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拾八

5月12日1時03分


「おっす阿部ちゃん。阿部ちゃんの家に来るの久々だね。」


1時ちょと過ぎに到着したぎやまを俺は玄関で出迎えた。


「おっすぎやま。来る途中つね見なかった?学校からここまで10分くらいなんだけどまだ来てないんだよね。」


返信からだいぶ経っても家に着かなかったため、てっきりぎやまと一緒なのだと思っていた。


「ああ、宮崎君も呼んだんだ。…残念ながら見てないよ。宮崎君方向音痴だから迷子になってるのかもよ?」


「いやいや、まさか…」


とそこで携帯が鳴った。見てみるとメールが一件受信されている。送信者はつね。




From:宮崎常春

Sub:

[俺に構わず先に行け~!( ̄∀ ̄)]




「ああ、ぎやま。遅れるだってさ。とりあえず俺の部屋行こ。」


内容は華麗にスルーしといた。


5月12日(土)1時15分


俺はとりあえずぎやまから先に話を聞くことにした。


その結果分かったのは、やはりぎやまも眠りについた後、白い空間で俺と同じようにもう一人の自分に記憶が流れ出して行ったということだった。


「なんか指先が触れた瞬間思い出が溢れ出してきたんだよね。それで頭の中ぐちゃぐちゃになって、しかもなんか吸い取られて…」


「ぎやまもか…。じゃあその後周りの景色が変化しなかった?」


「したした!なんかいきなり前の学校の教室にいてさ。教卓の上に棒きれがのってたんだよね。」


俺の質問に興奮ぎみに返してくるぎやま。やはりぎやまも俺とほぼ同じ体験をしたと見て間違いないだろう。


「それがいきなり『ゲームに参加してみない?』だもんね。まぁその時には阿部ちゃんの言ってたこと思い出してたし、どうせ夢ならいいやって参加しちゃった。」


「俺も同じような感じかな。まぁ俺の場合『この戦いに参加する意志はあるか?』だったけど。」


「阿部ちゃんもか。何なんだろうねこれ。最初は阿部ちゃん達の冗談かと思ったけど、俺もはっきり見ちゃったし。」


それは俺も知りたい。いったいこれは何なんだろう?みんなが共通の夢を見て、しかも戦いに参加させられるなんて…。


その時、いきなり部屋の中に声が響きわたった。


「知りたいなら夢を見るといい!」


5月12日(土)1時21分



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