表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/289

5月11日16時05分


学校を出るとまっすぐ俺の家に向かった。自転車で約10分の位置にある俺の家は、たまに学校帰りにクラスの連中で集まったりする。


ぎやまには帰る道すがら大まかなことを説明した。


「ふ~ん、面白いね。それって阿部ちゃんが考えたの?新しい話できたらメールしてよ。」


「いや、だからこれは小説のネタじゃないって!覚えてない?ここ1ヶ月毎日同じ夢を見てたはずなんだけど…。」


 ここで説明しておくと、俺とつねとぎやまは二年のときから携帯小説を書いている。


最初に俺がバイナハザードという稲穂学園を元にした小説を書いてぎやまに見せたのがきっかけで、それからつねとぎやまも独自ストーリーなどを書き始めたんだ。


「やっぱり覚えてないな~。第一夢なんてすぐ忘れちゃうもんだしさ。」


「まぁまぁ、ぎやま。これはネタじゃないんだよ。実際ここ1ヶ月、毎日同じ夢を見るし。」


ぎやまの言葉につねが説明している。俺と同じように夢での出来事を覚えているやつが身近にいてくれて、正直ほっとしている。


あれがただの夢だったとしたら、俺の頭の中がどうなってるのか心配になる。


「…これはつまり、新たな小説を書けという神からのお告げなのだよ!!」


「なんでそうなる!?」


メガネに指を添え決め顔で叫んでいるつねに、俺は全力でつっこんでいた。そりゃそうだろ。なんでそんな突拍子もない答えに行き着くんだ…。


「これはたぶんそんなんじゃないだろ。俺だけでなくつねも覚えているってことは、夢に出てきた人全員が見ているかもしれない。だったら何者かが故意に見せているのかもしれないでしょ。」


「ま、おれは覚えてないけどな。」


「お告げ云々は冗談として、夢では神って言葉は使われてるんだよな。ま、細かいことは阿部ちゃんの家で話そうや。」


つねの提案に、俺達は自転車をこぐ速度を速めた。


5月11日16時15分


家に着くと、さっそく俺の部屋で夢での出来事を話し始めた。


「ヒャッホー!!阿部ちゃんのベッドヤベェぜ☆ハァハァ!!まさか隣は妹さんの部屋!?うおぉぉ、猫まっしぐらっ!!!」


「「自重しろっ!!(バシッゴスッ!!)」」


何かのスイッチの入ってしまったつねを片付けると、メールで送ってもらった内容を詳しくぎやまに伝え始めた。


5月11日16時30分


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