ラブレターもらったら上を確認してくれ、タライがなかったら残念ガチのヤツっぽいwww
前回のあらすじ
なんか鬱展開があったよ!
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目覚めたら保健室、ナースプレイは無かったよ!
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下駄箱にラブレターがあったよ!⬅︎イマココ
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その女の子に会ってグフフフフフ。
7月の夏真っ盛りのこの暑い日に、ひときわ暑苦しい奴はいる。
体育会系の男。
松岡修○。
リア充。
どうしようも無いやつばかりだが、周囲を不快にさせるのはイチャイチャカップルではなかろうか?
「ひゃっほぉおおおおう!」
ここにも一人、なりかけの奴がいた。
リヤ充フラグ、今発動準備完了!
⬆︎➡︎⬇︎⬅︎
俺はラブレターを発見する。
自分の靴箱の中で。
「…………どうする?」
明らか様にドヤ顏の俺が、顔の引きつくのを抑えられない我が友、英秀登に質問する。
「ホモには必要無いので、捨てるのが1番だと思います。」
吐き捨てる様に言う秀登には、悔しさが滲み出ている。
すでに心の要塞は陥落しかけているようだ。
それを承知の上で俺は、ミサイルを打ち込む。
「いやーいいんだよ、悔しいならそう言って。」
「違うよ。早く中身を確認しろよって、思っているだけだよ。」
棒読みになってるのは、思考が停止中だからであろうか?優越感プールを泳ぎながら俺は続ける。
「そうか、そうだよなー。誰が俺を好きなのか、確認しないとなー。」
すでに俺のキチガイ性は、クラス全体へ知れ渡っている為、この手紙をくれた人はよっぽど変わってるか、心が広い人だろう。
冷たく睨む友の銃撃を弾き返して、俺は手紙を開けた。
そこにはこう書かれてあった。
「あの地で待つ。今日来い。」
…………………ん?
悲報、優越感プールは熱湯だった模様。
悲報、秀登の心の要塞に援軍到着。
「あーあ、何かやらかした?」
今度は秀登がドヤ顔をする。
形勢を逆転させようと勢いづいている。
「これって…………もしや?」
迎えうつ俺の軍は全員硬直。
「果たし状だと思うのが1番いいね。」
俺の心の軍、壊滅っ!
うあわああぁぁぁぁああああ!!!
マジかよ、このタイミングでか!!
心辺りが多すぎるんだよぉおお!!
頭を抱え込む俺を、面白い様に見下す我が|敵(友)。
そんなんならあの時、「そこのお姉さん!立派なタトゥーが肩から胸の方に入ってるんだけど、全部見せてくれませんかっ!?」とか言うんじゃなかったよ……。
あれだよきっと。綺麗なお姉さんと見せかけてのヤクザの幹部とかいうやつだ……。
「あーあ、だから言ったのになー。ま、とりあえず頑張れよっ♫」
そう言い残した友は、足早に俺の視界から消え去って行った。
あいつ逃げたよ……。
去っていく彼の足音が、かろうじて正気を保っている俺にひしめきわたった。
⬆︎➡︎⬇︎⬅︎
「くそっ……あの地ってどこだよ……。せめて場所指定してくれ……これじゃいつになっても見つからねーよ……」
7月も中頃に入って、日は長くなったはずだ。それなのに、西の空に沈まりかけている太陽は俺の焦りを煽った。
あの手紙を読んでから今に至るまで、「あの地」で心辺りがあるところは、ほとんど向かって行ったが、誰もいないか人違いだった。
沢山あった心あたりも、これで最後の一つになってしまった。
「はぁ、はぁ……あそこへは、あんまり行きたく無かったんだけどな……」
理由は三つある。
一つは、そこへ行くのにちょっとした山道を歩かなければいけないからだ。
これが自分の思っている以上に大変で、単にめんどくさいと言うのがあり、この候補を一番最後に持ってきた理由でもある。
もう一つは、その場所は周りに何もないということ。手紙の送り主が俺のリンチを企てている場合、周りに助けを呼べない。偶然通りかかる登山者頼りということになる。
そしてもう一つは……そこが俺のお気に入りの場所であること。そこから見える景色がとても綺麗で人通りもない為、夏の花火では結構穴場だったりする。いつしか、暇な時や家から飛び出した時はだいたいここにいる様になっていた。
自分の部屋を自分の血で染めたくは無い。
「はぁ、はぁ…………よし、あと少しだ。」
山道を抜け、舗装された道に出た。
今俺が歩いてきた山道の反対側は全て車が通れる様になっていて、山のふもとまで続いている。
ここを左に曲がって少し登って行くと山頂への登山道があり、右に曲がって少し降りると………あの場所に着く。
「はぁ、やっとついたか。」
今日ここに人がいなかったら帰ろう。
そう思った矢先だった。
「いたか……」
崖ギリギリに設置されている塀に手をかけ、日が沈みかけている町を見つめるその少女。
風になびくそのブロンズの髪は、夕日に染まって輝き、おそらく同い年であろうその幼くも大人びている顔は、ただただ綺麗だった。
「違うな、帰るか……」
あんな子が、手紙を送った人なわけがない。
今日の日中だって、可能性がありそうな人に話しかけて、ナンパ又は不審者扱いされたっていうのに…………思い出したら泣きたくなってきた。
もしあの少女だったら、俺は上半身裸でドジョウ掬い(すくい)してやるよ!
