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5月11日15時32分


「それで話って?今日部活だから手短にね。」


「俺はどうせ暇だけどね。」


つねとぎやまが交互に言ってくる。たしかに帰宅部の俺とぎやまはともかくつねは陸上部の練習があるのだ。


「悪いね、時間取らせて。実はさ、ここ最近変わった夢をみるんだ…」


おれはこれまでのことを簡単に説明した。


「へぇ、俺の夢と同じだな。偶然じゃあなさそうだ。もしかすると、これは実際にあることなのかもな。」


夢を覚えていたつねは飲み込みが早い。一方ぎやまは半信半疑だ。


「俺覚えてないんだよなぁ。それに本当にそんなことがあったならみんなピリピリしてんじゃない?」


確かにそうだが、所詮は夢の話だ。ぎやまのように忘れてしまったり覚えていない人のほうが多いだろう。


はっきり言ってつねが異常なのだ。俺だってつねがあんなに詳しく夢を覚えていなければ、ただ変な夢を見ただけだと思っただろう。


「まぁ夢だしなぁ。みんな生きるのに必死で夢なんか気にしてらんないだろ。最近の若い奴らは夢がないしなぁ。」


つねが微妙にズレたことを年寄りくさく言っている。お前何歳だよ。


「ま、でも面白いな。小説のネタにさせてもらうわ。それと阿部ちゃん、今日これから阿部ちゃんちに寄っていい?」


突然つねがそう言ってきた。


「いいけど…、部活は?」


「頭痛いから休む。」


「頭痛いの?」


「なんで?痛くないけど。」


ぎやまがきくとつねは不思議そうに答えた。いや、お前が言ったんだろ!


「休んで大丈夫なの?」


「阿部ちゃん、青春は迎えるものじゃなくて掴み取るものだよ。」


「いや、意味わからん。」


「これだから最近の若いもんわ…。」


俺の質問には全て意味不明な言葉で返してくる。ほんとお前何歳だよ。


「…あ、もしもし?俺だけど…、あ、いや詐欺じゃないって。みんなの中心宮崎君だって。…え、俺ってはぶられてんの?…マジで?結構ショックだわ…。…うん…うん…そう。んじゃ。」


いきなり電話を始めるつね。本当に行動が予測できないな。


「ってことでOK。いこうか。」


「すげぇな。今ので伝わったんだ。」


「ああ。そだ、ぎやまもいこうぜ、阿部ちゃんちに。」


「暇だしOK。」


…ってことで俺の家に集まることになった。


5月11日16時05分

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