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赤信号はみんなで渡ると敵の的らしいんだが……

前回のあらすじ

パンツ見たいよ!

⬇︎

見に来たよ!

⬇︎

警察に捕まったよ!

⬇︎

よく見たら、オネェのおっさんだよ!

⬇︎

首を締められたよ!

⬇︎

気を失ったよ!

⬇︎

目が覚めると目の前に美女が!⬅︎イマココ!

⬇︎

その美女とあんなことやらこんなことまでグフフフフ………。

この広い宇宙には、何があるのだろう?

人類ならば、一度はそう思って空を見上げたことだろう。

どこかに自分たちと同じような人が住んでいるかもしれない……人はそれを「異世界」という。

だがしかし、それほど世界は簡単じゃないことも人類は皆知っている。

向こうの世界は戦時中かもしれない。

この話は、その世界で激動の時代を生きたある一つの部隊の物語である。

その名を「基地害」、またの名を「ハームフル」という……。




↑→↓←




スズムシが鳴く静かなる夜に、遠方から切り裂くような叫びが聞こえた。

「……もう、これしかないのです!」

「嫌だよ!みんなを犠牲にしてまで行くなんて!」

ここはとある異世界のとある場所。

太い柱が十本、円形に囲み、その中央にそれに沿った正十角形が描かれている。

古代ギリシャを思わせるような石造りで、その石一つ一つが磨き抜かれ黒く輝いている。

その中心には、一人と……それを囲む十人の(しもべ)がいた。

「今やセイアイ軍の威力は強大です!世界平和のためにも、貴方様には異世界へ行き、強力なる力を持った人を呼んできて頂きたい!」

「そうしたいのは山々だけど……君たちと別れるのは嫌だ!……」

その「輪」の中心にいるのは、この世界の神的な存在である彼女・・

百人に聞いても、誰も神様だと思わないであろう綺麗でその弱々しい顔には、悲しみが積もっていた。

半泣きになるのも無理は無い。

頼られるよりは、人に頼ることの方が多かったのだから。

ましてや……頼った側は死ぬと来た(・・・・・・・・・・)

「死、は覚悟なるうえですわ!」

ひときわ大きい声で叫んだのは、神を囲むしもべ達の中心人物であろう人。

ツーサイドで丸めた髪は、彼女の決意の動きに合わせて揺れている。

「本当に覚悟はあるのですか、シュレちゃん!!」

「っ……覚悟はできているわ。」

一瞬名前を呼ばれてひるんだ彼女シュレであったが、すぐに冷徹の表情……もとい、深い感情を押しとどめたような顔になった。

「聞いてください、私たちの願いを!」

別の信者が、ひときわ大きな声で訴えた。

「「「ビクシーナ様!!」」」

「あっ!…………」

準備していたかのように、全員の声が重なった。

その声に驚き、驚愕の顔をした彼女ビクシーナは、しばらく固まった後、下に顔を伏せた。

「なんで……なんで今、ビクシーナなんて・・・名前……使うのよ……昔みたいにぃ……エイナって……呼んでよ……」

小さく、泣き出しそうな声を絞り出して、彼女は呟いた。

しかし周りに聞こえても、今更決意が揺らぐ人などなかったため、彼女は呆然とその場に立ち尽くすのみであった。

その時、そっと……肩に置く手があった。

振り返った彼女が見たのは、顔をくしゃくしゃにして涙を流しながら、ひときわ大きく美しい笑顔をエレナに向けるシュレであった。

「わたし達は……大丈夫だわ!だからね、心配しないで……ビクシーナ・・・・・。」

その時、彼女(エレナ)の中の何かが音をたてひび割れた。

エイナは、その場に固まってしまった。

その口だけが、なんで……なんで……?と動いているだけであった。

声にならない叫びをあげるエイナを、背中で無視してシュレは声を荒げた。

「さぁ、みんな…………始めるわよ!」

その声が合図だった。

「「「禁術許可ブレイクガード、転移魔法っっ!!!」」」

エレナを囲んだ十人が一斉に、青白い炎に包まれる。

数秒の溜めがあった後、決意が固まったのか全員が叫んだ。

「「「フェルト!!!!」」」

その声が出るや否や、輪の中央にいた彼女エイナは白い光に包まれ消えた。

きっと彼女は異世界へ、強者求めて飛びたてたであろう。

それを見届けた十人は一斉に崩れ落ちた。

──────────九人は、床に突っ伏せた状態で死亡していた。一人は周りを見て状況を確認後、かかとに尻をつけ膝をついた状態で、泣き(わめ)いた。それは止まる事を知らなかった。──────────




↑→↓←




「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃ!!……」

わたしは、シュレだ。

わたしは、臆病者だ。

わたしは、チキンだ。

わたしは、バカだ。

わたしは、アホで間抜けだ。

わたしは、みんなに助けてもらってばっかりだ。

わたしは、友と別れるのが辛かった!

