向に睡魔がやってこない。


それにいざ眠りにつきそうになったらつねの顔がドアップでフラッシュバックするのだ。


「……とりあえず次会ったら殴ろう。」


そう決意したはいいがやはり眠気はない。


一回起きてしまおうかと思い始めた矢先、携帯がメールを受信して鳴り始めた。


「…何だ?」


メールを開いてみると送信者はつねだった。




From:宮崎常春

Sub:( ̄∀ ̄)

[面白いことが分かったよ 明日午後空いてる?]


俺はすぐに返信を書くと送信ボタンを押す。




To:宮崎常春

Sub:Re:( ̄∀ ̄)

[来るなら予定は空いてるけど、つねのせいで眠れない(怒)]



From:宮崎常春

Sub:

[それならちょうどいいや。この呪文声に出して読んでみ→《我夢と現の狭間にて神を堕とす者なり》]



「何だこれ……《我夢と現の狭間にて神を堕とす者なり》、……!?」


メールに書いてあった言葉を声に出して読んだ次の瞬間、俺は学校の教室にいた。


?月?日(?)?時??分




5月13日(日)6時45分


「……!?」


気がつくと俺はベットに横になっていた。手には携帯を握っている。


体中に嫌な汗がまとわりついていて不快だ。それに軽く動悸も激しい。


今の状態はまるで悪夢から目を覚ましたようだ。


「…悪夢?」


そういえば昨晩つねからメールが送られてきた気がする。


携帯を見てみると確かにメールは届いている。


(…《我夢と現の狭間にて神を堕とす者なり》?)


書いてあることを口に出さずに読んでみる。


そういえばこの文を口に出して読んだ瞬間から記憶がない。いったい何が起こったのだろうか?


5月13日(日)13時15分


俺はつねの到着を今か今かと待っていた。ぎやまは残念ながら予定が合わなかったので来ない。


いったい俺に何があったのか気になってしかたがなかったが、つねが到着しないことには知るすべはない。


つねは今日も午前練習らしく、先ほど向かうとのメールがきた。


「やっほー、阿部ちゃん。いい夢は見れたかい?」


「つね!」


到着したつねを部屋に通すと、とりあえず昨晩のメールについて聞いてみた。すると、


「ああ、あれかっこいいよね。《我夢と現の狭間にて神を堕とす者~》とか厨二全開だよな。」


「それはいいから、あれってどういう意味なの?」


俺が聞くとつねは首を傾げつつ答えた。


「あれ、阿部ちゃん唱えたんじゃないの?あの呪文を唱えれば夢の中にいけるんだけど。」


「そうだったの?俺、確か唱えたはずだけど覚えてない」


俺がそう言うと、つねは顎のあたりを撫でながら右手を前に出した。


「覚えてない?ん~よほどショッキングな出来事があったとか?お前はどう思う?」


『直接そやつの【神器】に聞いてみればいいんじゃないか?』


突然つねの右手にトンファーが現れ、それが声を発した。その声はつねとそっくりだった。


俺は唐突過ぎて何の反応もできなかった。


5月13日(日)13時25分


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