7話
次の日放課後、和斗はギルドに向けて足を進める。
ギルドにつく、瑞希と雪奈そして、龍也がもうすでに待っていた。
「皆、はやいな」
「たのしみだったからね!」
「はい!」
「俺は普通に来たぞ」
和斗が3人に話しかけると、瑞希と雪奈は、楽しそうに返答し、龍也は、楽しみなのを我慢している様子で返答をする。
「Eランクからだからモンスターと言ってもスライムだぞ?」
「わかってないなー!、皆と協力してするのが楽しみなんだよ!」
「そーなのか?」
和斗に、分かってないと言いながら瑞希が言う。それに対して和斗は1人で疑問をもっていた。
和斗、瑞希、雪奈、龍也の4人はギルド内に入る。ギルド内にはいると、ギルド内奥の受付に行き受付である鈴音に声をかける。
「柊さん、4人で依頼を受けたいんですが何かいいのありますか?ちなみにモンスター討伐系がいいでが……」
「討伐系ですか……。少々まってください。
ありますよ、一応、Eランクにして難易度が高いんですが、モンスター化した、イノシシの群れの討伐ですね……受けますか?」
「はい、それを受けます」
「わかりました。討伐対象がいるのは、この街街を出てすぐにある初心者の森にいます。依頼の成功を確認するために討伐部位今回はイノシシの牙を持って帰ってください」
「わかりました。それで入ってきます。」
和斗は、鈴音との依頼の話が終わると3人を連れてギルドを出る。
ギルドをでると、4人は街を出て初心者の森を目指す。
初心者の森は、弱いスライムや、モンスター化した動物、ゴブリンなど初心者向けのモンスターが多い森のため、初心者の森と呼ばれるようになった。
初心者の森に着くと、和斗達は奥を目指して歩き始める。
「はやくでてこないかな?」
「まだ入ったばかりなので出てこないですよ」
瑞希が楽しそうに声をかける、それに雪奈が返事をする。
そう話している間に木の影から、スライムがでてくる。
スライムは、2体いるようだ。
スライムを見ると直ぐに4人は戦闘体勢になる。
戦闘体勢に入ってすぐに龍也が雷魔法を発動させる。
雷で出来た矢をスライドに放つ。雷の矢は放つと一瞬でスライムにあたり貫通する。
「よし!」
龍也がガッツポーズをしている。
「ずるいよ!」
「こういったのは早い者勝ちなんだよ」
瑞希と龍也が言い合っている。瑞希は、口を膨らませて怒った様子である、しかし、龍也はスライムを倒せて満足した感じである。
「……わ……私も……倒したかったです」
言い合っている瑞希と龍也に雪奈が言う。
「そうだよね雪奈!」
「……少し…………」
瑞希が雪奈と一緒に龍也を見る。
「誰が倒すかは後で決めるにしても後衛か前衛は決めた方がいいな……連携も取れないと危ないからな」
和斗が3人に言った事により、4人で話し合いをすることに。
それにより、後衛は雪奈で、前衛は瑞希と龍也、和斗は、前衛と後衛を臨機応変にすることになった。
話し合いも終わりさらに森の奥に行くと討伐対象である、モンスター化したイノシシの群れを見つける。 モンスター化したイノシシは七匹いた。
和斗は、先程話し合った通りに行動するように指示を出す。
「雪奈!」
和斗が、雪奈に向けて叫ぶ。雪奈が氷魔法をつかい、モンスター化したイノシシの足と足元を凍らせて動きを封じる。
それを見て、瑞希は風魔法を使い風の刃でイノシシを斬り倒す。龍也は、自身に雷魔法をつかい身体強化をして、更に雷で作った剣でイノシシを斬り倒している。
和斗は、足が解放され逃げようとしているイノシシに向かい光魔法を発動させる。和斗が放つ光線がイノシシを焼き殺す。
これで終わったか……
そう思って4人は討伐部位でるイノシシの牙をとっている。
イノシシの牙を和斗が、無属性魔法で異空間を作り収納する。
どうやら、異空間収納のようだ。
4人は、まだ時間があるので森の奥に行くことにする。
森の奥には、ゴブリンの巣があった。
ゴブリンの数は見た限りでは、20~30はいる。
「これは数が多すぎるな……ひきかえすか?」
龍也がそう提案する。
それもそうである、ゴブリンはC級のモンスターであり、3匹ぐらいなら龍也1人でも倒せるが、それが約10倍の30匹である。
しかも、ゴブリンはずる賢く、もし倒せずに逃げられると対策を立てられる恐れがあるからだ。しかし、今度は和斗が龍也に提案をする。
「皆は、離れていてくれそれと防御魔法を発動させて身を守ることだけを考えていてくれ」
「……和斗どういうことだ?」
「1人で戦うつもりなの?」
和斗の提案に、睨みながら答える龍也と、驚く瑞希。
「あぁ、試したい魔法がある。これは、広範囲の魔法で下手したら巻き込んでしまうかもしれない、だから離れておいて欲しいんだ」
「……わかった。あぶなくなったら逃げろよ?」
和斗の話を聞き、龍也は、睨んでいた目をつむり少し考え、心配しながらも和斗が戦うのに賛成する。
「龍也、馬鹿なの?危ないのになんで……」
瑞希が怒ったように龍也に言う。しかし、瑞希の言葉を遮るように龍也が言う。
「俺は、和斗の実力を信じてる」
瑞希は、目を見開い驚く。龍也からその様な言葉が出ると思わなかったのだろう。
「私も信じてます」
そこに、ずっと黙っていた雪奈が声をだす。
それを聞き、瑞希は、驚いた様に雪奈をみて決心したように言う。
「分かったわ。」
「皆、ありがとう」
和斗は、3人に頭を下げる。
3人に見送られて、和斗はゴブリンの巣へと行く。
3人は、和斗に言われたようにゴブリンの巣が見えるギリギリまで離れ、隠れている。
和斗は、ゴブリン達に向けて無属性魔法の闇魔法と炎魔法を同時に発動させて、黒い炎をつくる。
黒い炎で何個もつくった竜巻をゴブリンの巣へと放つ。逃げ出すゴブリンを逃がさないために、更に無属性魔法の結界魔法を使いゴブリンの巣を囲む。
囲まれたことにより、結界内にゴブリン達は閉じ込められる。さらに結界内は黒い炎の海とかした。
黒い炎は、消えることなく燃え続けているので和斗は、黒い炎をけし、結界内を確認する。
結界内は、何もなくなっていた、あるのは平坦な地面だけである。
瑞希や、雪奈、龍也も終わった事に気づき和斗の方にいく。
「かずとー!あの黒い炎なに?」
瑞希が一番に聞いてくる、それに和斗が答える。
「あれを試したかったんだ……名前は黒炎魔法かな?」
「しかし、すごい威力だな」
「あの結界も凄かったです。」
龍也と雪奈も驚いていたようだ。
「まぁ、お疲れ様」
龍也は、和斗の肩に手を置いて和斗を労う。
「「おつかれ(様)!」」
瑞希と雪奈も笑顔で和斗を労う。
「ありがとう。でも、討伐部位を取れなかったからお金にはならないがな」
和斗は、少しショックのようだ。
無事にゴブリンの巣も潰せたので、4人はギルドに帰ることにした。
4人はギルドにつくと奥にいる鈴音にこえをかける。
「柊さん、モンスター化したイノシシの討伐部位です。」
「こちらで預かります。確かに全て、モンスター化したイノシシのものですね。これで依頼達成です。お疲れ様でした。」
こうして4人は初めての依頼を無事に達成する。