わたしは、死を恐れた!

わたしは、嘘をついた!

わたしは、あの魔法を唱えれば自分が死ぬことを知っていた!

いや……………それはみんな知っていた!

わたしは……………魔法を唱えなかった!

「ラウロ、ピィスタ、テレサ、ノウラ、ミキ、サジ、ウリエル、シィータ、パロロ……」

─────みんな、ごめんなさい。────


右隣にいたピィスタは、第一転移魔法ファーストトランステーションという|エイナ(神)が選んだ人がこちらの世界に移れる魔法を唱えた。

また、左隣にいたラウロは第三転移魔法サードトランステーションをとなえた。

これは、選ばれし人がこちらの世界から元の世界へと帰るための魔法だ。

しかし、この魔法にはエイナの願いを達成後に戻れるという条件がかかっている。

そしてわたしが唱えなかったのは、第二転移魔法セカンドトランステーション…………エイナがこちらの世界に連れてきた人に、エイナの願いを達成しようとする意志を植え付ける魔法だ。

つまり……目的を持たないその選ばれた人・・・・・は、第一転移魔法と第三転移魔法が不安定に影響し合う為、あちらの世界とこちらの世界が行き来可能になる。

これにより、対象者が元の世界に戻る為に頑張るということはしなくなる……。

「いや………………そんなことじゃないですわっ!」

私は頭をかきむしった。

たとえどんなに凄い人を……この世界を変えれるであろう人を、エイナが連れてきても……この世界を救おうという意思がなければ、連れてきても意味がない。

それはこの転移魔法が無駄になるわけで…………

「みんなはの死は無駄ってことじゃないわの!!」

あああああああああああ………やってしまった……。



──────────やがて、ふらふらと立ち上がったシュレはどこかへと消えていった。──────────




↑→↓←




目が覚めると、目の前には美女がいた。

いや……どこのギャルゲーだよ。

そう思った。

「あ!………わわぁ!本当に目覚めた!ありがとうございます、神様!」

いや、違った。

ギャルゲーの神様は普通主人公(オレ)だから。

「え……ええちょっと……どちら様?」

「忘れたの?アレアだよ。アレア・コメット。」

そう言って上の女神は笑いかけて来た。

その顔が眩しすぎて、俺は顔をそむけて状況を確認することにした。

よく確認すると尻に突き刺さるその感触は、芝生そのものだった。

手で触って確認すると、天然芝である。

……当たり前か。

あたりを確認するように頭を動かすと、小高い丘が連なってその間に小さな道が一本ある緑豊かな草原が一面に広がっているのが確認できた。

外国ののどかな田舎風景といったところだろうか。

それらの景色が美しく珍しいため。しばらく首を動かし辺りを眺めていた。

いや…………美女の膝枕を堪能すべく、すりすりしてたわけじゃないよ、決して。

「おぉ……本当に生き返って来られましたか……」

「さすがはビクシーナ様だ……」

「我らの神はこんなことまで出来るのか……」

いつの間にか、俺とアレアは革鎧をきた二、三十代の男たちに囲まれ、物珍しい様子でも見るように俺を見てた。

口調的に解釈して、俺の部下でオケィ?

ん?……ちょっと待って、生き返ったとか言っていたけど俺死んでいたの?

「あの……恥ずかしいから、いい加減頭をどいて……」

「あっ、ごめんごめん。」

俺がどき照れる二人に

「いよっ、ジーク殿!奥様の膝枕堪能ですか?」

と部下がからかい、皆が笑った。

気になったことがあって、水たまりへ移動した。

「やっぱり……」

誰だお前。

いや、誰だ俺?

水たまりの波紋は、ぼさっと頭では無く、スッキリした髪立ちで、はっきりしない目では無く、鋭いキリッとした目で、浅葱蛍期ではなくて………ジーク……さん?であろう人を写していた。

