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百拾六

6月15日(金)?時??分


ざわめきの広がる空間に柏手かしわでの音が響き渡った。


見ると数珠丸が両手を打ち合わせて注意を引いたらしい。


「お静かに!


ゲームと言ってもこれまで行われてきたものとほぼ同じです。


生徒同士の1対1のバトル。


皆さんには1日に3回から4回ほど闘ってもらいます。


100人の総当たり戦ですね。


この闘いを通して相手の癖や弱点などを知るといいでしょう。


メンバーを決めるのにも役立ってくるのではないでしょうか。


おっと失礼。重要なことを伝え忘れていました。


五回戦からはチーム戦になります。


最低でも三人で1チームになってもらいます。


それについての質問は後ほど。


このゲームでは、負けてもリタイアはありません。


99戦全てを闘ってもらいます。


最も勝率の高かった上位10名には様々な賞品もあります。


もちろんペナルティもあります。


勝率下位の20名にはこの闘いからリタイアしてもらいます。


何も存在しない空間で100年間一人きりで放置されてから…ね。


もちろん闘いに関する記憶等は消させてもらいますが…。


皆さんご存知の通り、100年間で摩耗してしまった¨現実¨の記憶は戻りませんし、


さらにその間に狂ってしまったり精神が病んでしまってもなんのフォローもありませんので。


おや、何です?


前回カリヤ様よりこの闘いを続ける覚悟を聞かれ、そして自らの意志で残ったというのに、今さら納得できませんか?


まだご理解いただけてないようですね。


¨夢¨を叶えるというのはそれだけの犠牲を覚悟しなければならないのですよ。


何もしないで¨夢¨が叶うと思ってたならば、


今すぐにでもその首、胴体から永遠に離して差し上げましょう。


そのまま100年と言わず1000年の間苦しみを味わわせて差し上げます。


私、これでも天下五剣の中で一番容赦ないんですよ。


鬼丸と違って、ね。


おっと話がそれてしまいましたね。


まあゲームに関してはだいたいご理解いただけたようですね。


それではこのゲームをするにあたって、会場の方も用意させてもらいました。


あなた方の通う稲穂学園。


そこに重なるように同一空間を用意しました。


そこでは現実の約10倍の早さで時間が流れます。


そして擬似的に創られたその稲穂学園にあるあらゆる扉から、コロシアムに向かうことができます。


扉を開ける直前に「コロシアム」と行き先を告げて下さいね。


一応言わなければそのままの稲穂学園内の部屋に入れますが、


一応異空間なので、稀に別次元に繋がる場合があります。


その時は、まあ、極力死なないで下さいね。


ちなみにその同一空間は【無制限共有フィールド】と言います。


同一空間ゆえにそこで起きた事象は現実にも影響が少なからずでますが、まあそんなに気にしないで下さい。


どうせコロシアムの方は同一空間のさらに異空間ですから。


そうそう、その日の内であれば自分以外の闘い全てを観戦することができます。


異空間ですからそもそも時間軸とか関係ありませんし。


おや、もう話についてこれていない方がほとんどのご様子。


それでは実際に体感して慣れていって下さい。


明日の晩よりゲームは開始されます。


それまでに覚悟をお決めになっていて下さいね。


それでは…」


『解散』


その一言で俺達は¨現実¨へと戻らされたのだった。


6月15日(金)23時59分


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