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掌編小説集10 (451話~最新話)

汚染

作者: 蹴沢缶九郎

空気はよどみ、水は濁っている。まともな生物など到底暮らす事の出来ない劣悪な環境の魔界、その魔界の奥深くに居城を構える魔王が手下の一人を呼んで聞いた。


「地上世界侵略計画はどうなっている」


手下はかしこまり答えた。


「準備は順調に整いつつあり、今晩にも出撃は可能と思います」


「よし、他の者達にも伝えよ。計画は今晩決行だ。人間共にあの美しい地上世界は勿体ない。この劣悪な環境の魔界を捨て、我らが地上を征服してやるのだ。今から恐怖に震える人間共の姿が目に浮かぶわ」


魔王は満足した様子で高らかに笑い声を上げた。




美しい大自然の中、一人の男が澄んだ綺麗な空気に二度三度と深呼吸をすると呟いた。


「空気が美味しいなあ。僕達の暮らす地球はなんて美しいんだ」


そこへ近くにいた友人が尋ねた。


「急にどうしたんだい?」


「いや、だってそうだろ。以前僕達が暮らしていた地球の事を考えてごらんよ。大気汚染に水質汚濁ととてもまともに暮らせる環境ではなかった」


「そういえばそうだったな。汚い地球に嫌気が差していた中、宇宙にこの美しい第二の地球を見つけ、俺達人類は移住したのだった。以前の地球よりずっとマシだ。あんな汚い地球に住んでみたいという奴がいたら顔を見てみたい」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章自体短くて読みやすいし、最後に皮肉も効いていて星新一さんのショートショートを思い出しました。 [気になる点] 強いて言うなら、全体的に読みやすいが故に最後のセリフが長く感じてしまいまし…
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