俺が急いで帰ろうとしていた為、反転した時のジャージの擦れる音が高くなっていた。
それが聞こえたのか、その少女は振り向いた。
そして俺と目があい、探し物が見つかった様な顔になった。
「あっ!やっと来たんですね〜。来ないかと思ってしましたよ〜。」
ぽわぽわっとして、くぐもった声だった。
「あなたが、浅葱蛍期さんですね。待ちましたよ〜。」
俺の名前を知っているということは……。
「………手紙を俺にくれたのはお前か?」
少し考える彼女。
彼女のとる表現豊かな顔に引かれ、自然に話のペースがあってくる。
「はい、そうですよ〜。でも私はお前ではありません、ビクシーナですよ〜。」
そう言って笑った。
どう見ても、俺には不敵な笑みにしか見えなかった為、背筋が凍った。
俺は少しひねくれてるのかもしれない。
滅多に俺は女を信用しないので、ビクシーナという単語は反射的に脳内変換され、こうなった。
美駆死否
美しい駆逐!
その殺し方は、一流の殺し屋も舌を巻く!
死を否することはできぬ!
そいつから逃れることは大統領でも不可能!
(なんで大統領かだって?某スパイ映画には必須の役割じゃ無いか!ほら、あの渋い顔したアントニ○猪木風の人!)
結論。
ヤクザの役職か殺し屋とかだろうな……。
俺は震える声で尋ねる。
「その……美駆死否さん、失礼を承知の上でお聞きしますが、なんであの様な内容を俺に?」
「あれ?正しく意味が伝わっていませんでしたか〜?私はこの世界の言語を知らないので、渡せと言われたのを渡したまでなのですよ〜。」
「なるほど、良く分かりました。」
つまり、ヤクザの家の外国人お嬢様が海外旅行へ来たと…………ナニイッテンノオレ。
話が絡まって思考に苦戦している時に、|お嬢様(その少女)は続ける。
「ところで、蛍期さん〜」
「はい、なんでしょうか!」
どんな事を要求されるかとヒヤヒヤしている俺。
「……なんで先程から、上半身裸で踊ってるのですか?」
「男には譲れない時があるんだ。分かってくれ。」
「はぁ……分かりました。」
半ばの呆れと、半ばの好奇心が入り混じった顔をするお嬢様。
その時疑問が、掬いあげられた。
あれ、そういえば?
「なんで書けないのに話せるんだ。」
話し言葉だけ練習した。
そんな類いだろうと、その時は思っていた。
「それは、神のなせる技と言うところでしょうか〜。」
「ほーーー………………………………ん?」
「あっ、まだ自己紹介をしていませんでしたね〜。私、神のビクシーナと申す者ですよ〜」
右手を胸にあて、軽く会釈をする彼女。
頭が下がると同時に、背中から羽がバサァという風に音を立てて開いた。
その姿に圧巻されて、口がしばらく利けなくなっていると、その神は小さい紙を取り出した……神だけにね。
「詳しくは、こちらに書いてありますよ。」
「あ、あぁ…ありがとう。」
そう言って貰った、名刺であろう紙にはこう書かれていた。
(私だ。)
「いや知ってるよ!」
思いっきり地面に叩きつけた。
それしか書かれていなかった。
全然、詳しくない。
「なんなんだよこれ……。それより、その神様は俺に何の用だ?」
ツッコミ出したら切りが無い名刺を避けるように、俺は最初から気になっていた事を聞いた。
「それについては……これを見た方が早いですね。」
そう言って彼女は、顔を一気に俺に近づける。
近すぎて、俺が一歩下がろうと左足を下げてた時。
「それ!」
彼女は声と同時に、人差し指で俺の額を押した。
それと同時に俺の意識は、夢の中の様なまどろんだ雰囲気に包まれた。
「うー、あぁー………エロイぞぉ……ん?やめてくれぇえ!!はっ!?」
「目覚めましたか〜?」
寝言聞かれた、死にたい。
彼女がにこやかなのが心苦しい。
「どこだ…………ここ?」
ここは何処か、ヨーロッパの田舎を連想させる様な平原。
どっかで見たことがあるような……そんな感じの平原の上に、おれは浮いていた。
