百拾七
《【神器:グリレオの鏡】
別名コピーミラー。全長220cm。姿見。映った人物の複製を創り出すことができる。効果は24時間。効果内に複製を【グリレオの鏡】に映すことで記憶を本体に¨写すことが可能。複製を【グリレオの鏡】に映しても効果はない。複製は左右反対で創り出される。》
6月15日(金)23時59分
「なあ鬼丸」
『…なんだ』
「あの数珠丸ってやつとは…」
『いずれ話す』
「…そっか」
『そろそろ時間だ』
「ああ」
『覚悟はいいな?』
「もちろん」
『…よし』
6月16日(土)0時??分
毎回おなじみの感覚と共に目を開けてみると、
「ここは…1ハか」
シンボルカラーと雰囲気からここが国語棟、別名1ハウスであると分かった。
1ハウスは中学生のハウスだから授業以外で高校生が行く機会はあまりない。
とりあえず近くにある扉に手を掛けながら、
「《コロシアム》」
そう言ってから開けた。
すると…
「……!」
さっきまでの無音を消し飛ばすような喧騒が体全体を打った。
そこはまるで空間だけを切り取って別の空間に繋げたような、
「そのまんまそうだっけ」
ド○えもんのどこでも○アみたいだ。
若干退いてしまいそうになったけど、とりあえず【コロシアム】に一歩踏み出して扉を閉めた。
6月16日(土)0時??分
【さてお次は今回初登場のこの男!ウル○ラマンのお面をしたニューフェイス!
てか昨日暴れ回ってたからみんな知ってるか!
素早いし、結構強かったぜ!ま、俺ほどじゃないけどな!
実況は引き続きデュランことデュランダルと!】
【解説の数珠丸がお送りします】
解説のために設置されたと思われる長机と椅子がコロシアムの観戦席のあたりにあり、そこで少女と数珠丸がマイクに向かって台詞を吐く。
「やっちまえー!」
「よっしゃこいつに賭けてみるか!?」
「ウルト○マーン!」
「キャー!」
途端に歓声がコロシアムを満たした。
「……。え~」
なんなんだこれは…
まるで古代ローマの拳闘場のようなドーム状の建物。
観客席では数百、いや数千人の生徒が観戦していた。
テンションMAX状態でだいぶ興奮している。
しかしなぜか大勢の人がいることは分かるが、個別には認識できない。
てかなんだろう。
状況が把握できない…
【状況が把握できていないであろうウルト○マンに、解説の数珠丸さん!説明よろしくぅ!】
【分かりました、実況のデュランダルさん】
【デュランだっつってんだろ!(ガッ)】
【ぐふっ!…失礼しましたデュランさん…
え~、確かあなたは鬼丸の主人でしたね。
これよりあなたには連続で三人の生徒と闘っていただきます。
そしてこの闘技場の範囲内で相手がリタイアするか死ぬかするまで闘って下さい。
あ、ちなみに私達は【グリレオの鏡】によって創られたコピーなので。
約1万回行われる試合の実況と解説までやっているわけではありません。
皆さんの素朴な疑問にお答えしました!】
【ありがとう、解説の数珠丸さん!でもいまいち中身が詰まってないね!】
なんなんだろうこの二人のテンションは…(汗)
【グリレオの鏡】ってのはカリヤの【神器】だろうか?
鏡ばっかだな。
一言【神器】って言っても俺達の¨武器¨と違ってカリヤのは¨装飾品¨みたいだよな。
しかも効果つき。
使いようによっては武器より便利そうだ。
もしかしたらこの【無制限共有フィールド】とかいうやつも【神器】なのかもしれない。
まあとりあえず今は…
【それじゃあ始めちゃいましょう!ウルト○マンの第一戦目のお相手は!】
【これで今日最後の三戦目!青い仮面のこの人です!】
6月16日(土)0時??分