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夏の終わり
死霊になったジャックライナスが、ぐるぐると頭の中で繰り返しリピートされる。
コンビニ弁当の袋には、買ったばかりの親子丼と冷えたビールが入っていた。
温かいものも冷たいものも、そこでは等しく混在している。
夏が終わった実感よりも先に、去年よりも一つ年をとった自分を自覚する。
あっという間に、十代が終わってしまう。
早く大人になりたいと思っていたはずなのに、いつの間にか子供に戻りたいとすら願う。
ライナスが叫ぶ。
ビールが温くなる。
親子丼が冷めていく。
イヤホンから伸びる女の手のを幻視する。
何回目かの9月11日。
おんぼろのアパートの錆びた階段を登る。
扉を開けるとそこには、裸の男が立ったまま眠っていた。