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百二拾六

6月19日(火)3時??分


【これは意外な展開になったぞ~!ウルト○マンが忍者っぽいやつに押されてる!?】


【両者共にスピードが半端ではありませんね。ですが僅かに忍者っぽい人のほうがスピードに分があるようです】


【っていうか瞬間移動ばっかだな!】


【あれは¨縮地¨と呼ばれる技ですね。足の裏に¨気¨を集中させ、それを…】


【ウルト○マン頑張れ~!】


【…我々の立場から、どちらか片方に肩入れしてはいけませんよ。とはいえウルト○マンの仮面の彼は少々相性が悪いようです】


【ん?どういうことだ?】


【ウルト○マンの仮面の彼はスピード+パワーに秀でたタイプようです。こういった手合いは戦闘時のバランスがよく、1対多に向いています】


【ほうほう】


【一方忍者っぽい彼はスピード+技術に秀でているようです】


【どういうこと?】


【つまりスピードがありパワーもあるウルト○マンと違って、スピードのみに特化した強さになるわけです】


【??】


【ウルト○マンの方はパワーがあるぶん動作に力がいりますし、溜に時間が僅かにですがかかります】


【うんうん】


【しかし言ってしまえばパワーがない忍者の彼はそれを技術で補うわけです】


【う、うん?】


【パワーがないぶん無駄のない動作ができる。つまりウルト○マンの一瞬の溜の間に動くことができるのです】


【ん~。まあ細かいことはいいか!】


【……。】


【そんな客観的に見た結果とか推測なんて意味ないじゃん!何が起こるか分からないから勝負は面白いんだよ!】


【確かにそうですが…】


【それにネチネチ評価ばっかして、お前何様だよ!】


【いや、私は解説なわけですし…】


【言い訳すんな!(がっ)】


【ぐふっ!?】


【それにスピード+パワーやらスピード+技術やら言わなくても、相性云々じゃなく勝つやつは勝つし、勝つやつがいれば負けるやつだっているもんだ!】


【……。】


【シンプルにいこうぜ!シンプルに!ってことで両方殺っちまえ~!!】


【…頑張って下さい】


6月19日(火)3時??分


鳩尾への一撃で遠のきかけた意識を無理やり引き留め、方向も確認しないで長距離縮地を決行する。


無理な体勢でしかも全力で跳んだため、20メートルほど先の地面に不格好に着地する。


いや、着地なんて言えない。


地面に思い切り叩きつけられた俺の体はバウンドして勢いのまま壁に激突する。


それだけで頭が真っ白になるくらいの衝撃が全身に広がる。


正直判断をミスったかもしれない。


荒い息を無理やり整えながら言霊を唱える。


しかし擦り傷などの軽傷は消えたが打ち身や打撲のダメージはほとんどなくならない。


忍者みたいなあいつはゆっくりと杖をつきながらこっちに向かってくる。


俺は大きな実力差を感じて絶望的な気持ちになった。


鬼丸を握る手が震える。


今まで修行と試練によって積み上げられてきた自信をあっさりと崩された気分だ。


「お~い!どうする?本気だすかい?」


忍者みたいなやつの一言にカチンときた。


なんとなくこいつには負けたくない。


少なくとも一太刀入れないと負けても負けきれない。


俺は鬼丸を構え直し、気持ちを切り替える。


大丈夫、落ち着いていけば捉えられるはず。


「おっ!なんとなく雰囲気がかわったナ。それじゃあおれも本気出そうか…なっ!」


最後まで言わずに飛び込んでくる忍者。


残像を残して凄まじい速さで一直線に向かってくる。


(今度こそ捉えた…!)


飛び込んでくるのと同時に飛び出していた俺は忍者に向かって鬼丸を振り下ろした。


先ほどとは異なり、切っ先に質量を感じた瞬間…


ガキンッ!!


杖以外何も持ってなかったはずの忍者は細長い直刀で鬼丸を受け止めていた。


そしてがら空きになった胴体に杖の先端が叩き込まれる。


6月19日(火)3時??分


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