さてさて落ち着け浅葱蛍期あさぎけいき!!えーと、俺はさっきまで健二さんと戯れてたわむれたいたんだよな。

そのあとは…………考える時間を世界はくれやしなかった。

パンッというよな、高く乾いた音が遠方より響いた。

見ると、前方の奥にある森の中から赤い煙があがっていた。

「赤い信煙弾しんえんだんを確認!まずいな、大砲がくるぞ!!!」

「退避してっ!」

彼女(アレア)は叫んだが、さっきまで別のことを考えていて完全に上の空だった俺は、……完全に行動が遅れた。

その結果。

「ジークっ!!」

「ジーク様っ!!」

俺の横に砲弾が着弾し、爆発。

体が、飛んだ。

直撃なら、即あの世にある、ムチ片手のドSのお姉さんによるムチ打ち百回で天国へ昇天しよう!体験コース片道切符を手に入れてしまうところだった。

あぁ……落ちるな……と思いつつ、どうしようもなくて、もがく手足は変な弧を描く。

世界がこの時だけやたらゆっくりであった。

四肢ししはなんとか繋がっていたが、飛ばされた体が地面に落下する衝撃で背骨が何本かやられるだろうな……。

物思いを空中で過ごした後、大きい音をたてて、俺は地面に落下した。

背骨が数本折れたのを確認し、また俺は深い眠りについた。

結局、なにが起こっていたのかよく分からないうちに。




↑→↓←




目が覚めると、夕日がダイレクトに目に差し込んできた。

簡素なベットに簡素な枕。

芝生+膝枕に比べるとだいぶ劣ったもんだと思い、フッと笑う。

「……とんでもなく物騒な夢をみたなぁ……」

それにしてもリアルな夢だった。

俺は折れるはずだった背骨をさすり、ここがどこか確認しようとする。

壁、床、カーテン、ベットにと白で統一された空間で寝ていたため、ここがどこかよく分からなったが、鼻につくアルコールのにおいでここが保健室だと分かった。

「なんでこんな所に……あぁ、締められて気絶したんだっけな……」

そう呟きながらカーテンを開けると、先程|夢(スカートの中のパンツを見ること)から逃亡した友人の姿があった。

「やぁ。体ダイジョブ?」

さっきのネタにかけたのだろう。

俺は体の調子を確認して返事をした。

「グッジョブじゃぁ……ねぇみたいだな。それより、保健室の先生は?」

「今日は休日だよ?いるわけないじゃん。」

「じゃぁ誰がここに連れてきた?……って、あらかた見当はついているが。」

俺は前方でへらへらしている友人、英秀登はなぶさひでとに目を向ける。

「お前が運んでくれたのか?」

「いいや、重いお前を運ぶかよ。お前最近太っただろ。健二さんが連れてきたよ。

「……………デスヨネー。」

多分太ってはいない。

「だけど……デブだからこそ、デブと言われるのを否定するという線を捨てきれない以上、俺はどっちにすればいいんだ!?」

「どっちでもいいよ!好きにしな……。」

「じゃあ俺はデブとガリの間のゲイで!」

「その線はねぇよ!しかし、あの健二さんがこの学校まで、お前を担ぎながら来たのは流石に驚いたな……」

何したんだろう、あのガチムチオネェ。

「保健室まで担いできてね、最後に「ごっつあんです」って言ってかえってったよ。」

マジで何したあの人!?

「はぁ……今日は最悪な日だった。」

「天罰だよ、のぞき魔さんっ♪」

「みれなかったしっ!……もういい、帰ろう。」

保健室から下駄箱へ向かう。

学校の両極端にある二箇所、これが思ったより遠い。

しゃべり足りない秀登が口を開く。

「健二さんとの戦い。遠くで眺めてたけど、本当にお疲れさんだったな。」

「見てたなら助けてくれよ……まぁ、お前も被害者だもんな。」

秀登は俺と一緒にいることが多いため、ついでで絡まれることがよくある。

「ははは、ケーキちゃんほどじゃないよ。」

「お前、それを、言うな。」

ケーキダメ・ゼッタイ。

「目が怖い怖い……それでね、蛍期が倒れた時に、スパッツはいていた人の後ろの人のスカートがめくれてチラッと見えちゃったんだな~あれが。」

「あれがか!?どうだった!?」

「教えないよ。あれは良かったなー。」

俺と友な以上、ろくな思考回路ではないのは同じであるようだ。

そこに(おとこ)の涙を流しつつ、お金で情報を引き出そうとする自分を規制する。

「危ねぇ、財布に手が伸びかけた…………ん?なんだこれ?」

いつの間にか下駄箱についていた。

大事なのは、そこじゃない。

俺の靴がある場所に、紙が入っているようである。

その紙を確認すると、手紙だった。

裏面を見てみると浅葱蛍期君へ、と書いてある。

「らっ……ラブレターだと!?」

秀登が驚いた。

どうやら……そのようだな……。

遅れてすみませんチキン店長です!

一週間飛ばした分はいつか必ずやります!

鬱展開ですみません。プロローグ段階では必要性絶対無いですが、後で書くのもなんなので今ぶち込みました。

今聞いても?のとこが多いですが、力不足ですすんません。

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