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センセイについて
高校を卒業した私は、造園業をやっている叔父さんの会社で働き始めた。
肉体労働よりも、頭脳労働に向いているらしい私は毎日、筋肉痛に悩まされて起床し、家に帰るとそのまま泥のように眠った。
ほとんど残業のない仕事だったので毎日10時間は布団の中で過ごしていたと思う。
仕事中心の生活は、はじめこそ苦痛で退屈な日常に思えたが慣れてくると案外、楽しいものだった。
資材置き場のボス、藤原さんが腰痛で動けない月があり、小型の重機を扱わせてもらったり、出来る仕事も少しずつだが増え始めていた。
そんな時、出会ったのがセンセイだった。
おじさんの会社は基本的にはアルバイトの従業員で仕事のチームを組んでいて、短期の大学生や掛け持ちで仕事をするフリーターの人が多かった。
その中で、少し浮いた存在感を出していたのが通称センセイと呼ばれていた彼だった。