「覚えてますか?あれですよ〜」
彼女が指差した方向には、あの美女ーーアレアがいた。
「あぁ……あの夢はお前がやったものだったのか。」
「はい〜理由は、今から分かりまよ。」
そう言ったから、見てたのだが………戦場に行くというのに、やけに朗らかな部隊だな。
中央の馬に乗る男と、その隣にいるアレアを中心として明るい声が行き交っている。
「………暖かいな、あの部隊は。」
俺はふと、夢の中で部下が飛ばした野次を思い出していた。
「そうですね。あんな様な部隊がもっと増えれば、戦争なんて無いと思うのですが。」
隣にいる彼女が賛同してくれた。真面目に受け答えも出来るんだなと、今更ながら思う。
「向こうは戦時中か?」
「蛍期君………夢の中でとは言え、砲弾をもろに食らって起きながら、ずいぶんケロッとしてますね。」
「俺は戦争を知らないからね。あと、ケーキでいいよ、俺の名前。」
「ケーキと呼ばれるのは嫌いだと聞きましたが?」
「どこでそれを聞いてた?」
「健二さんからです。」
「……………。まぁ、呼ばれる相手にもよるよ。」
お前に呼ばれるのは何か心地いいからな……と言うのはやめておいた。
何か俺が口説いてるみたいになると思ったから。
主人公は口説かれてこそだよな!
それでも、彼女は悪い人では無いと判断するには十分過ぎる情報を手にした俺は、この俺より小さい大人を信じてみようと思った。
─────大丈夫だよな?麗花、─────
彼女はしばらく俺を眺め、黙っていた。
それでも下の世界は動いているらしく、下をずっと見つめていた。
そして何かが起こるように語った。
「あぁ、そろそろですね……」
悲しい顔をする彼女は、さっきまでの姿とは全然違っていた。
今のところ、俺の目では下に特に変わった事は起きていない。
気まずい場を繋げようと俺は頑張ってみた。
「そういえば、なんで浮いてるのばれな/」
「シッ!」
遮られ、あえなく撃沈する。
彼女が険しい顔になり、上に緊張がはしる。
その時だった。
俺の夢の時と同じ様に、多数の砲弾が部隊に降り注いだ。
命中精度は低いのか、まばらに飛んでいて効果が無いように思えたが、運悪く一人の男性にあたった。
その人は、さっきの夢で俺が水たまりで見た人だった。
つまり、アレアの夫と言うことになる。
まだ20代半ばと言った所だろうか、そのキリッとした顔には、血が流れていた。
アレアがすぐさまに近寄り、彼を揺すった。
それを部下が止める。
彼女は、大粒の涙を流し泣いた。
呆然とそれを見るしかなかった俺。
隣にいる彼女が、固く閉じた口を開く。
「彼は、エイジックアース・コメット。ナポリ要塞奪還作戦にて、道中で砲弾に当たり即死。蛍期が……入る人です。」
あぁ、なるほど。
意識だけが入り込むみたいなもんだったのか。
「それでは少し行ってきますね。」
そう言った彼女は、羽ばたくと同時にアレアの元へ向かった。
アレアの真上で停止し、羽を広げながらゆっくりと降下する。
彼女は神のごとく降臨した。
アレア達の上空から地面に着地すると、優しい慈悲の笑顔を見せた。
アレアが驚き数秒固まった後、彼女が神だと認識し、口を開く。
「我が神ビクシーナさん。出来るものならば、私の夫を生き返らすことは出来ますか?」
変に凝らずに直球でアレアは聞いた。
「出来る。ただ……何があっても知らない。」
口調変わってない?ビクシーナさんよ。
心なしか、キャラも変わっている気がする。
「私はどうなっても構いません!どうか、どうか私の夫を蘇らせてください!」
アレアは必死に頼む。
「本当に……何があってもいいんだな?」
「はい!お願いします!」
ビクシーナは頷くと、俺の方に飛んできた。
アレアが、消えた……。と言っていることから、俺たちの姿は見えないらしい。
「という訳でございます〜」
「何あの口調?」
「キャラですよ〜キャラ。神と言ったらあー言うー様なキャラですよね〜?」
キャラ作ってたの!?
