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百五拾

6月20日(水)22時08分


「警告」


三日月さんは俺に指を一本突き立てながら呟いた。


「警告?」


「そう、警告。今日は【コロシアム】での闘いが終わっても【無制限共有フィールド】には出ない。…OK?」


いきなりそんなこと言われても混乱するばかりだ。


「何で…ですか?」


「¨鬼¨が出た」


「!」


あっさりと気になってた言葉が聞けた。


「危険。だから出歩かないで」


「前にも言ってましたけど、¨鬼¨って何ですか?」


「鬼丸殿から、聞いてないの?」


「はい」


鬼丸は大概後で説明するとか言いながら説明してくれたことがほとんどない。


¨鬼¨についてもそうだ。


「鬼丸殿?」


『構わないから説明してやってくれ』


「お願いします」


「…そう」


三日月さんはしばし考え込む仕草をして、淡々と説明を開始した。


「¨鬼¨って言うのは、いわばコードネーム。正式名称は【村正】」


「村正?」


どっかで聞いたことあるような名前だな…


「妖刀・村正」


「!マジですか」


妖刀村正…。まさか¨鬼¨の正体が村正だったなんて…


とかなんとか分かったような反応をしてみたが、実のところ村正について知っていることは少ない。


せいぜいよく漫画やアニメによく出るということくらいだ。


「村正は「そこまでじゃ」…!」


だが説明を開始しようとした三日月さんを遮る声がした。


「!」『!』


慌てて声がした方を見てみると、いつの間にか部屋の人数が増えていた。


「大典太…」


『お前か…!』


三日月さんと鬼丸の反応を見るに知り合いみたいだ。


三日月さんは少し焦ったような声で大典太に聞いた。


「どうして、ここに?」


「なに、儂の仕事が終わったのでおぬしの手伝いに行ったら、ちょうどこちら側に来ようとしているのが見えたまでよ。


…久しいな、國綱」


『…その銘で呼ぶなと言ったはずだ』


「そうじゃったな、鬼丸」


なんだ、これ?


なんでこんな子供(10才くらい?)が鬼丸たちと対等(なんで年寄り口調?)に話してるんだ?


『小僧、こいつの名は大典太。…天下五剣だ』


「こんな子供が!?」


妙に貫禄があると思ったら…まさかの天下五剣かよ。


「三条、「銘では、あまり呼ばれたくない」…宗近よ…裏切る気か?」


途端に部屋を殺気が埋め尽くした。


濃密過ぎる殺意に息ができない。


「…私を御せるのはカリヤ様だけ。だけど…」


そういうと三日月さんは何故か俺の方をちらりと見てきた。


「もしかしたら対等に向き合える者が、いるかもしれない」


「それがそこの小童だとでもいうのか?」


「…(コクリ)」


しばらく(と言っても数秒)向かい合っていた三日月さんと大典太だったが、


何故か二人して俺の方に顔を向けてきた。


「え、俺?」


何故俺を見ているのか分からないが、大典太はジッと俺の目の奥を見据えて、


そしていきなり破顔一笑した。


「ふん、まあいいだろう。おぬしが離反することは儂が直接カリヤに伝えておこう」


「助かる」


『いいのか?』


これは鬼丸から三日月さんに対してだ。


「いい。私は私で自由にさせてもらう」


『そうか』


なんか俺の理解する前に話がまとまったようだ。


現れたときと同じように大典太は姿を消し、三日月さんはそのままこっちに留まった。


三日月さんはこちらに体ごと向き合うと、突然フードを取り払い、


「それじゃ、今後ともよろしく?」


首を傾けて何故か疑問形で言ってきた。


俺はと言うと…


「は…はい…」


三日月さんの神々しい雰囲気に当てられて無意識に肯定していた。


…全然話が見えない。


6月21日(木)?時??分


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