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  作者: 並盛りライス
5/7

双子の天使コルサコフ

 天気がいいので蒲団を干そうとベランダに出る。

 目の前は駐車場になっていて、仲の良さそうな双子の男の子が遊んでいた。

 近所の子供だろうが、あまり見覚えがない。

 顔立ちも背格好もそっくりで、パットメセニーみたいに髪型がボサボサだった。

 真っ白いスモッグには染み一つなく、天使の白衣のように見えた。

 「むーすんで、ひらいーて」

 「てーをーうってー、むーすんでー」

 「まーたひらいて」

 部屋に戻ると、ガタガタと不審な音が聞こえてきた。

 鞄の中のスマートフォンがバイブのまま振動している。

 かつての親しい友人や女性の顔を浮かべてみたが、そもそも仕事以外ではこの連絡先さえ伝えてはいない。

 知らない番号が表示されている。

 こちらが出るのを待っているのか振動は止まらない。

 「まーたひらいて、てーをうってー」

 天使たちの歌声が、背後で徐々に遠ざかる。

 数秒すると振動がいったん止まった。

 相手が間違いに気づいたのか、諦めたのかは分からない。

 手の中のスマートフォンがぶるっと、今度は短く振動する。

 1件のメールが届いており、やはり見知らぬアドレスから届いていた。

 hutagonotennsi@mail

振り返ると、双子の姿は消えており、真っ白いビニール袋が唯一の痕跡のように風に揺れていた。

 

 


 


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