それにしても、さっきから|この神(彼女)は人格が変わり過ぎる。
「お前………よくあんな事があった後で、そんなキャラができるな……」
「400年生きてれば、人が死ぬ場面何て見飽きますよ〜。」
さりげなく凄い事言ってるよこの人。
俺の思考を先読みしたのか、神は続ける。
「神になると不老不死なんですよ〜それと………ケーキ、でしたね〜。私の名前も略して読んでくださいな〜。」
ケーキの部分を何故か噛みしめる様にして言う彼女。
これは考えどこだぞ。
ギャルゲーではここで評価が分かれるんだからな。
「……ビクシーちゃん、でどう?」
「………………センスありませんね〜。シーナって呼んでください。ちゃんは付けたら許しません〜。」
そう呼んで欲しいなら最初から言ってよ、と言おうとしたがシーナが満足げなので言わないでおこう。
「しかしなぁ……」
ここまで言って、黙る。
そして彼女を眺める。
こう見ると、普通の女の子なんだよな。
だが彼女は違う意味で捉えたようだ。
「おかしいのですかね〜?人の死を見ても平気になってしまったのは、いつからなんでしょうか?」
彼女は萎れた花の様になった。
きっと何か………|大切な友でもなくしたんじゃ無いか(・・・・・・・・・・・・・・・・)と思った。
「おかしくないさ、きっとお前は神であることに責任を感じ過ぎてるんだよ。」
彼女は、そうだね、そうだよね。と小さい声で言った。その小さい声には、彼女の|本物の思い(本音)が詰まっているような感じがした。
いつの間にか、足元は土へと、周りの景色もお気に入りの場所へと戻っていた。
少し元気が戻った彼女は呟く。
「リーブ、イン、マインド。だったですかね〜」
その呟きに体が反応した。
何なのかは分からない。
だけど、赤く温かい気持ちと、どす黒くモヤモヤする気持ちが混ざった。
色の混色は、俺を暗い気分にする。
光があるのは、今の救いだった。
「さて、暗い雰囲気になってしまいましたね〜。もう少しケーキには伝えて起きたい事があるんですよ〜。」
そして彼女は伝えた。
彼女が生きる世界、つまるところ異世界は戦時中である事。
大国一カ国に、他の国が滅ぼされかけていること。
それを阻止する為に、俺は呼ばれたこと。
阻止が完了するまで俺は帰れないこと。
時間軸が同じ為、向こうで過ごした時間だけ、こちらの世界の時間も進む。つまり、異世界で3年戦ったら、こちらの世界では3年俺は行方不明になること。
その他もろもろ聞いたが、一番驚いたのはこれだった。
「あと、こちらで過ごした時のあなたの印象は、あなたが住んでいる時代にも影響されますよ〜。」
「えーと、つまりそれはどういうこと?」
「例えばですね〜、あなたがあちらの世界で世界を救った英雄になれば、こちらの世界では一目置かれる存在になれると思います〜。」
人の理解には勝手な解釈がつきものだ。
だから許してくれ。
「ほんほん……つまり私が異世界でモテモテならば、こちらでもちょっとしたハーレムぐらいは作れるという訳ですな?」
「えぇと……まぁ、その反対の事もありますが、概ねそういうことですね〜。」
「よっしゃああ!俄然やる気上がってきたぁああ!男子高校生の夢、否!男の夢、ハーレムを俺が作るっ!」
俺の気迫に押されたのか、シーナは左足を大きく下げる。
何故か顔は青ざめてる……引いているんですね、流石に分かります。
「シーナ!」
そう言って俺は彼女の手を取る。
「はいっ!?」
掴まれて驚き、そして何かされるのでは無いかと思っている顔。
分かり易過ぎて、少々心が痛い。
だからこそあえて言おう!
「君が俺のハーレム、第一号だっ!」
「…………嫌だもう……帰りです……」
うなだれて本音を漏らしたシーナが、少々可愛いと思ったのは黙っておこう。
抵抗する意志を無くした彼女。
ここまでするとは思わなかった。
さてどうしようか、と思った時であった。
「────相変わらずカスい行為を行いの様で浅葱蛍期さん、だからキチガイと呼ばれ続けるのですよ、ケッ。」
ご褒美──もとい、深裂な罵倒が後ろから飛んできた。
そこには、一本の小さいキューを持ちながら罵倒を発生させる人がいた。
シーナが助かった!という顔をする。
「ハーレム二号、風喩紫苑。お前が何故ここにいる?」
ちゃっかり二号認定!
おいそれと来れる様な場所では無いぞここは。
「養豚場の発情豚に興味はありませんよ。私も、そこの神様に呼ばれたんです。蛍期がいるとは思いもしなかった、ケッ。」
神様と言っている限り、事情は知ってそうだな。
俺の手を振り切ったシーナが語る。
「紹介が遅れましたね。こちらは風喩紫苑さん。あなたと今回一緒に転移する人ですよ!」
ナン…………ダト…………。
今週も危なかったチキン店長です。
いや〜クリスマスですね。
リア充ウザいですね。
何か長文書こうと思ってたら忘れました!
まだプロローグですすみません!
絵師さんは常時募集してます。