表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドハウス魔王城 ~悩めるアラフォーおっさんの快適週末異世界暮らし~  作者: 雉子鳥幸太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/52

いざファームへ

「おぉ~~~~っ!!」


バッカスの背に乗り、大空を行く。

アナさんの小さな背に隠れるように、身をかがめる。

俺の胸元にすっぽり収まったルートは、隙間から見える景色に興味津々の様子。


「いやぁ、空を飛ぶって……本当に気持ちいいですねぇ!」

「あははは! クラキもやっとわかったか? しっかり掴まってろよ!」


その瞬間、アナさんが手綱を引く。

すると、バッカスが鳴き声を上げながら錐揉み旋回し、大きな入道雲に突っ込んでいく。


「うわあああああぁぁーーーーーっ!⁉⁉」

「ワフゥーーーッ!!」

「あはははは!!」


め、目が……回る……。

遠くでアナさんの笑い声が聞こえる。

危ない危ない、もう少しで意識が飛ぶところだった……!


「ア、アナさん、も、もう少し手加減を……」

「ははは! 悪かった悪かった! 安心しろ、もう着くぞ!」


顔半分だけ振り返って言うと、バッカスは地上に向けて降下を始めた。


段々と地上が近づいてくる。


「あぁっ! あれがファームですか⁉」


広い敷地を柵で囲った牧場がある。

小さな点が動いている。あれが竜か!


「ああそうだ、舌を噛むなよ!」

「は、はい!」


俺は口を閉じ、下腹に力を入れる。

やっぱり、着陸の時のGはかなり強いな……。

ルートは平気だろうか。

見ると、ルートもぎゅっと目を瞑っていた。

ふふっ可愛いなぁ……。


「くっ……」

体にかかるGのピークが来る。

それを過ぎると、ふっと体が軽くなった。


「ふぅ……無事に着きましたね」

「ワウ……」


俺は懐からルートを出してやった。

ルートはブルルっと体を震わせる。


「はは、当然だろ? 誰が飛ばしてると思ってんだ?」


アナさんがマスクを外す。

やっぱりただの酒好きじゃないよな、アナさんもその道のプロだ。


「ん? あたしの顔に何かついてるか?」

「いえ、さすがだなと思っただけです」


「そ、そうか? へへ、ま、まあな。よし、行くぞ?」

「あ、はい」「ワウ!」



バッカスが降り立ったのはファームの建物の脇だった。

遠くにいる地竜が首を伸ばして、こちらを見ている。

たぶん、バッカスを意識しているんだろうな。

当のバッカスはまったく気にしていないようだが……。

これもアナさんの影響なのかな?


建物は、小さな事務所のような部分と、屋根と骨組みだけのガレージのような部分に分かれていた。


ガレージ部分を覗くと、まだ幼い地竜が牧場の子牛のようにずらりと並んでいた。

ある程度、大きくなったら放牧するのかな?


「ったく、飛んで来るなと言っとるだろうが……このじゃじゃ馬が!」


積まれた藁の陰から白髪交じりの爺さんが顔を出した。


「よう、元気か? ドラ爺」

「はぁ……相変わらず人の話をなーんも聞いとらんのぉ」

ドラ爺は大きなため息をついた。


「まあまあ、そういうなって。今日は客を連れて来たんだからさ。ほれ!」

アナさんに背中を叩かれ、俺はドラ爺の前に押し出された。


「うわっ⁉ ととっ……す、すみません、突然お邪魔して。私はクラキと申します。この子は従魔のルートです」


「ん?」


「んんんーっ?」


ドラ爺がルートを見て前のめりになった。


「えっと……実は竜車用の竜を探して……いまして?」


ドラ爺は四つん這いになってルートを観察している。


「ワゥ?」

ルートは不思議そうにドラ爺を見つめ返している。


「むむむっ……」

「あのぉ……ドラ爺さん?」


「お前さん、こいつをどこでテイムした?」

「え、えぇと……アイレムの森ですが……」


「アイレム……」

ドラ爺は起き上がり、腕組みをしながら何やらぶつぶつと呟いている。


「どうしたんでしょう?」とアナさんに耳打ちする。

「さぁ? たまにこうなる、気にするな」


アナさんは興味なさそうに答えると、近くの地竜を見に行ってしまった。


「あの、ドラ爺さん、ルートに何か……?」

恐る恐る声を掛けてみる。


「ん? あぁ、すまんな。従魔なら……お前さんは、こいつが何か知っておるな?」

「あ……」


プティ・ガルのことか?

見てわかるものなんだろうか……。

一応、自分からは言わないでおくか。


「えっと、ブラック・コボルトってことでしょうか? かなり希少だとは聞いてますが……あはは」


ドラ爺さんは、少しの間ルートを見つめ、

「ふむ……まあいい。そういうことにしておこうかの」と、視線を俺に戻した。


「で、竜じゃったな。まあ、売ってやらんでもないが……」

「本当ですか⁉ ぜひ!」


「この従魔を乗せられる竜が、ワシのファームにおるかどうかじゃな」

「えっ?」


ど、どういうこと……⁉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