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好みのタイプ
今年は、去年よりも少しだけ沢山、雨が降ったらしい。
そういわれてみると、天気が悪い日の方が少しだけ多かったような気もする。
透明なビニール傘が三本玄関に置きっぱなしになっていた。
出先で予想外の雨が降った日にコンビニなどで購入したものだ。
もともと、傘にはあまり執着しなかった。
とにかく雨が凌げれば、黒でも赤でも気にしなかった。
でもいつも、透明な傘を選んでしまう。
理由なんてないのに。
それから女の子を選ぶ時も同じだった。
これといったこだわりや、容姿への強い執着がなかった。
好きになった人が、好みのタイプである事が多かった。
性格も髪型も、喋り方も考え方も全然違ったけれど、なぜか左利きの女の子を選んでしまう。
理由なんてないのに。